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戦士からの解放

何となく、真っ直ぐ何も考えない様にして歩いていた。
ひたすら歩く。夜だと肌寒くも感じる。
自分の考えていることは、自分を縛るだけなのかも知れない。


戦うことに疲れる時も沢山ある。
人間と一緒にいることに疲れたり、傷ついたりする時もある。
風を感じて、自然の匂いを感じて、とても疲れた目をつぶる。

わかっているんだ 本当は 見て見ぬふりをしているだけなんだ

疲弊した自分を真っ直ぐ見つめる元気もわかない。

何が正解なのだろうね。小さな戦士はとても難しい年頃だ。
もっと自由な世界があったなら、彼はとても幸せだろう。

泣き虫姫も同様だ。受け入れてくれる世界だったなら涙も一粒も流さないだろう。

そんな事をふと考える。
もっと心暖かい世界を望む人も多いだろう。

いつか自分にも彼らにも戦う必要なく、自由に翔べる翼を手に入れられたらいいね。

強く強くなる必要なんて無いんだ。
産まれてから人は成長するが、本質は多種多様なのだから。

優しい人間は、とても辛くなる。とても残念だけどね。

無理をした分だけ、倍以上になって自分に返ってくる。

戦士と姫には必要なだけの優しさと生きていくだけの強さを学んでいければ十分だと感じる。

どれだけ泣いたっていいんだ。どれだけ失望してもいいんだ。
どれだけ希望を持ってもいいんだ。
君らの価値は自分で決めればいい。

大したこと無い大人なんて山ほどいるんだから。
全てに従わなくていい。

それが今の本当の君達なんだから。

月夜を見つめて、ひたすら歩いたっていいじゃないか。
産まれてから死ぬまで共にあるのは、自分しかいないのだから。

ゆっくりゆっくり息を吐いた。戦い疲れた戦士も悪くなく思えてきた。

それだけ走って戦ったのだから。


小さな戦士と泣き虫姫はカラフルな世界が大好きだ。
キラキラ光る物も大好きだ。
存分にその好きなものを大切にしてほしい。

移り変わろうとも、好きなものを大切にしてほしい。

自分の様にはなってほしくない。
否定的だがそう思う。

走っていた足を止め、ゆっくりと歩き出した。

戦士という今の自分を、解放しようと思った。

たった一人の味方と共に自分はある。





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