見出し画像

自分だけしか変えられないとはいうけれど

 「誰か他人を変えることはできなくて、変えることができるのは自分だけだ」とよく言う。たしかに他の誰かをこちら側が勝手にコントロールすることはできなくて、自分が変わることの方がコントロールが効く。そもそも相手を変えようとすることが不可能なわけで、そういったことを考えること自体がおかしな話。でも何となくそういったことを考えてしまう。

 人間関係に悩むことが多いぼくたちは、つい対象となる相手が変わってくれたら事態が好転するのではないかと思いがちだ。そのたびに冒頭の「他人を変えることはできない。変えることができるのは自分だけだ」という言葉が浮かぶ。自分を変えることができたら事態は好転するのだろうか?そしてどのように自分を変えたらいいのだろうか?

 解決策として「捉え方を変えよう」という主旨が多いが、それでは解決しないと思っている。捉え方をいかにポジティブに持って行っても、事実は事実で悩みの大きさも重さも変わりはしない。それでは動きようがないのだ。流れようがないのだ。すべては捉え方ではなくて、そもそもどこから起きてきたものなのかを見つめていく。人間関係の問題でも対象が誰なのか?どういった問題なのか?を見つめていくことで自分自身のこだわりや囚われにたどり着く。

 問題をいくつか抱えている人も、これまで問題を乗り越えてきた人も見つめて行けば同じこだわりや囚われが起因となって、いまの問題にめぐり逢っている。捉え方をいくら変えても何も変わっていないのだ。こだわりや囚われに気がついたら、こだわりや囚われをどうしようか考えよう。川の流れを堰き止めるような石があるようなイメージ。取り除いてもいいし、横に少し移動させるだけでもいい。「この石があるから流れないんだ」でもいい。ほんとうに流れが生まれてくるから不思議なものだと思う。


 本日もお読みいただき、ありがとうございます。


読んでくださってありがとうございます。とてもうれしいです。