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人生で初めての「推し」である鈴木絢音さんが乃木坂46を卒業して、2ヶ月ちょっとが過ぎた。


まだ2ヶ月か。そう感じるぐらい、アイドルオタクとしての私の視界は変わった。

「乃木坂アンダー推し」として

絢音さんが卒業(現在は芸能活動を休止中)した後も、一応は乃木坂のことも追いかけてはいる。しかし絢音さんがいた頃のような「乃木坂の全コンテンツを可能な限り追いかけてやる!」という熱量はもはや失われてしまった。

ミーグリには全く参加していないし、メディア系も毎回必ずチェックしているのは今では「乃木坂工事中」「乃木坂46のオールナイトニッポン」「沈黙の金曜日」ぐらいとなっている。

ライブについては、齋藤飛鳥ちゃんの卒業コンサートも、今年の全国ツアーも投げていない(配信では見た/見る予定)。ただし、唯一アンダーライブだけは現地参戦を続けている。


2023年4月に開催された32ndシングルのアンダラは、自分が現地参戦した乃木坂ライブとしては初の声出し可能ライブとなった(乃木坂としては2月に開催された11th YEAR BIRTHDAY LIVEが「コロナ禍」後最初の声出し可能ライブだったが、私は全落だった)。

そのアンダラの東京公演(4/27・東京ガーデンシアター)で座長の林瑠奈ちゃんが語った「日々を生きる中で、うまいくいかないこと、辛いこともあると思います。そういったことも、どうかライブの間だけは忘れて楽しんでもられれば嬉しいです」(大意)という言葉が今でも印象に残っている。

その言葉通り、日々のままならぬ事々で溜まった心の澱を、『日常』や『錆びたコンパス』でコールに乗せて吐き出せたこと。そして最後にこの幸せな場が再び失われるようなことが無いようにとの願いを込めて数千人のオタクたちと一緒に歌った『乃木坂の詩』は、忘れられそうにない。

そして、深読みのしすぎと言われるかもしれないが、この「辛いこともライブの間だけは忘れてほしい」という言葉は、ただファンに向けられたものというだけでなく、一緒に並んで立っているアンダーメンバーたちにもまた向けられているように感じた。

アンダーですら数万からの集客を難なくクリアするのだから、彼女たちはまぎれもない「トップアイドル」である。そんな、本来であれば栄光に満ちた存在である彼女たちに「辛さ」という要素を半ば人工的に練り込むアンダーという制度に疑問を抱いたこともあったが、それはこの言葉に実感と重みを持たせ、乃木坂がファンと「共に生きる」アイドルであり続けるために必要なことだったんだなと、今は思う。

そんな、これからも「乃木坂アンダー箱推し」として生きていくことを心に決めた32ndアンダラだった。

なお、その心に響くスピーチと圧倒的なパフォーマンス(実質ソロで歌った『ショパンの嘘つき』はまさに圧巻だった)でオタクを魅了した林瑠奈ちゃんだが、5月上旬ごろから活動の実績が無く、事実上の休業状態となっている。体調不良とアナウンスされているが、一日も早い快復を祈っています。


ukkaとスタダと私

実を言うと、絢音さん卒業よりもかなり前の2022年夏頃から、オタクとしての主現場はukkaに移っていた。

それでもTIF2022や@JAM EXPO 2022の頃までは、ライブには行っても特典会はそんなに積まない「自制の効いた」オタクだったのだが、その箍も秋頃には外れていた。お陰様で(推しである)あやめちゃんからも顔を覚えてもらえたようで、「今日見えてたよ」とか「あのライブのときあそこにいたよね」みたいに言ってもらえることも増えてきた。

別に認知欲しいとかレス欲しいとか思うタイプのオタクじゃない(シャカマと呼びたければ呼べ)けど、そう言ってもらえるとそれはそれで素直に嬉しいものだ。

ちなみに、つい最近まで川瀬あやめさんのことを「あやめちゃん」と呼べなかった。なんか恥ずかしくて、ずっと「あやめさん」と呼んでた。

でも勇気を出して、これからは「あやめちゃん」と呼んでみることにした。客観的に見たらものすごくどうでもいいことだけど、自分的にはわりと大きな一歩だったりする。

…うん、ほんとどうでもいい恥ずかしい告白だな。わかってる。

↑特典会であやめちゃんから励ましてもらった。かわいい。


そんなわけで、コイツもう完全にukkaのオタクじゃんと言われればまあそれはその通りなのだけど、「ukkaのオタクです!」と胸張って名乗るにはいまひとつの面映ゆさがあって、それはなんでかというと、ukkaのオタクではあっても「スタダのオタク」にはなれていないなと思うから。


ほとんどのukkaファンは、ももクロやエビ中からスライドしてきた、あるいは掛け持ちしている人だと思われる。私のような、全然関係ないところからヒョコっとukkaに入ってきた人間は少数派だろう。

ukkaにハマって以来、なんとか「スタダの人」になろうとはしているものの、ももクロはいまだにほとんどわからない(振りコピまで込みで出来るのとなると『走れ!』『ココ☆ナツ』ぐらいしか無い)し、エビ中も多分全レパートリーの半分ぐらいしかわからない。

まあ、こういうのは無理に「勉強」するようなものでもないし、ちょっとずつ体に入れていけばいいかとは思いつつ、生誕でいきなり『すきっ!』や『頑張ってる途中』が流れてきたときに他のお客さんと一緒にワッと沸けないのはちょっと寂しくもあるし、メンバーが配信でスタダの他グループのアイドルのことを嬉しそうに話すのについていけないことがあると申し訳無さを感じたりもする。


生誕といえば、6月3日のりなちゃん・るりちゃんの生誕祭は本当に良いライブだった。ライブの模様は、すずりょうさんことラジオNIKKEI iNEWSのパーソナリティ・鈴木亮さんがレポートしてくれているのでぜひ読んでみてほしい。

人生で初めてのソロライブは、二人にとってどんな風景だっただろうか。りなちゃんのライブもとても良かったが、私個人としては大の乃木坂オタクでもあるるりちゃんのライブについてどうしても触れておきたい。

「かわいいが大渋滞!?」と銘打たれたるりちゃんの生誕祭は、その名の通り、この世のありったけの「かわいい」をかき集めたようなセトリとパフォーマンスだったが、そんな中で異彩を放っていたのがアンコールの『きっかけ』(乃木坂46)だった。

シングル表題曲でこそないものの、乃木坂46というグループが転機を迎える節目節目で大切に歌い継がれてきた、特別な楽曲。そして、一切のごまかしが効かない難曲でもある。乃木坂の歴代メンバーですら、この曲をフルコーラス一人で歌いきれる人は数えるほどしかいないんじゃないかと思う。そんな曲をこの大切な日に歌うことを決心した彼女の心境に思いを馳せながら、今の彼女の精一杯を込めたその歌唱を胸が締めつけられる思いで聴いていた。

歯に衣着せずに言えば、歌唱としての完成度は決して高くなかった。歌詞を間違えたところもあったし、音程を見失ったところもあった。でも、そんなことは何の問題も無い。るりちゃんの「表現する意思」は、最後列近くにいた私のところまでしっかり伝わってきたのだから。

ちなみに翌日のリリイベでお話会に行って、るりちゃんの『きっかけ』に心から感動したことを滔々と熱弁した上「今でも泣きそうだよ」と言ったところ食い気味に「じゃあ泣きな。なーけ、なーけ」と例の小悪魔顔で煽られたことを付言しておく。恐らく認知もしていないであろう相手にこんな対応ができるアイドル2年生、末恐ろしい(もちろんいい意味で)。

るりちゃん。かわいい。


その他の事々

5月17日、カリスマめんざいふっ!の風間玲マライカさんの卒業が発表された。

5月29日、「えふ」こと元sora tob sakanaの神﨑風花さんのtwitterが461日ぶりに更新された。

deep blueの水面がすこしだけざわついた5月だった。

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