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読書レビュー

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読んだ本に関するレビューをまとめています。
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#読書感想文

『他なる映画と 1』濱口竜介(インスクリプト)~映画講座集成!映画を生々しく体験す…

映画監督の濱口竜介氏による映画講座をまとめた本である。濱口氏が映画についていろんな場所で…

『なにごともなく、晴天。』吉田篤弘(中公文庫)~荒野のベーコン醤油ライスが食べた…

吉田篤弘の小説はこれまでに好きで何作か読んでいる。『つむじ風食堂の夜』(本作は篠原哲雄に…

北海道の厳しい自然と人間が対峙する小説『鯨の岬』河﨑秋子

北海道の別海町出身、酪農を営む実家で働き、羊飼いになる。『颶風の王』(2015年)で三浦綾子…

『映画術 その演出はなぜ心をつかむのか』塩田明彦(‎イースト・プレス)~映像を作…

映画や映像を作る人、特にフィクションを演出する若い人にはぜひ読んで欲しい「演出術」に関す…

『木になった亜沙』今村夏子(文春文庫)胸が痛くなるせつなさ

どうして今村夏子の小説は胸が痛くなるほど、苦しくてせつないんだろう。この小説も『こちらあ…

『街とその不確かな壁』村上春樹(新潮社)~内省的な自分の影との対話

村上春樹は自ら本書の「あとがき」に書いているように、「同じ物語」を書いているのだ。本作も…

小説『末裔』絲山秋子~鍵穴がなくて「家」に閉め出された男の不思議な物語

そんな書き出しで始まる絲山秋子の『末裔』という小説を読んだ。面白かった。定年間際の孤独なオヤジの話。なんか身につまされるのだ。不思議なことが次々と起こるのも面白い。。絲山秋子の小説はこれまでもいろいろと読んでおり、世間からズレた冴えないオヤジが出てくるのも、不思議なことが起きるのも同じだ。それは川上弘美の初期作品にも多く見られたし、村上春樹に出てくる異形なるものたちもそうだ。この世のリアルな現実から外れて、別の次元の世界を彷徨うような物語になぜか惹かれるのだ。 58歳の公務

『夢を見ずに眠った。』絲山秋子(河出文庫)~旅と夫婦のそれぞれの物語

岡山からはじまって、熊谷、大津、遠野、江差、青梅、横浜、松江などの旅先が描かれ、全国各地…

『待ち遠しい』柴崎友香(毎日文庫)~世代が違う女性たち3人のご近所物語

柴崎友香はこれまでも何作か読んできた。突飛なことを描くわけでも、大きな事件が起きるわけで…

小説『クララとお日さま』カズオ・イシグロ/土屋政雄訳(ハヤカワepi文庫)~AIロボッ…

カズオ・イシグロはこれまで読んでこなかった。『わたしを離さないで』はドラマ化されたものを…