見出し画像

冬の訪れを告げるレモンマドレーヌ


国産のレモンが顔を出しはじめて数ヶ月、新米だいもくりかぼちゃだと秋の味覚に心踊らされているつかの間、気づけば製菓が捗る寒い季節がやってきた。バターは永遠に室温に戻らないが。

大好きなレモンを農協でゲットしたので、手始めにマドレーヌを焼こう。

引っ越してからはお初だわね

はあ〜〜。。いいわぁ〜〜。

何度見てもテンションが上がるこのマドレーヌ型、顔がいい。毎度この感動を味わえる時点でコストパフォーマンスが良すぎる。松永製作所のマドレーヌ型、ゴールド。フォルムはもちろん、色味もこの重厚感も大好きだ。そして何より、焼き上がりも。

甘いやつ焼きたくなってキッチンへ
冷たいシンクに佇むレモン

生地を仕込んでこう。たまご、さとう、レモンの皮すりすり。レモンは農協産(そんな産地表示はない)です。ゼスターで皮をすりすり。この作業愛してる。

マドレーヌはジェノワーズ法で作るふんわり系もそろそろ研究対象にしたいとこだが、せっかくレモンがあるんだから、重ためのベイクドタイプにしよう。レモンが入ると軽やかになるベイクドタイプのおやつが私は大好きだ。

マドレーヌの生地と食べ放題のお腹は八分目

八分目まで流して、180℃で15分。もう少し焼き目が欲しくて追加で3分ほど焼いた。新オーブンで作ったおやつが少なすぎて、全然実績がない。実家のオンボロオーブンの方が実績でいえば大勝利してる。ああ、書いててちょっと恋しくなってきた……実家のオンボロオーブン……。

オーブンの中の佇まい

なんかエモいな。え?意味わからん?私もわかってません。でもなんかエモいんだよこの光景。エモぉ。

ええ焼き色ですな。

型離れよすぎ

めっちゃ焼いた。8個×2セット焼いたら16個。一人暮らし、安易に製菓をするとマジで食べきれない量が爆誕して焦る。


完成

ムーミンへの献上品。彼の好物かどうかは分からんが、たぶん甘いもの好きだと思う。

ふたついける

夜中に紅茶入れて焼きたてのおやつ頬張るの、いつだって楽しくて美味しい。


秋の農協祭

話は変わってパンジーが咲き誇る農協の秋祭り。秋の味覚が勢揃い。毎年恒例りんごの詰め放題や具沢山豚汁の振る舞い、たまりしょうゆの有松だんごにくるみだれの五平餅、まさに天国。

そこに去年もあって、気になっていた子がいる。同じクラスだった、ちょっと気になってたけど、別になんかアプローチしたりするわけではない、そんくらいの存在。

レモンの苗木である🍋

立派な二年目のリスボン、去年もここにいて気になっていた。ついにお迎えするか…と、意を決して苗を持ち上げた。
レジに行く前に、ふと不安がよぎる。

こいつ、鉢植えでも生き延びるんか…?

よぎった不安をそのままにするわけには行かず、夕方で空いていたのでハッピを着た店員さんに訪ねる。「このレモン、鉢植えでいけますかね?」「あーーー、そうですねえ、、」数秒迷った後、「先生〜〜!!!」と叫び出す店員さん。

奥から先生と呼ばれるおじいちゃまが登場。


なんて心強いんだ。愛知農業協同組合の刺繍が入った作業服を着たおじいちゃまもとい先生(以後先生と書きます)が、売り場の鉢植えを見ながら苗木の高さと比べて「最初はこんくらいのに変えてな、すぐにでっかいのでやったらかん」と、詳しく教えてくれる。
ちょっとこっち来んさいな、と売り場隅の事務スペースから植物の育て方図鑑を出して、レモンのページを開いてくれる。

なるほど…(撮影許可済み)

5分ほど読みながら質問して、教えてもらっての繰り返し。海沿いでみかんの生産が盛んな蒲郡市の生産方法や、剪定の仕方は盆栽を例にお話ししてくれた。たぶんトータル15分くらいお話ししてたと思う。結果。

買わんかった。

なぜかというとですね、初心者にレモンの越冬が難しい、最終的な理由はこれでした。私も先生も納得した上で、「春にまたおいで」と言われて帰った。大人しく農協のレモンを買って。


愛するレモンよまた春に来る

待っててね君をお迎えするまでね
愛するレモンよまた春に来る

ちなみに爆誕した大量のマドレーヌ、職場の給湯室に「お好きな方どうぞ、レモンマドレーヌです」というメモとともに夕方おいたら、なんか30分後には空っぽになっていた。
4月に異動して働き始めてから、温かい人が多いなと思ってたけど、人の作ったものが好きな人が多いようだ。食べきれないおやつの行き先に少し光が差した。深く文章化できてないけど、手作りお菓子の孕んでいる闇を忘れないでいたい。

今後も農協でレモンやら柚子がころころ転がっている時期だ。蒲郡の農協でみかんも箱買いしたいし、今期も農協散財していくぜ〜!ではこれにて!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?