見出し画像

創業者の気持ち

 歴史が始まるときと、その歴史が終焉するときにはずいぶんと変貌していることが多くて何かがどこかで急激に変化したということもなく、徐々に徐々に時間をかけて変貌していったと考えるのが妥当だと思う。

 経営者が創業当時の気持ちを持続することはとても大事なのだが、ある程度軌道に乗ってきたり、事業が多方面に展開していくと創業当時の気持ちというものは役割を終える。創業当初から知るものからすると「あの人は変わってしまった」ということになるのかもしれないが、当人としてはそんなつもりもないのだろう。その期間が長くなればなるほど気が付かないような速度で変化していく。代が変わった会社はほとんど新しいものと考えてもいいのかもしれない。

 「初心忘るべからず」とはよく言ったものだが、残念ながら創業当時の「初心」に戻ることはない。新しい会社を立ち上げてみたって、そのときの「初心」とは違うものだ。「覆水盆に返らず」。始まったものは取り返すことができない。

 水のように流れていくしかない。丸い器に入れば丸く、四角い場所に移動したら四角く。どんな場所に流れていくかは水にしかわからない。いや、水にもわからないのかもしれない。そういったものを操作できると考えているほうがおかしいのだ。


 本日もお読みいただき、ありがとうございます。


読んでくださってありがとうございます。とてもうれしいです。