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生誕100年 柚木沙弥郎展

日本民藝館の「生誕100年 柚木沙弥郎展は、1階の染物が圧巻でした。
パターンなのにどこまでも続く連続性があり、色の重なりがスタンプを途切れて見せることがありません。一つずつの模様は単純に見えても、大きさや向き、カタチの組み合わせで奥行きのあるデザインです。
単純から立ち上がる空間性に、圧倒されました。

3月末は、花冷えと初夏を思わせる陽気の間でした。受付は現金とそれ以外を人が対応していて、靴カバーのビニールを受け取って入ります。そのため、入り口の混雑から来館者が多くみえ、ショップは人が動かずぎゅうぎゅうでした。
館内は撮影禁止。映像が流れていて、鑑賞者もおしゃべりもざわざわ。

柚木さんの映像が流れていました。職人の暮らしを「娯楽がはいりこむ余地がないほどの暮らしがあった」と言う場面に釘付けになり、テキストを起こしました。

静岡由比
リアルな生活に関心をもちました。
親方の仕事に家族全員で協力している。
娯楽が入り込む余地がないほど、実があるといったらいいのか。
各世代のスパンの間に、全ての行動の仲間から民藝がでてきた。
使いやすいように飾りもなく。
スパッと祖先からずっと伝わってきている。
その中から柳宗悦は優れたたものを選び出して、民藝館に置かれたんじゃないかと思う。

濱田庄司/益子 について
100メートルを走る人みたいに、ぱっとこうやる(焼き物に描くシーン)。
(濱田庄司は)60年間の仕事の中で頭で考えるのではなく、無作為にやっている。
腕が覚えると言うのでしょうか、「ものをつくる」代から「ものをうむ、自然からうまれてくる境地」と言っていました。

(柚木自身は)これから先どうするか、差し掛かっている。
いまの連続でやっていくつもりだが、情熱がなくなったら、はいそれまでよ。
わくわくしなしきゃつくれなんですよ。

もようをどうつくるか、おもしろくなかったらこういうものはできないよね。
じぶんを、おだてる。
じぶんを演出して、もっていく。
民藝館で学んだことが土台になって、でていく

2018年5月19日に日本民藝館で開催した柚木沙弥郎氏による講演会「自作と日本民藝館」

特別映像配信、完全版(80分)が4/16まで視聴できます。
また雑誌「民藝」841号は柚木沙弥郎の特集号です。






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