証券業界とSNSについて
こんにちは。
証券業界でwebマーケを担当しているNatsumiです。
まだまだ証券業界ではSNSやオンラインの活用が進んでいなく、各社TwitterなどのSNSを保有しているところは多いものの、その取組状況は各証券会社によってばらつきがあります。
今日は証券業界のSNSの取組状況と動向についてまとめていきたいと思います。
①各社SNSの取組状況
調べる対象は、対面証券から3社(野村・大和・SMBC日興)、ネット証券から3社(SBI・楽天・マネックス)にしました。
いずれの会社もTwitter・Facebook・Youtubeのアカウントは保有していましたが、Instagram・LINEについては各社保有状況はバラバラでした。
特にInstagramは楽天証券のみの保有となっており、また楽天証券のフォロワーも1,000人とかなり少なかったです。
ちなみに、日本で使われているSNSの国内月間アクティブユーザーは以下のとおりです。
(【最新Excelデータ配布中】日本・世界のSNSユーザー数まとめより)
SNS利用率は以下の通りです。
(2020年8月更新! 12のソーシャルメディア最新動向データまとめより)
この2つの資料から見るに、SNSに力を入れてマーケティングをしたいのであればLINE公式アカウントとTwitterアカウントはとてもチャンスがあるということがわかりますね。
とはいえ、利用者数が多いSNSで広告をすれば必ずしも効果的に広告を発信できるわけでもありません。
そこには各SNSが持つ特性と利用している年齢層の違いが大きく関係しています。
②各SNSと証券業界の親和性について
(SNSマーケティング担当者がおさえるべきTwitter、Instagram、Facebookの使い分けより)
上記の図は各SNSの特徴とユーザー層がまとめられています。
例えば、、LINE公式アカウントとTwitterアカウントの特徴を見てみると、
LINE公式アカウント・・・インフラ化したメッセージツール・プッシュ通知を使った情報発信
Twitterアカウント・・・リアルタイム性と情報拡散力/興味関心で繋がる
となっており、証券業界における情報を発信するとなると、
LINE公式アカウント・・・セミナーなどの情報/HPにアップされた情報の通知
Twitterアカウント・・・市況/株式情報
など発信する情報を分けて発信するのが良さそうです。
証券業界でLINE公式アカウントを持っているところはまだ少ないですが、この傾向と利用者数の多さを考えればどの会社も利用された方がいいでしょう。
また、他のSNSについて証券業界との親和性を考えてみるとInstagramは若い世代に大変多く利用されており、このあたりの層を狙いに行くにはぴったりのSNSと言えますが、特徴にもある通り「ビジュアル訴求」という写真や動画を生かしてこそInstagramの最大の特徴を生かせるということで、証券業界という分野ではなかなかその特徴を生かすのが難しいというのが現状かと思います。
この現状もあって、証券会社でInstagramのアカウントを持っているところはほとんどないのだと思います。
次にFacebookについてですが、こちらはどこも公式ページを保有しています。
その理由としては、Facebookがビジネス要素の強いSNSであること、実名性が高くリアルなつながりを反映していること、メインのアクティブユーザー層が30代中盤~50代となっていることが大きく影響していると思われます。
(『投資に関するアンケート調査』:SBIホールディングスより)
投資に関するアンケートによると、投資に一番興味を持っている世代は30-40代であり、Facebookがメインユーザーとする年齢層とも合致しています。
また、投資においては、知人や親族等、人づての情報が口座開設のきっかけとなる場合も多く、実名性の高くリアルなつながりを反映しているFacebookが利用者数も利用率も他のSNSに劣るものの、証券会社の発信するSNSとして多くの会社に利用されている理由が分かるかと思います。
③証券会社のSNSの使い方分析
・Twitter・・・野村證券
Twitterでフォロワーが一番多いのが野村證券です。
ツイートの内容は上記の通り。
市況を淡々とつぶやいていて、リンクにある市況解説ページに飛べるようになっています。
時々キャンペーンの告知なども行われており、各社どこも似たような使われ方をしています。
・Facebook・・・野村證券
Facebookでもフォロワーが一番多いのが野村證券です。
Twitterでは市況の更新しかありませんでしたが、Facebookでは市況の更新はなくこういった季節ごとのイベントの更新といった感じで企業のIRとしての顔として利用している印象でした。
・YouTube・・・SMBC日興証券
TwitterもFacebookも全く力を入れていないSMBC日興証券でしたが、YouTubeでは一番フォロワーを持ち、力を入れているようでした。
上記に載せたような市況や今後のイベントの解説の動画に加え、CMに起用しているイチロー選手を使った投資とは関係のない動画などもアップされていました。
・Instagram・・・楽天証券
Instagramは楽天証券しかアカウントがありませんでした。
正直何を目指してInstagramのアカウントを運営しているのだろうかと思うような投稿内容でした。
この実例を見ても証券業界とInstagramの親和性は良くないと言ってもよいでしょう。
・LINE公式アカウント・・・SMBC日興証券
市況の更新の発信というよりも、IRのニュースやLINE公式アカウントの独自のキャンペーンの発信に使われているようでした。
まとめ
以上、証券業界のSNSの活用の仕方についてみてきました。
それぞれのSNSの特徴を鑑みながら各社SNSに取り組んでいるようでした。
次回のnoteではSNSの「広告」に着目し、証券業界の動向などを分析していきたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?