見出し画像

本当に欲しいもの

そうだ
好きなもののために
僕は戦ってこなかった
守ることすらできずに

そうさ
だから罰を受けている
立ち上がる力をもなくした
何が好きかもすでに消えた

好きでもないものを
あてがわれ一人泣いた僕は
大人に理由なんか話さない

なのに戦わなかった
負けて笑われるのが
許せなかった


うん、ノートは
ここで終わりです
僕は欲しい物なんて
もうないんですよ

もうもうもうもう
ずーっと前から
なんにもいらない

だから
街を寝床にすることに
したんですよ
意外とね楽しいですよ
町ごとに匂いがある

今はこうして
自由なもんです
欲しい物も特にないし

ああ
でも父さんには
話をしたかった

子供にはわからない
この歳でなんとなく
感覚が掴めそうなんだよ
父さん


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?