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彼らがやりたかったことと私(たち)が見たかったこと〜vol.3

祭はまだまだ続く。
初日が開けて数日経ってなんやら賑やかなことが起きているけど私の脳内、スイッチが入るとあの「止まる宮舘涼太」が再生されるようになっている(笑)あんなに動いているのに止まるとは?
では、歌舞伎パートの感想を。

今回嬉しかったことに宮舘涼太さんの舞踊が見られたこと。
和と洋、滝沢歌舞伎は確かに歌舞伎の演目(世話物や荒事のイマジネーション)がひときわ目を引く出し物だったけど、塗って落としてってあえてやらなくても宮舘さんなら「和の舞踊」を見たい!これはABKAI時代の「SANEMORI」からずーっと思っていることで、あれだけの身体能力と表現力を持つ彼が和の舞踊を演ったらどうなんだと思っていたところに、あの、黒、緑、オレンジの和装の出で立ちに神楽鈴を持って舞台を縦横無尽に踊る宮舘さん。モチーフになる題材はおそらく三番叟かと推察するけれど、あの上体の美しさと下肢の安定感はほんとに素敵で。
演舞場の「SANEMORI」を演じたときに、つけうちや義太夫を現代のカウントで捉えているぎこちなさを解説なさっている動画を拝見し、言われて見ればそうかもしれないけど言われなければカウント取ってるかどうかなんて素人には分からないわけで。じゃぁ、何が言いたいかというと、その劇評を知ってか知らずか分かりませんが、朗らかにGALAの舞踊は違ったのです、動きが。滑らかさというか義太夫の節にゆったりとあわせた足捌きに腰から上が動いてない。狂言のあの「そろりそろりと」ってあると思うけどあれです、まさに。ポールフライングもそうだけど、インナーマッスルを感じたのはこちらの方。1番鳥肌が立ったのは、岩本さん、深澤さんと揃うまで舞台0番で微動だにせず待っているあの美しさ。これこれこれってほんとに私1人で拍手してました。(お隣の皆さま、申し訳ありませんでした)
歌舞伎座でも演目で舞踊が好きで、難しいことはさっぱりわからないけどウキウキするんですよね。雪の結晶をあしらった浅葱幕の前で舞い踊る3人、目出度い気持ちになりました。

それから、もう一つの歌舞伎モチーフのパート、ジュニアのみんなと交わる演目、花桶で敵を倒していってジュニアのどなたかが「参った」をしたときの愛らしさというか。降参の格好だけど彼らがやるとポテっと転ぶ音が聞こえるといいますか、彼らもこうやって受け継いで行くんだなと感じた瞬間でもありました。

信長、秀吉、家康の役名で行った殺陣の演目は、見方が様々かとは思うけど、彼らがその名前からイメージした体捌きだったと思い返してまして。というのも、戦のイメージが色濃いのは信長だし、家康も秀吉もなくはないけどインパクトから考えるとどうなんだろう?というか。だから戦の重たさというよりは剣を使った演技の要素が強かったような印象。あれだけ動いてると重心を低く保つのは難しいし、どうしても刀を振り下ろすのに腕だけで行きがち。刀投げも取り入れていたようで、宮舘さんが受けたのも肩にあたったのを落とさないようにキャッチしていたような。あれだけの人数を3人で斬っていくのだから、まずは体捌きと受けのタイミングでしょうね。回数を重ねて行く頃には全員ぴったりハマっていくでしょうから後半の日程に期待ですね。
そうそう、宮舘さん、最後は奈落に落ちていきましたよ、美しく。

和の舞踊も歌舞伎も宮舘さんがリードしていたのは経験を積んでのことで、しっかり舞台に活かしていらっしゃった。大奥スピンオフの殺陣をずっと見ていたから比較しないといえば嘘になるけど、こちらは息遣いもリアルに伝わる舞台ならではの緊迫感も味わえたので胸いっぱい。三番叟に関しては昨年、宮舘担の市川右若丈が源氏物語を演じた能楽堂で見てみたい、そんな気分になりました。

やっぱり1500字。もう薄くなってきたかな、私の記憶。いや、まだまだ(笑)

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