環境から何を感じ取っているのだろう?

風水の観方のひとつに巒頭というものがあります。巒頭というのは形とか色とか目に見えるもので構成されている要素から受ける影響です。

もうひとつが理氣といって目に見えないものから影響を受けるもの。この場合の目に見えないものとは時間とか方位を表します。時間とか方位って目には見えないですよね?でも確実に影響を受けています。

そういったもの。目に見えないといって特別な力ではありません。普段からみなさんの身の回りに存在するものです。

今回は巒頭の話を少しだけ。


風水というとほんとうに穿った見方をされていて、きちんと説明できる学問的な部分がとても強いものなんですけど、日本ではそうではない。

2018年にたまたま日本でInternational Feng Shui Association主催の学会がありましたので参加してきました。


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開会セレモニーの様子です。

世界の風水グランドマスターたちが並んでいます。


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その中のひとり、レイモンド・ロー先生と。


もう2年も前の話になるんですね。楽しかったな。そして勉強になったな。と、思い出に浸りつつ、巒頭の話に戻る。



風水の観方のひとつが巒頭。たとえば長い長い直線の道路があるとします。その行く先にぽつんと立っている建物は凶とされています。

この形状は木煎煞といわれたり、路冲煞といわれたりします。

こういった長い長い道路。もしかしたら居眠り運転のクルマが飛び込んでくるかもしれないし、直線の道路であるがゆえにスピードを出しすぎてしまって曲がり切れない、止まり切れない。そして建物にぶつかってしまう。

そういう物理的危険性もあるし、風水としてもよくないのです。そういう場所や建物には住まないほうがいいです。おすすめできません。木煎煞のよくない事例は風水をやっている人ならいくつか聞いたことがありますし、ネタとして持っていたりします。


こういうのを観て行く方法が巒頭と言います。


もうひとつ例をあげますと家の中で、つくえの角とか天井の梁とかありますよね?こういったものの角。とがっている部分がこちらに向いているのはNGとされています。

これはナイフとかそういうとがったものでこちらを刺されている状況と同じと考えます。

ナイフで誰かに「刺すぞ!」って脅されている状況。

そんな状況は落ち着くはずがありませんし、冷静な判断ができようもありません。そういった意味でよくない。神経や精神を休めることができませんし、絶えず緊張状態にある心身に支障をきたしてしまいます。

心臓の拍動や血液性質の異常も起きるとされ、循環器系統に異常を抱える人が寝る場所、座る場所には配慮が必要です。

というより、誰もそういう場所にいるのはよくない。つくえの角は誰の方向にも向かないほうがいいし、天井の梁の位置を避けてリビングテーブルやソファー、ベッドの位置を決めないといけません。

風水というとなんだか小難しいような気もしますが、説明してもらうと、わりと当たり前でそりゃそうだろうということが多いです。ただ単に「ソファーの位置を変えましょう」とか「ベッドの位置をこちら側にしましょう」って言われても、はいはいとそれでいいのかもしれませんが、説明できないものは風水ではない、とぼくは考えています。

YouTubeで風水師を名乗る人がいろんなことを言っていますが、あれじゃ風水師って詐欺じゃない?って思われても仕方ない。いろんなことを言っているな。たしかに本当のことをきちんと話されている風水師さんもいますが、中にはこれのどこが風水なんだ?っていう内容のものもあります。

風水に興味があって、なおかつ何とかしたいと思っていう人がYouTubeで検索して出会う風水がどういったものなのか?によって印象って変わってしまうんでしょうね。

YouTube動画は作り上げられていて、よくできたものなのですが、内容は0点に近い1桁台のものから80点以上のものまでさまざま。もっともらしく話してみたり、断言して見せたりして、それらしく見せてはいるんですけどね。


International Feng Shui Association主催の学会で発表された内容のものでも玄関になにかパワーの出るシールを貼るとか寝室にとくべつなグッズを置くとかなかったですよ、一席も。

そういった変わったものを置いて実験したレポートみたいなものをインド人の風水師さんが発表していましたけど、それも寝室に携帯電話を置いた場合と置かなかった場合の違いと数値化してまとめていたり、高圧線の近くの家とそうでない家の人の自律神経の乱れを比較していたりとおもしろい内容でした。

決してパワーを集めた(パワーって何?)とくべつなグッズやアイテムを使うというようなことはありません。

学会の会場内で催されていますブースでもそういったアイテムを取り扱っているところはありません。英語で書かれた風水書や雑誌はたくさん置いてありましたけど。

あっ!そういえばひとつだけありました。

風水では四神相応という形を貴びます。四神というのは四獣ともいわれる空想上の獣です。朱雀、青龍、玄武、白虎が四獣であり、四神です。その象徴がそろっている形状を四神相応といいます。そこの中心は龍穴といって丁財に恵まれるとされています。丁財、丁は健康や人間関係、調和を意味します。財は財ですね。四神相応は丁財に恵まれるとされています。

そこでとれた中国茶を試飲、販売していましたね。あとで買おうと思っていたのに買いそびれた商品でした。美味しかったですよ。そこのお茶屋さんが販売していたのではなくて、壇上で発表もしている風水師さんが販売しておられました。試飲しながらいろいろお話を聞かせていただきました。

龍穴で販売されているお茶屋さん。中国にあるんですけど。そこの店主さんはそれほど商売の才能があるわけでもないし、人脈があったわけでもないのにもかかわらず、龍穴にお店を構えたとたん大繁盛してウハウハになったそうです。店主さん自身が言っているそうです。「自分は風水のおかげ、龍穴のエネルギーのおかげ、だけでここまで不自由なくやって来れた」と。


そういった貴重なお話を聞けるのも学会という場があったからです。

風水って学会も開かれるほど学術的なものです。たとえば玄関をある向きに設置する理由について説明が付きますし、それを一生懸命になって説明しようとしている学問です。ぼくも聞かれたら過剰なくらい説明してしまいます。途中から聞いている人の目がハニワになってきて、ちょっと反省もするのですが、風水師ってそういうものなのかな?って思ったりもします。


なんだか日記っぽくなってしまいましたが、風水は環境心理学と言われています。環境から影響を受けるのは人間として当然のことです。よい環境に身を置くための学問が風水です。今回はそんな話をしてみました。


本日もお読みいただき、ありがとうございます。



読んでくださってありがとうございます。とてもうれしいです。