前回の補足:事件後3日以内に詩織さんは幼馴染Sやレイプ被害者支援団体に被害を打ち明けた?

自称レイプ被害者の伊藤詩織さんですが、事件直後の3日間、すなわち4月4日から6日までの間、被害を誰にも訴えていなかったと前回の拙noteに書きました。
投稿した後になって、説明を付け足したほうがいいことに気づきました。
それは幼馴染のSに関してです。
「Black Box」では、詩織さんが6日にレイプ被害をSに打ち明けたと解釈できる描写があります。

P66-67
翌日の月曜日、Kの勧める近所の整形外科を訪ねた。(中略)
 戻ってKに、「理由はわからないけど」と言いながら、診察結果を報告した。彼女には何でも話せるはずなのに、前日の食事会がうまくいって幸せそうな彼女たちの前で、この話を持ち出すことはできなかった。
 それから、幼馴染のSに会った。看護師の彼女は、膝が痛いという私の話を聞き、一緒に薬局でサポーターを選んでくれた。
 お昼ご飯を食べに入ったカフェで、いつもと違って元気のない私を心配し、普段は私が話すのをおっとりと聞いてくれる彼女が、
「どうしたの? 何があったの?」
 と何度も聞いてくれた。』

P68 詩織さんがレイプ被害を打ち明けると・・・
『真っ青になるほど握ってくれていた彼女の手が、冷たくなった。そして、私と一緒に泣いた。初めて自分の置かれた状況を言語化し、人に話した。この時が、事件以来初めて涙がこぼれた時であった。その前の二日間はひたすらショックで、何が起こったのか理解することすら恐ろしく、感情が出てこなかったのだろう。』

P69
『しかし、彼女もレイプ事件に遭遇したらどうすれば良いか、という知識を持ち合わせていなかった。私たちは、誰からもそういう教育を受けてこなかった。そしてそれ以上に、政治と深く繋がっている人物を告発した時に、警察や司法が本当に守ってくれるのかわからず、二人とも恐れていたのだと思う。
 彼女は、デートレイプドラッグだったとしても、一回の使用ではすぐに体内から出てしまうと言った。私は「とにかく、早くその場から離れたくて飛び出してしまったけれど、ホテルから一一〇番すべきだった」と後悔した。今からでもすぐ警察へ行くべきかどうか、二人で悩んだけれど、結論は出なかった。

『翌日の月曜日』とあるのは6日のことです。『その前の二日間』は4日と5日のことでしょう。
詩織さんは『整形外科を訪ね』て、『戻ってKに』『診察結果を報告し』、『それから、幼馴染のSに会った』わけです。
詩織さんがSに会ったのは6日、ということになります。
これが本当なら、「事件直後の3日間、レイプ被害など誰にも訴えなかった」という私の断定は間違っていたことになります。

しかし、詩織さんが幼馴染Sに会っていたのは7日でした。

比較検討 (伊藤詩織さん)陳述書
tass
2021/06/07 20:21
https://note.com/tass/n/nd726f4aa5414
『1 平成27年4月7日に、私はSさんと会いました。
 駅で待ち合わせをし、まずドラッグストアに寄ってSさんにサポーターを選んでもらい買いました。その後、家具店に行き、家具店のカフテリアで、被害について初めて他人に告白しました。』
La Pensee Sauvage-lisanha's site
友人S陳述書
2021.03.29 2020.11.03
https://lisanha1234.com/friends/
『私は引っ越したばかりで、せっかく会えるなら彼女のインテリアセンスを借りようとIKEAに一緒に行ってくれないかと誘い、翌日、一緒に行くことになりました。

平成27年4月7日

(1) 当日待ち合わせ前に膝が痛いとLINEで言っていたので、薬局で一緒にサポーターを買いました。会ったときから、詩織さんは明らかに元気がありませんでしたが、多忙や膝の痛みのせいかな、と考えていました。電車で向かう途中は、お互いの近況や他愛のない話をしていました。』

高裁判決でも詩織さんは『同月7日』に幼馴染Sと『家具店に行った際,控訴人による性被害について初めて打ち明けた』ことになっています。(32頁)

     *     *     *

なぜ「Black Box」では、日にちをズラしたのでしょうか。

それは、ストーリーの辻褄を合わせるためと思われます。

「Black Box」では、幼馴染Sに会った後に詩織さんが警察にレイプ被害を届け出る決断をしたと受け取れる構成になっています。

P70
『「無事ワシントンへ戻られましたでしょうか?
VISAのことについてどの様な対応を検討していただいているのか案を教えていただけると幸いです。」S 2015-04-06 23:01

 しかし、返信はなかった。そもそも、プロデューサー職に内定していた事実さえなかったのかもしれない、と、この時初めて気づいた。考えたくもなかった。最初から仕事仲間になるということではなく、どうにでもできる「モノ」のように見られていたのではないか。』

山口さんからの返信がなかったことを契機に『私はようやく、警察へ行って相談してみようと決心した』(P71)わけです。

詩織さんが自ら警察に行く決断をしたのは6日の『23:01』より後です。
ならば「Black Box」の設定では、幼馴染Sに会った日時は詩織さんの決断より前でないと都合が悪くなります。Sと相談した時には『今からでもすぐ警察へ行くべきかどうか、二人で悩んだけれど、結論は出なかった』わけですから。

すなわち「Black Box」では幼馴染Sと会った日を前にずらすことによって、詩織さんが早い段階で友人にレイプ被害を打ち明けていたという勘違いを読者にさせただけでなく、詩織さんの決断前の心の揺れを演出したと思われます。
「Black Box」にはこのような罠があちこちに仕掛けられています。

ちなみに、詩織さんの陳述書には6日のメールの返信がなかったことが警察に届け出るきっかけになったなんてことは書いてありません。
だから陳述書では幼馴染Sに会った日が7日であっても整合性は保たれています。

     *     *     *

ちなみに、詩織さんは事件後にレイプ被害者支援団体に電話で助言を求めたことになっています。
これがいつかということは「Black Box」には書かれていません。

次の媒体では『事件翌日』すなわち5日に電話したことになっています。

女子SPA! 2017.11.26
もしレイプ被害にあったら…伊藤詩織さんに聞く、せめて知っておきたいこと
https://joshi-spa.jp/787561
『また、事件翌日に性暴力被害者を支援するNPOに電話をして、どの病院でどんな検査をすればいいか相談したんです。すると「面接に来てください、それからでないと情報提供はできない」と言われました。』

陳述書では6日に電話したと思しき表現になっています。

比較検討 (伊藤詩織さん)陳述書
tass
2021/06/07 20:21
https://note.com/tass/n/nd726f4aa5414
『4 4月6日の月曜日の朝、目覚めると膝が痛くて起き上がるのもやっとでした。歩くことも困難だった為すぐにKさんの自宅近くの元谷整形外科を受診しました(甲13)。
(中略)
5 また、私は、他の検査や相談をしたいと思い、ネットで調べて、性暴力被害者を支援するNPO法人に電話をし、どこの病院で何の検査をすればいいのかを教えて欲しいと聞きましたが、直接話を聞いてからでないと情報提供はできないと言われ、すぐに情報を得ることはできませんでした。』

電話をしたのが5日にしろ6日にしろ、これが本当ならば詩織さんは事件後の3日以内に支援団体にはレイプ被害を通知したことになります。

しかし、私は信用していません。
支援団体に電話したという話は、詩織さんだけが言っていることです。
これまで詩織さんの発言についてはつぶさに調べてきましたが、事実と違っていたことが多いのです。デートレイプドラッグ、強姦致傷被害、ノートPCでの盗撮、元検事の叔父・・・。

そもそも、事件当日の4日にはアフターピルをもらうために産婦人科を受診し、6日には膝の故障のために整形外科に行っています。
『どこの病院で何の検査をすればいいのか』くらいのことは電話せずとも理解できているではないですか。
それに、医療に関する事柄なら看護師である幼馴染のSに聞くこともできます。

ホテルのフロントにも助けを求めず、警察にも行かず、当日訪れた産婦人科でもレイプ被害を訴えず、カフェに花見に食事会にと忙しい詩織さんが、その合間に性暴力被害者支援のNPO法人にだけレイプ被害の相談を試みるというストーリーは不自然ではありませんか。
事件直後の3日間、誰にもレイプ被害を訴えていないのはあまりにも変だから、何か一つくらいエピソードを作らなければ・・・。というのが真相ではないでしょうか。

このあたりの事情は、詩織さんが秘密録音した音声データに収められているかもしれません。
是非とも音声データを公開していただきたいものです。

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