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お参りから始まる2020の豊島

2020年初めての豊島は、明日から休業に入る食堂101号室さんで食べること。4月の再開まで、年初にして食べ納めなのです。昼時まで島内をお参りしました。毎年、豊島のスタートは家浦の八幡さまからです。

海沿いに集落を歩いていくと、家浦漁協の手前に鳥居があります。どちらの神様なのでしょう。ちょうど配達のMさんを見かけたので、新年の挨拶をしながら教えてもらいました。「恵比寿さん」といい直してくれました。えべっさんと呼ぶのです、地元の人は。
「今でも恵比寿祭りをする、飲む」
「(中央に祀られた石は)豊島石じゃない、八幡様から持ってきたんだろう」

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アオサギ。八幡様の手前に巣があるようです。

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八幡様の鳥居は下から3番目が県の重要指定文化財、豊島石の鳥居です。ひときわ黒く、雨風に耐えてきた年代物です。1番目の鳥居には昭和7年の文字が刻まれています。下の写真は、八幡様の奥まで進むと見える家浦港の風景です。

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甲生(こう)の妙見さん。レイライン上にあるように思えます。こちらも清々しい場所です。抜け道があって、そこからの見晴らしが気に入っています。南(海側)に向いた棚田がある窪地。ここからは見えないけれど西側には神子ケ浜が位置します。どうしてこの風景が好きなのか、長老の神子ケ浜と地形が似ているのです。

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しばらく景色に見とれていたら、甲生のおかあさんたちが一輪車を押して歩いてきます。挨拶をして、土地のことを聞きました。円柱の石に文字が彫ってあり、祠が3体お祀りされているのです。
「ここはお大師様。観音様のお社があって、崩れてしまって。今は薬師堂の方に移した」
おかあさんたちはお仕事ですか?
目線の先にある竹林をさしながら教えてくれました。
「竹を切るの。イノシシ、すごいんよ。聞いてるでしょ」
菜園の柵にするのか、聞きそびれました。

タイトル画像は、塩田千春作品「遠い記憶」2010作を後ろから撮影しました。

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食堂101号室のベジプレートと日替わりデザート、コーヒー。2019瀬戸芸期間中はリサちゃんが配膳を担当していましたが、11月の閉会後はシェフが一人で作ってサーブしています。わたし1人で4人がけのこたつを占領するのは気が引けるので相席でも構わないのですが、「ただいま満席です、お待ちいただくことになります」と答えています。
相席でお客様を通してもオーダーはすぐには取れないし、サービスまで時間がかかる。それなら、満席ですと答えた方がいいのかもしれないと、ある時思い至りました。今日は常連のAさんが見えたので、一緒にどうですか?とご飯を食べました。

冬季は豊島美術館の開館が金曜から月曜の4日間になります。観光客もそれに合わせて動くので、高松豊島間の高速艇は便数が減ります。飲食店も冬季休業に入り、春に再開します。飲食店が冬に長期で休んだら客足が遠のくような気がしました。豊島美術館の客足に左右されてしまう豊島の観光サービスに今でこそ慣れましたが、休業中の飲食店や宿泊施設は、それぞれに充電やブラッシュアップ期間に当てているようです。

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