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九竜なな也
2024年9月18日 18:18
むっとした表情で帰り支度を始めた多香美に、俺はそのまま話し続けた。「失礼なのはわかっている。でも、はじめからそのつもりで君に声をかけたわけじゃないよ。話しているうちに、今の君を抱きたいと思うようになった。これが今の俺の気持ちなんだ。今度またこの店で君に会うことがあったとしても、同じ気持ちになるとは限らない。今夜の君が、明日も同じ君かどうかはわからない。俺もそうさ」 多香美はひととき目をつむり