加湿器の雨

冬の訪れとともに、乾燥を感じる日が増えてきた。

僕はそんなに乾燥に弱いタイプではないけど、それでも加湿器があればなんとなく安心する、くらいの人間。

加湿器の蒸気を眺めていると潤いという言葉が連想され、潤いという言葉はやはり心地よいものだ。

立ち上がる蒸気はすぐに見えなくなるけれど、それでもそれが見えているかのように、部屋が潤いで満たされる想像に浸る。

それは窓の僅かな隙間から溢れ出て、
空を上がり、
やがて雲、
そして雨になる。

蒸発して、
雲になり、
雨になる。

あの人の涙も時を経て、雨になるのかなと想い、雨が愛おしくなった。

☆PEACE☆


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