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滋賀県愛荘町で生姜を栽培してみた


<2022/4>
4月5日に引っ越しを済ませ、「地域おこし協力隊」さて、何から始める?という話題の中に、愛荘町を盛り上げるために「地ビールを作ってはどう」という話がポロリ。地方創生王道ビジネスと感じつつ、
・既に隣町で観たな~。
・滋賀県という地域性を考えると日帰り旅行者が多いよね。
・愛荘町は公共交通機関のアクセスがよくないので車移動の観光客が中心。
で考えるとアルコールで地方創生!という話題に頭の中に"?"が浮かんだあと、クラフトビールブームも一山超えて、これからはクラフトコーラ、クラフトジンジャーの方がよくないか?
&生姜であればジンジャエール以外への派生展開も容易だよね..と考えたは良いものの、生姜ってどんな植物?どうやって育てるの?と、単純な疑問が頭をよぎる。

<2022/5>
「生姜を栽培してみたい!!」と周囲に言っていたら..
・生姜を栽培するなら植え付け時期は5月のGWぐらいまでだよ。
・やりたいんだったら、栽培方法なら教えてあげるよ!
・町内で余っている畑を貸してあげてもいいよ!
と、トントン拍子というか、応援してくれると手を挙げてくれる人が何人も現れてきた..やるなら、今しかない「なんとかなる」「やってみよう」と即断即決でAisho Gingerプロジェクトを起動!!

5/14 協力メンバーを集めて生姜の苗栽培後に看板も設置

<2022/5-6>
収穫できるのは秋。それまで半年間..プロジェクトの妄想を語っていた。
まずはジンジャエールかな?
・レシピづくりってどうなるんだろうね
・マルシェなんかに出店してお客さんの声を聴きたいよね。
・出店するには保健所とか手続き必要だよね。
と、一緒に着任した地域おこし協力隊員(駒ちゃん)と話していたら..「面白そうなんでやってみますよ」と軽い返事で、翌日にはスーパーで生姜を購入して試作品作りが始まった。
そんなことを雑談のように町内で語り歩いていると、町内で6月にマルシェがあるから、出店するならすぐに申し込んで..とのお誘いが。
マイペースどころか..背中を押されながら事が進んでいくのに自分達がびっくり。
2022/6/5(土)愛荘町で3ヶ月に一度開催されている"風のマルシェ"に出店。
試行錯誤途中なのでなにもかもが初めての状態だったけどお客様の声を直接聞くことができた。
・美味しい!!でも生姜の繊維がちょっと残りすぎかな?
・ストローが細くて生姜が詰まっちゃう!?
・1杯100円って安くない?もっと高くてもよいのでは..
・今度、別のイベントするので出店してくれない?
自分たちの自信不足でうろたえながらも用意した仕込み分量は完売。
儲かってないけど、スタートラインでは大成功かと思うぐらい満足度◎。

試作品やマルシェ販売を繰り返しレシピも改良

<2022/7-11>
風のマルシェ出店を機に、「地域おこし協力隊」が生姜を使ってジンジャエール販売はじめた..という声が、自分たちの宣伝+口コミで広がっていく肌感覚をもった中
・7月:町内酒蔵主催の蔵開きイベントに出店
・7-8月:に町内農家が作ったひまわり畑の野菜直売店で併設販売
・8月:自分たちが主催したBBQイベント参加者に試飲提供
・10月:近江鉄道1日無料デーに合わせて駅前空き家をお借りして出店
・10月:商工会が主催したおかげさま市に出店
・10月:風のマルシェ出店(二回目)
・10月:麻組合が主催するイベントに出店(2週連続)
・11月:旧中山道の古着屋さんの周年イベントに出店
まだ、自分たちが栽培した生姜の収穫もままならない中でもご贔屓に声をかけていただきレシピ改良を重ねながら10回近く販売機会をいただけた。

夏の活動期間中、町内で生姜を栽培している農家さんがいない?と聞き回っていたら、これまたいろんな情報が飛び込んできた。
・愛荘町はやま芋が特産品だが、生姜は同じ気候・土壌で生育がよい
・愛荘町は戦前から戦後にかけ(昭和30年代まで)滋賀県湖東エリアでは生姜の大産地として、域内に供給されていた。
・生姜は大陸から輸入された食べ物のひとつで、奈良時代に遡るが生姜を日本で初めて栽培したのは現在の愛荘町竹原地区である。
近江を中心とした伝統野菜文化史
・そして、若手の農家さんで生姜を栽培しているひとがいた~
なんじゃそれ..という話が次から次へ、もしかしてAisho Gingerプロジェクトはこの話を掘り起こすためにやってたんじゃない?と思うぐらいに感じるようになってきた。

<2022/10-11>
秋の収穫時期なると、新生姜を町内から調達できるようなってきた、ジンジャエール販売がそこそこ好調っていう背景もある中で、廃棄せざるを得ない生姜がもったいない、と駒ちゃんが「余った生姜でドライジンジャーとケーキも作ってみました。ジンジャエールと一緒に販売するので試食してもらってもよいですか?」と、いきなり新商品開発が実現!!

余った新生姜を有効活用してできあがったドライジンジャーとケーキ

まだ、大量生産ができるような段階ではないですが、イベントでの販売状況もありがたい事に大好評..(^▽^)。

<2022/11/12>
5月に栽培した自分たちの生姜もいよいよ収穫。
たった、20株の種生姜から収穫できた生姜はどれくらい?(3-4kgぐらいかな)
本当は翌年の種生姜として繋いでいきたい想いもあるのですが、保管方法が素人にできるようではないとのことで、今回は全てジンジャー製品の製造に回すことになりました。


都会の仕事を通したプロジェクトでは、明確な目標をメンバーに共有しPDCAを回していく..という目標管理の考え方が染みついていましたが(キーネシスな働き方)、せっかく都会を離れて地域おこし協力隊をやっているんだから、これまでの考え方を一度手放してみようと、意識的に「ありのまま」の姿を受け入れたら、どんな事がおこるんだろう?という事をやってみました(エネルゲイアな働き方)。
結果は、あれよあれよという展開がおこったり、時期によっては我々がお尻を叩かれるという場面もあったり..

半年間という短い期間でまだまだ、小さな活動ですが、いままでにない感覚の体験を通じて得るものは大きかったと振り返っています。
関わっていただいた沢山の皆さんに感謝しています。「ありがとう」

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