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「2050年のお仕事」

はじめに

スーパーマーケットで働いてます
「日付チェックシステム」なるものが導入された際に現場で起こった問題と、それをどうやって解決したか、しようとしてるか、また新たに起こった課題を書いておこうと思います。DXの推進によりどんどん新しいシステムが導入されたり、導入するかもしれません、そんな時思い出してプラスになればと思いました。

導入された「日付チェックシステム」について簡単に説明すると、以前は売場の商品一品一品を目視点検してたのを、端末で賞味期限と商品と陳列位置を紐づけしてデータ化して、「この商品は賞味期限が近いから撤去して」っとか「今日はあの棚のあの商品が賞味期限が近くなるかも確認して」とアラートを出してくれる機能があります。目視による誤り見落とし削減、対応忘れなどを防止してくれる凄い奴です。

 

1 端末の数(問題度★)


以前は、作業遅れがあった際や、セールなどの忙しい前後で日付チェックに関わる作業時間を増減するなど、自由に作業時間を取れました。「日付チェックシステム」はハンディターミナルを使用します、それがすでに誰かが使用中であったり、手元に無いととシステムは使えません。システムが導入されてからは、端末が使える時間に作業時間が限定されてしまいます。そのため、作業時間を時間帯や日付で部署ごとに割当てる、作業した後は必ず定位置へ戻すなどルール化する事にしました。

2 新しい無駄(問題度★★)

便利機能の一つとして、”売場にこの賞味期限の近いがあるか確認して”
というアラートが、だいたい毎日10件から20件くらいリストアップされて、それを実際に賞味期限近い商品売れ残って並んでいるのかを、売場で確認する作業があるのですが、これが何故、現場で働く人の怒りを買ったかというと、アラートで表示される商品リストがJANコード順で並んであるので、菓子売場の商品をチェックしたら調味料売場をチェック、次はまたお菓子売場に戻ってチェック、とあちこち動き回る事になってしまいます。

「、、、さっき菓子売り場行ったじゃん、、、、」

現場の理想は 売場の近い商品、同じ売場の商品を全部チェックしたら次の売場に移動してチェックすると、歩く距離短くて良いよねって感じです

「この歩く距離短くて良いのね」っていうのはとても、とっても重要なんです、お店によって大小ありますが、だいたいお店の担当者は歩き続け、立ちっぱなしが多いです 健康には良い事もあると思うんですけど、当然歩くと疲れます。また、そもそも歩くことが何より大好きって人以外は、無駄に歩かされたと感じると作業へのモチベーションが下がります。
しかも、無駄な歩く距離があるという事は、無駄な作業時間がある事でもあるんです。
紙の台帳時代は、商品の部門毎にファイリングするとか、曜日別にチェックする部門を分けるとか自分たちで柔軟に工夫ができてたんです。という事は新システムが導入されたことによって 新しい「無理や無駄」が生まれてしまってます。

せっかく棚札管理で商品の位置情報が入ってるので、売場部門順で表示してくれると、移動が少なくて済む事を本部の開発部門に伝えて改善してもらいました。

3 繋がらないっ   (問題度★★★)

商品データをクラウドで管理しているのですが、現場のWIFIが場所によっては不安定で、作業途中でつながらなくなってしまうことがありました。ハード面での問題で全く使えないって程でもないのですが、やはり作業の中断やモチベーションが下がるなどマイナスが大きいです。つながりやすい場所を探して共有する、どんな時端末が止まってしまうかなどを共有して、本部に改善報告をし、次回のバージョンアップでソフト面での改善を期待しますが、現場ではどの操作で作業中断してしまうかって事などを共有したり、作業場所を変えることで、以前より心なしか改善されたように思います。

4 デジタル機器への触らず嫌い       (問題度★★★★)

普段からスマホやパソコンを使っている担当者とそうでもない担当者、またそれぞれの性格などでこういった危機への関心や取り組み方がかわります、得意苦手意識の強い方は、私は使えないから、多分理解できないから触りたくないっと小さい声で強張っていたりします。まず端末を持ってもらって、実際に作業の流れをゆっくり理解してもらいました。一緒に行う事で徐々に慣れていってもらいました。今では率先してわからない人に教えてあげてます。

5 「前のままで良かったじゃん」           (問題度★★★★★)

導入が決まり、端末が店に届いてシステムが本格稼働する前の練習中に聞いた発言です。担当者から見れば、新しく覚える業務が増えたことになります。どうしてこのシステムが導入されるのか、これによって皆さんがどういった良い事があるのかを説明しました。特に今までの目視によるチェックで頻繁におこっていた、人為的なミスがなくなる事。また作業に関わる時間も短縮できるといった内容の会話をすることによって、取り組む意識が、「めんどくさいな」から「使い倒してやる」に変わったと思います。また、このシステムの使いにくい所や不満は絶対に改善させよう、とお店の担当者と僕で約束しました。

終わりに

ご覧いただきありがとうございます。
きっと2050年は来るだろうし、仕事環境も、新しい機械やシステムが入り込んでガラリと変わっているんだろうなと思います。でもそれまでに上に書いたような、葛藤や物語が生まれるんだろうなと思いながら書きました。

感想など頂けると、僕はうれしくなって誰かに良いことをします
その人が良いことを誰かにするから
いつかきっとあなたにも良いことがあると思います
でも ほんとは貴重な時間を割いてこれを読んでくれただけでも感謝!

以上 北の小さい町のスーパーの現場からのお話でした。

この物語はフィクションであり、実在の人物及び団体とは 一切関係ありません。

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