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ukka 新体制お披露目ライブ New Chapter "7" (2024/1/21)

2023年12月30日に川瀬あやめちゃんがukkaを卒業し、それと入れ替わりになる形で宮沢友ちゃん・若菜こはるちゃんが新たに加入した。その新メンバー2人を迎えた7人体制のお披露目となるライブ「New Chapter "7"」が、2024年1月21日に恵比寿LIQUID ROOMで開催された。

ukkaを少し見たことがあるよ、という人からすると「あの川瀬あやめが抜けたらukkaは相当ヤバいんじゃないの?」と思うかもしれない。私も、あやめちゃんの卒業を知らされた直後はそうだった。

実際に「あやめちゃんのいないukkaのライブ」を見た者として結論を言うと、全くヤバくなかった。いや、逆の意味でヤバかった(ニホンゴムズカシイネ)。

新しいukka、安心してオススメできます。ぜひ見に行ってみて!イマナラニンチモハヤイカモヨ!

ちなみに今ならニコ生でライブ全編のアーカイブが見れます(後半はチャンネル有料会員登録が必要)。




7人体制の動き出しがとても良い雰囲気で進んでいることは、ライブに先立って何度か行われた配信や各メンバーのSNS上での投稿などから伺えた。また、ボイストレーナーの大友ジュンさんからも、新体制ukkaへの並々ならぬ意気込みを感じさせてくれる投稿があり、「オタクの熱量」という最後のパーツさえ揃えば、きっとこのライブは良いものになる、そんな予感を抱いて小雨の降る恵比寿の街中を会場に向けて歩いた。

もっとも、期待の一方で不安もあったことを白状しなければならない。ももいろ歌合戦で頼もしいパフォーマンスを見せてくれたとはいえ、あやめちゃんがいないukkaを本当に心の底から楽しめるのか、という一抹の不安がいまだ拭いきれないまま、開演の時間を迎えることとなった。

リハは若干押したようだったが、開演の定刻16時ちょうどにいつものoverture(つい最近『We are...』という曲名がついた)が流れ、いつも通りのタイミングで…いや、それよりも早く(!)、既存5人がステージに現れた。軽やかなターンを交えた短い群舞を見せると舞台上手袖に向かって手招きし、袖に控える新メンバー2人を呼び込む。それに応じて「ゆうこは」の2人が手をつないで小走りステージに駆け込み、舞台の中心に並び立って客席に笑顔を振りまいた後、深々と頭を下げる。それを暖かな眼差しで見守る5人。万雷の拍手と歓声でukkaの新たな門出を祝うフロア。

スタプラ研究生としての実績があるとはいえ、わずか14歳と13歳の少女が、アイドルという魔法を纏ってステージの上に生を受ける瞬間というのはこうも神々しく尊いものなのか。この時すでに私の目は涙に濡れていた。

続いて奏でられたオープニングナンバーは『つなぐ』(M1)。この日の1曲目として予想していた人も多かったが、私は今日は披露されないと思っていた。いや、正確にはセトリに入っていてほしくなかった。この曲はあの日あの時に置いてきたそのままにしておきたかった。

だけど思い出した、この曲のタイトルが「つなぐ」であることを。繋がれたものは受け取られなければならない。この日その役割を果たせるのは、やっぱりこの曲しか無かった。

あやめちゃんの歌い出しはりなちゃんに受け継がれた。1A後半が元からりなちゃんパートであるので、1Aがまるごとりなちゃんソロになったことになる。あやめちゃんの卒業ライブのときには涙がこみ上げてしまい歌えず悔しい思いを吐露した後半のフレーズも、この日はしっかりと歌い切った。

おなじくあやめちゃんソロパートだった1Bは、ゆうこはのユニゾンとなった。〈"せーの"で超えたゴールテープ そろそろ手を離すよ〉。そうだ、つい忘れてしまいがちだけど、彼女たちも元いた場所を離れてここに来てくれたのだった。

ラストの掛け合いパートでは、ペアで歌うりじゅちゃんと空ちゃんががっちりと握手を交わしていた。これからのukkaを託すに足る頼もしい2人だ。

2曲目には雰囲気を一転させて『Rising dream』(M2)。そうだ、ukkaのライブは楽しいんだ。スタプラフェスでの初披露以来、クラップが入り、うりゃおいが入り、〈Rising dream!〉のコールが入りと、ukkaメンバーとオタクの皆で育ててきた曲。アウトロのもあちゃんのフェイクには飛び切り格好良いアドリブが入り、すかさずフロアから賞賛の歓声が飛んだ。フロア全体が、もう一度〈音楽紀行〉の旅に出た7人を乗せた船の帆に、特大の追い風を孕ませた。

3曲目は『WINGS』(M3)。ukkaには明確に「自分たちのことを歌う歌」というのは存在しないが、ukka自身の物語の主題歌があるとすればそれはこの歌だろう。あやめちゃんの歌い出しはりじゅちゃんへ、1サビはこはるちゃんへ、Dメロ〈誓いも夢も〉はりな→るりのリレー、ラスサビはりなちゃんへ。これまでりなるりのユニゾンだった〈夕暮れも〉はゆうこはユニゾンへ、この継承もまたエモい。オタクたちのコーラスシンガロングに乗せて、7枚の翼が大きく羽ばたいたのを幻視した。

オープニングブロックが終わると、既存5人の自己紹介、その後新加入2人の自己紹介が行われた。〈こはちゃん!〉〈ゆうちゃん!〉の声が既存メンバーに向けたそれに全く負けないぐらいの大きさでフロアから飛ぶ。それは決して研究生から流れてきたオタクだけによるものではなかったはず。それぞれに推しはあれども、「この7人こそがukkaだ」「この7人と俺たち/私たちで進んでいくんだ」という思いで皆一致していたように思えた。ライブを成功に導く最後のパーツ、アイドルをアイドルたらしめるのに欠かせないパーツがここに揃っていた。

『リンドバーグ』(M4)。あやめちゃんの歌い出しはゆうちゃんへ、そして2B前半〈闇に触れる指先 照らすストロボライト 瞬く間に駆け抜ける あの子はスローモーション〉はるりちゃんへ。

この2B前半をるりちゃんが受け継いだのを知った瞬間が、この日のライブで一番感情を揺さぶられた時だったかもしれない。ukkaに入った直後、本当に歌が苦手で、今だから言えるが聴いてる方も「苦手なんだろうな」とわかってしまうぐらい自信なさげに歌っていた頃のるりちゃんは、もうどこにもいなかった。

辛くても折れず、努力を重ね、今やこうしてukkaの代表曲の、クライマックスに向かう大切なフレーズを任され、こんなにも堂々と、こんなにも輝かしく歌えるところまでやってきた。そのことを思うと涙と嗚咽が止まらず、本当は特大の声で〈るーりちゃん!〉とコールしたかったのだがそれもままならなかった。

アウトロの〈oh yeah イッツ マイ リンドバーグ〉を出せる限りの声でシンガロングし、清々しい気持ちでL字を象った右手を高々と掲げた。涙でまみれる時間はそこまで。続く『Viva La Vida』(M5)からはひたすら「楽しい」「かわいい」「尊い」が入り乱れる時間だった。『恋、いちばんめ』(M8)のイントロが流れた瞬間は思わず飛び上がってしまった。フロア後方からも「やったー!」の声が飛んだ。あやめちゃんの長い1Aソロは、りなちゃん・ゆうちゃん・こはちゃんの3人に分けて受け継がれた。

こはちゃんは、スタプラ研究生のリリイベでもなんとなく思っていたのだけど、やはり歌唱のシュアさが抜群だ。音程マニアのあやめちゃんも認めるであろう音感の確かさと、高音域へも引っかかり無くすっと入っていくさまは聴いていて本当に気持ちがいい。

ゆうちゃんの歌声は芯がしっかりしていてマイク乗りがとても良い。そして歌いまわしにも14歳とは思えないほどのセンスを感じる。先に挙げた『リンドバーグ』の歌い出しなどは、もうすでに自分のものとしている感が感じられた。

中盤以降のMCでは昨年を上回る9公演の春ツアー開催発表、新曲『Overnight Rainbow』と新衣装のサプライズ初披露、新曲CD発売に伴うリリイベの開催・新アー写の発表など怒涛の情報解禁があり、運営陣も新体制ukkaに本気であることが伝わってきたのも嬉しかった。

本編を締めくくったのは『キラキラ』(M17)『ラブパレード』(M18)の黄金のコンビネーション。『キラキラ』ラスサビのフェイクと〈叫べ〉のロングトーンはいずれもあやめちゃんからりなちゃんへ、『ラブパレード』2サビの〈通り過ぎていった物語たちよ〉は空ちゃんへ。この2人ならきっと、あやめちゃんが込めたありったけの思いとこだわりにも負けないだけのものを歌に注いでくれるだろう、そう思えた。

本編が終わり、アンコールを求める観客の声の中に静かに流れ始めたのは、歩行者信号のSE。この瞬間フロアがぞわっと沸き立つのを感じた。『AM0805の交差点』(EN1)、あやめちゃんの〈君のママのカレーのレシピを覚えたい〉を受け継いだのはりなちゃんだった。元々「りなちゃん曲」の色合いが強かったこの曲だが、この日名実ともに結城りなフィーチャー曲になったような気がした。

『それは月曜日の9時のように』(EN2)、あやめちゃんの1Aの長いソロとアウトロのフェイクはりなちゃんへ、2A後半〈東京タワー背にして 横顔にキスしたい〉とラスサビ前\オレモー!/コールを受ける〈君に会いたい〉はもあちゃんへ。元々りなちゃんのパートでありこの曲一番の聴かせどころである〈トンネルを抜けたら 見えてきたよ〉も、ますます力強さを増してライブハウスの空気を震わせていた。

この日のラストは『ティーンスピリット』(EN3)。イントロからMIXが入り、コール・振りコピ・歓声が入り乱れる。アウトロのりじゅちゃん・りなちゃんのハモりフェイクは、この大一番を見事やりきったという達成感と喜びが爆発するがごとき咆哮だった。

終演後には運良く当たったお見送り会(抽選制)に参加した。剥がしがなかなかにキツくて(笑)ロクに話せなかったけど、これから対バンもリリイベもあるのでどこかで一人ひとりにしっかりと感謝を伝えたい。つないでくれて、ありがとう。


――あやめちゃんへ。

あやめちゃんが引っ張ってきたukkaは、この日見事に羽ばたきました。





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春ツアーに先立って新曲『Overnight Rainbow』のリリイベも始まるので、ukka気になるなーという人はリリイベから見てみるのもいいと思います。

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