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[27]ちょっとそこのランウェイへ

ランウェイを縁どる街燈
ハイビームのフラッシュ浴びて散歩は続く



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夜、散歩にでる。
近所の幹線道路に向かう。
この道の歩道には、
水はけのよいタイルが美しく敷き詰められている。
自転車の通行も想定されていて広く街燈も明るい。
そして、見渡す限り真っ直ぐ伸びている。

よく整備されているせいか、
この幹線道路は自動車の交通量も多いが、
歩道を利用する人々も多い。

帰宅途中のサラリーマンや学生。
犬と散歩をするご婦人。
ウォーキングするご夫婦。
俊敏に走り抜けるスポーツマン。

ところで私はよくお見合いをしてしまう。
独身の男女が出会う、ソレではない。
前から来た人を避けようとして、
なぜか二人ともぶつかる方向に一歩踏み出し、
更に避けようとして反対方向に踏み出し、
結果的に仲良くステップを踏んでしまう、アレだ。

どうしたらスムーズにすれ違いができるのか、
知人に聞いて回ったことがある。
「下を向いて相手に避けてもらう」
それはやはり危なくないだろうか。
「進行方向をにらみ続ける」
善良な市民をにらみつけるようで気が引ける。
そして、最終的には「気合い」だと言われた。

せっかく気分よく散歩しているのに、
向かいから誰かが来ると、
「どちらによければいいのだろう・・・」と
いちいち考えてしまうのが億劫になってきた。


ある日、さっきまで降っていた雨が急にやんで、
ちょうど散歩に出ることができた。
そのせいか、歩道は空いていて誰もいなかった。

雨上がりの空気は清々しく、
湿った歩道に街燈の灯りがキラキラと反射している。
道の両側に並ぶ街燈はまっすぐ消失点まで伸びていた。
ランウェイってこんな感じなのだろうか。

消失点を見つめながら、
私は歩道のど真ん中を歩いてみた。

街燈はランウェイを照らすスポットライト。
対向車線の車のヘッドライトはフラッシュ。
両側の暗闇には私を憧れのまなざしで見つめる
観客がひしめいている。

こんなに軽やかに心地よく歩けるなんて知らなかった。
これまでの私はなんと自らを不自由にさせていたのだろう。
他人なんて関係ない。
まず私が私の道を歩くと決めることだ。

私のランウェイはいつでもそこにあった。

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