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伊藤詩織さん! 秘密録音した音声データの公開を:【追記】

マスコミが一方的な情報だけを徹底的に流して、特定の人物を犯罪者に仕立てあげる。しかも裏には政治的な意図が透けて見える……。
今回は山口敬之さんが生け贄にさせられましたが、次は誰がどんな形で陥れられるか分かりません。

                                                                                          【2020年6月13日】
詩織氏はブラジャーに隠したレコーダーで、警察内でのやり取りを録音していました。
2年以上かけて収集した録音データをもとに書かれたのが「Black Box」です。

BBC Two
Japan's Secret Shame
Shiori Ito: Japan’s attitudes to allegations of sexual violence are locked in the past
https://www.bbc.co.uk/programmes/articles/3z44Njyr5wzm3wbVMGZ7tFr/shiori-ito-japan-s-attitudes-to-allegations-of-sexual-violence-are-locked-in-the-past
『It was at this time, that I had make the shift in my head from complainant to journalist - I started to analyse how the police were handling the case and decided to record all my meetings with them. Since then I have set a digital recorder going in my bra just before entering any police station. I was always scared what they would do or say if they found out that I was recording, as I had no lawyer at that time, but I felt I had to have a record of their approach. The only way I have been able to continue has been to completely compartmentalise my feelings - I had to treat this as a story I was following: I was seeking the truth as a journalist, detached and dispassionate. That is still the way I try to frame it in my mind.

The recordings that I had collected over two years finally became a book, that published last year - my journalistic training, and the fact that I had recordings of so many conversations meant that the publisher’s lawyers could be satisfied that my account of my treatment after I made the rape allegation was fair and accurate.』

秘密録音した音声データが公開されれば、この事件の謎の大部分は解明できると思います。
「レイプ魔山口が逮捕されなかったのはアベ友だったからだァ〜!」とお怒りの方も、音声データを聞けば、逮捕の必要がなかったことが分かると思いますよ、たぶん。
しかし、秘密録音そのものが報道されていないのが現実です。

詩織氏でなくとも、「Black Box」編集担当の安藤泉氏で結構ですから、どうぞ音声データを公開してください。

【追記:2023年1月29日】
詩織さんが弁護士との会話も秘密録音していたことをエッセイ集「裸で泳ぐ」の中で明らかにしました。

まさか自分で堂々と告白するとは。【追記終了】

【追記:2020年7月6日】
勘違いしていました。
これまで私は、詩織さんの秘密録音は警察でのやり取りのみだと思っていました。
しかし、それだと、上記BBCの記述と合致しないことに、今ごろ気づきました。

・詩織さんが最初に警察に訪れたのが2015年の4月9日(「Black Box」P72)
・事件が書類送検されたのが同年の8月26日(P158)

4か月で書類送検です。以後の捜査は検察によって行われるはずです。

・詩織さんがK検事と二度目に面会したのが2016年の7月(P161)。
・不起訴確定が同年の7月22日(P164)

詩織さんが検事との会話も秘密録音していたと仮定します。
それでも、2015年の4月9日を起点に計算しても1年4か月ほどです。

しかし、BBCのサイトでは、「The recordings that I had collected over two years」とあります。「over two years」すなわち「2年以上」。
残りの数カ月は、いったい誰のどんな発言を録音していたのでしょうか?

もしかしたら西廣陽子弁護士や村田智子弁護士との会話も録音していたのですか?
ならば、警察・検察・検察審査会では準強姦罪だったこの事件が、「Black Box」でなぜ強姦致傷事件になったのか、弁護士の先生たちとのやり取りが音声データに残っているのではないですか?

この事件、どう考えても詩織さんの側に深くて底が見えないブラックボックスがあります。
秘密録音した音声データを公表して、自らのブラックボックスを開いていていただきたいと切に願います。                                                                        【追記終了】


伊藤詩織vs山口敬之事件とは(2020/6/13)


2015年4月4日に起きた、この事件については、伊藤詩織さんと山口敬之さんの主張が真っ向から食い違っています。

詩織氏の著書「Black Box」での主張によれば……。
・意識不明状態の彼女は、山口氏が投宿していたホテルに連れ込まれた。
・早朝5時に目覚めた時はレイプされている最中だった。
・バスルームに裸で逃げ込んだ彼女は鏡を見て、体にケガやアザがあることに気づいた。
・彼女は再びベッドに引きずられ、暴力的にレイプされかけて膝を大怪我した。
……ということです。

山口氏の主張では……。
・勝手に鯨飲して泥酔して嘔吐した詩織氏を介護するためにやむなくホテルに連れ帰った。
・彼女は午前2時ごろに目覚めた。
・彼女は下着姿のまま膝まづいて、迷惑をかけたことを詫びた。
・彼女のほうから性交渉を誘ってきた。
……ということです。

事件のあった時間からして違っていますね。
双方が共有する一つの体験について、それぞれ別の解釈を訴えているのではなく、二つの別々の事件について語っている観があります。


山口敬之さんに軍配を上げる理由(2020/6/13)


2017年に出版された「Black Box」で詩織さんが描写している事件はまごうことなき強姦致傷です。

P50(「Black Box」から引用、以下同)
『私が「トイレに行きたい」と言うと、山口氏はようやく体を起こした。その時、避妊具もつけていない陰茎が目に入った。
 トイレに駆け込んで鍵をかけたが、パニックで頭は混乱するばかりだった。バスルームは清潔で大きな鏡があり、そこには何も身につけていない、体のところどころが赤くなり、血も滲んで傷ついた自分の姿が映っていた。ヒゲそりなどの男性もののアメニティが、広げられた小さな白いタオルの上に、いやに整然と並んでいたのを覚えている。そこで、ここは山口氏が滞在しているホテルだと気づいた。』
『とにかく、部屋を出なければならない。意を決してドアを開けると、すぐ前に山口氏が立っており、そのまま肩をつかまれ、再びベッドに引きずり倒された。』

P51
『抵抗できないほどの強い力で体と頭をベッドに押さえつけられ、再び犯されそうになった。(中略)
 体と頭は押さえつけられ、覆い被さられていた状態だったため、息ができなくなり、窒息しそうになった私は、この瞬間、「殺される」と思った。(中略)
 必死に体を硬くし体を丸め、足を閉じて必死で抵抗し続けた。頭を押さえつけていた手が離れ、やっと呼吸ができた。
「痛い。止めて下さい」
 山口氏は、「痛いの?」などと言いながら、無理やり膝をこじ開けようとした。膝の関節がひどく痛んだ。そのまま何分揉み合ったのだろう、体を硬くして精一杯抵抗し続けた。
 ようやく山口氏が動きを止めた。』

P55-56
『都内に借りていた部屋へ戻ると(中略)。
 シャワーを浴びたが、あざや出血している部分もあり、胸はシャワーをあてることもできないほど痛んだ。』

P66
『月曜日、Kの勧める近所の整形外科を訪ねた。ここでも私は医師に、知人にレイプされた、とは言えなかった。「仕事でヘンな体勢になったので。昔、バスケをやっていたから古傷かもしれません」と曖昧に説明した。
「凄い衝撃を受けて、膝がズレている。手術は大変なことだし、完治まで長い時間がかかる」
 診察した男性の医師は、そう言った。
 痛みが治まらなかったら手術の可能性もあると言われ、その日は電気を当ててもらっただけで治療は終わった。
 それから数ヶ月間、サポーターをはめて過ごすことになった。今でもこの膝が痛む時があり、そのたびに悪夢を思い出す。』

しかし不思議なことに、2015年に詩織氏の事件を扱った警察・検察は準強姦として処理しています。

P125
『薬でなくとも、ここまで酒を飲んだことを店の人が証言したのだから、準強姦罪の要件の一つにはなる、とA氏は言った。』(A氏=高輪署の捜査員)

P161-162
『担当のK検事と二度目に面会したのは、二〇一六年七月半ばのことだった。検事との話に、目新しい展開はなかった。検事は最後にこう言った。
「この事件は、山口氏が本当に悪いと思います。こんなことをやって、しかも既婚で、社会的にそれなりの組織にいながら、それを逆手にとってあなたの夢につけこんだのですから。それだけでも十分に被害に値するし、絶対に許せない男だと思う。
 あなたとメールのやりとりもあって、すでに弁護士もつけて構えている。検察側としては、有罪にできるよう考えたけれど、証拠関係は難しいというのが率直なところです。ある意味とんでもない男です。こういうことに手馴れている。他にもやっているのではないかと思います」
 そして彼は、日本には準強姦罪という罪状はあるが、実際にはなかなか被疑者を裁けない、と、現行法の持つ矛盾を、長い時間かけて語った。
 それは、司法システムの話から始まった。
「日本においては、性犯罪を立証するのはとても難しい。日本の刑法では被疑者の主観をとても重視する傾向があるのです。当然、被疑者が犯行を認めることは稀なので、『合意のもとでした』と言う。
 アメリカの刑法では、主観より客観的な事実で起訴が出来る。日本では、客観的な状況だけでは、明らかな有罪だったとしても、被疑者がそれを認めない限り有罪になりにくいのです。
 強力な証拠を求められます。例えば、犯行を撮った映像や音声、第三者が目撃していた、等々。私はアメリカの司法の現場でも経験があるので、よくわかります」
 私は、彼の言う「第三者が犯行現場を見ているか、その犯行ビデオがないと、準強姦罪の適用は難しい」という説明を、この時そのまま鵜呑みにしてしまった。大きな問題は法律そのものにあるのだ、と。日本の「準強姦罪」は、あってないような法理なのだ、と。』

警察・検察はなぜ、重罪であり非親告罪である強姦致傷を、昏睡レイプとも言える準強姦として扱ったのでしょうか?
ちなみに「Black Box」によると、彼女が当時相談した弁護士も準強姦としてしかこの事件を見ていません。

P89
『セクハラで退社した友人Rが、弁護士などに相談できる「法テラス」について教えてくれたので、無料相談をしてみることにした。
 四月二十三日、弁護士と面会した。ここでもまた一から事件の説明だった。それまでやりとりしたメールも見せた。
 初めて弁護士に相談し、いくつかの問題点を整理することができた。ここで教えてもらったのは、
・準強姦事件の証明に必要な争点は二点。性交したか。合意の上かどうか。』

元検事の彼女の叔父さんも、強姦致傷について何も言っていません。
なぜか詩織さん自身も強姦致傷を問題にしていません。語っているのは準強姦のことばかりです。

P3
『そしてもし犯行時、被害者に意識がなかったら、今の日本の法制度では、事件を起訴するには高いハードルがある。
 私のケースがそうだったように。』

P71
『私はようやく、警察へ行って相談してみようと決心した。
(中略)
 Rの家で一通り彼女たちの近況を聞いた後に、私は、「準強姦にあったかもしれない」と話した。この時には自分でいろいろ調べて、自分の身に起きたのは「準強姦」事件なのではないか、と思っていた。「準強姦」罪とは、主に意識の無い人に対するレイプ犯罪のことだ。』

当時、詩織さんが山口氏に送ったメールを読んでも、強姦致傷について書いているとは思えません。が、一つだけ、強姦致傷と解釈できなくもないメールがあります。

P108 事件から1か月後のメール。
『あの夜、山口さんに意識がないまま強制的に性行為を行われ、肉体的にも精神的にも傷つけられました。
あの後、膣は数日間痛み、乳首はかなり傷つきシャワーを当てられないほどでした。膝の関節もずれ今日までサポーターをつけています。』

これに対して山口さんは反論のメールを返しました。

P110
『事実認識についても、冷静になって下さい。例えばあなたの膝が痛いのは私のせいですか?あなたは寿司屋のトイレで鍵をかけたまま寝込んでいて、外から鍵を開けた店員さんに助けられたのを覚えていますか?店員さんによれば、便器から崩れ落ちて不自然な形で寝込んでいたという事ですから、その時に痛めたのではありませんか?もし私があなたの膝を痛めるような事をしたと主張するのであれば、どういう局面だったか説明して下さい。いろいろな意味で、まずは冷静になって欲しいと思います。』

これに対して詩織さんは説明のメールを送っていません。

     *     *     *

ここに疑問が生じるわけです。果たして「Black Box」のP50とP51に書かれている強姦致傷は真実なのだろうか?と。

詩織さんは記者会見等で、警察に被害を訴えたがとり合ってもらえなかった旨を繰り返し主張しています。が、具体的に何を訴えたのか、準強姦なのか強姦致傷なのか、詳しくは語りません。

彼女は2015年に警察にどんな被害を申告したのでしょうか?

それを明らかにするために、是非とも音声データを公開していただきたいものです。

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