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【短編小説】全身を強く打ち意識不明の十代【2000文字以下】


朝、昼、夜、いや。
朝、昼、夕、夜、いやいや。
早朝、朝、昼、夕、夜、まてよ。
早朝、朝、昼、夕、夜、深夜。
一、二、三。
一、二、三、四。
一、二、三、四、五。
一、二、三、四、五、六。

一から六までの組み合わせ。どの組み合わせの世界で生きている?

普通とか、正常なとか、常識的にとかはどっかに投げ棄てて。

過去、現代、未来。

A、B、C。

Aに捕らわれ、Bから逃げ、Cを拒絶。

いや、Aは思い出、Bを楽しみ、Cはパッパラパー。

いやいや、それはあいつらでしょ?

家族、友達、親友、知人、先生、クラスメイト、全部ただの人だよね?

私もただの人。

だよね?

人以下?

はい、やめー。

今の無し。

今は六だから。

六のテンションで。

はい!発表しまぁーす

明日は気合いで七時には起きて、鼻歌混じりに身仕度を整えて、朝食に玄米フレークを食べまーす。
そんで駅で友達と合流して、意味の無い会話をしながら学校にとーちゃーく。
ダルい授業はすっ飛ばして、楽しい放課後へGO!みんなで遊んで、バイトが休みなのを幸せに感じちゃったりしてー。

はい!良くできましたー!

六のテンションさん、ありがとー!

では、そろそろ一のテンションと、Bさんにお出でいただこうか。

うっ

私が嫌いなツートップ一B。

ヤバい、マズい、ダメだ、ネムい。

いや、このまま寝ないでワンちゃん。

明日こそ、ちゃんとしなきゃ。

ちゃんとしなきゃってなんだ?

朝起きて、学校に行って、帰宅する、夜寝る。それの繰返しだよ。

だから一Bは嫌いだ。

そんなのわかってる。

なめんなよ!私はやれる!全然大丈夫!

あと二時間ぐらい寝ないで…

おはよう

おはよう…三

はい、このまま目をつぶればもう四が待っている。

Aがぐだぐだ言ってくる。

だけど、もうそれ意外は何も言ってこない。

だって私以外の人はもう誰もいないのだから。

「ねぇ、ぶっちゃけ意味わかんないんだけど?」

「はっ?私の渾身のショートムービーなんだけど?絶対バズるんだけど」

「数字に変換する意味あんの?」

「それが理解できないようじゃあんたは凡人だね」

「凡人でいいですけど?」

「まぁ特に意味は無いんだけど」

「はぁ?まぁでも内容はよくわかんなかったけどなんか映像とかキャラのB?とかは可愛かった」

「そう!そこはちゃんと凡人向けにしてみた」

「もう凡人はいいわ!」

「で、他に感想は?」

「うーん、主演の子が可愛かった!でもなんでセリフはあんたの声なの?てかそんなことより誰なの?」

「なかなか良い感想だな、私が世界で二番目に可愛いと思ってた子を長年かけてやっと口説き落としたんだよ」

「ふーん、一番じゃないんだ?」

「一番はもちろん私だからな」

「あっそうですか」

「んっ?感情がどっかいってしまったのか?」

「はいはい、あっ、私にもその子紹介してよ!」

「あぁ、そのうちな」

私は友人への試写会を終えると帰路についた。

コンッコンッ

私は隣の部屋をノックする。

「可愛いと誉められたぞ」

「……」

「紹介してと言われたぞ」

「……」

「しつこくして悪かったな」

「……」

「撮らせてくれてありがとな」

「…お姉ちゃん」

「んっ?!」

「…もう一回ぐらいならまた撮ってもいいよ」

「おっ?!そうか!」

「……」

「それなら続編は私の友人と三人で撮ろう!」

扉の下からすっと出てきた紙にはこう書かれていた。

「ありがとう。私の部屋汚いから次は違う場所で」

私の心はここ数年で一番バズっていた。

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