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3年半の本気の恋と虚脱。Heartache...⑪ケジメの付け方

気がつくと年が明けていた。

無気力。虚無感。
何をしてもやる気が出ない。


そんなときだった。LINEが鳴った。


やっほー。帰国完了です。
コロナ待機期間終わる日に迎えに来て。


と言われた。たまったまシフトが休みだ…



(出たな、問題の元凶め)

スマホ盗まれてたんとちゃうんか…。


めちゃくちゃフランクなLINEに少し和みつつ
モヤモヤが心の中を駆け巡る。

当日、迎えに行った。


「ただいま」

そう言う世界一周してきた彼女に
イライラする反面、

「おかえりなさい。無事に帰ってきてくれてありがとう」


と第一声伝えた。

今日は実家に戻るのか、ウチに来るのかを確認した。
当然実家に帰るだろうと思っていると

ウチに直行との結論。

(僕の部屋の事で10個下の彼女にどんな想いをさせてしまったかをまだ伝えてないから余計にムカついていた)



イライラがさらに募る。


沢山話すべきことがある中
至ってマイペース。

こんな人だっけ…



うん、こんな人だ。


10個下の彼女は感受性が強く人の痛みに敏感な子だったから
よりそう感じるのだ。


でも帰ってきて数時間で思ってしまった。
この彼女の事「キライ」ではない。


でももう「好き」では無くなっている自分の感情に。

普通に晩ごはんを食べ
寝る準備。

ベッドで背中を合わせる。



大人同士、何か起き…


ない。
僕にその気が全くない。
僕自身に性欲がないわけではない。


はっきりと「したくない」のだ。

愛のないセックスってしんどい。だから出来ない。


自分の素直な感情を溢すことにした。

ごめん。大事な話しがあるから座ってと。


そして数時間話したと思う。全て話した。

あなたの居ない間
かけがえのない人が出来たこと。
その人との関係をひと月前に失ったこと。


「そっか」

とだけ言葉を発した彼女に
ごめん。とだけ返すのが精一杯だった。

そのままソファーで一人眠った。


僕自身1ヶ月で気持ちの整理が何一つ付いていないんだ。

次の日の朝。起きたら彼女は居なかった。
色んな手続きとかがあるので
終わったらキチンと話しに来ますと書いてあった。


これでいい。

10個下の彼女へのせめてもの償いだ。


もう会うこともない。それでも
僕にとっては
かけがえのない3年半だったから。



世界一周からあと1ヶ月半早く帰って来てくれてたら…


10個下の彼女とアプリで出会うのが半年早ければ…言い出したらキリがないけれど


何一つしがらみなんて無く普通に出会っていれば
今頃結婚してたんだろうなと、ふとしたときに思ってしまう。
そんな風に今でも思ってしまう時があるよ。


でも結局は僕が弱かった事が


何よりの原因。


いくつになっても、何度恋愛をしても
意地を張るところも含めてね。


後日、最後に話し合いをして
全てに終止符を打つこととなった。



「そんなに好きならちゃんと迎えに行ってあげて」と笑って言われた。
その顔が少し寂しさを伴ったような気がしたけど



もうそれは起こり得ない事だから気にしないで。
ホントにごめん。

とだけ伝えた。


バックパッカーの彼女と最後に話し合いをした日に
一度だけ10歳下の彼女のTwitterを開いた。



鍵がかかっていた。



きっと新しい彼氏ができたのかな?

別れてから僕はTwitterのアカウントを消して作り直した。

僕に見られないようにするためなのか
もうそれは分からないけれど



幸せで居てくれるならそれでいい。



幸せになってほしい。
僕が寂しい想いをさせてしまった分。

幸せになってほしい。
寂しがり屋の彼女だったから。

幸せになってほしい。
心の底から。




きっと未練があるのは
僕だけなんだと思う。

男の脳はこういう感情の処理は上手くできないように作られているから。




やり直したい未練ではなく、





彼女をきちんと最後まで
前向きにしてあげれなかったこと。


キレイな終わりを告げてあげれなかったこと。


そして自分自身の手できちんと幸せにしてあげられなかったこと。



そんな足掛け4年。

今思うと、ホントに一瞬で
もっとあんなことをしてあげたかった。
こんなとこにも連れて行ってあげたかった…


そんな事ばっかりが浮かんでは消える。


最後の最後に
空腹を誤魔化すためのお菓子ばかり与えられた恋愛。


そんな風に言われてしまったけど、


それでも僕は

初めて会った日から
彼女が美味しそうに食べてる姿だったり
無邪気にはしゃいで笑う姿が大好きだったんだろーね。



そんな姿をもっと隣で見てたかったよ。

動物が好きな彼女に生きている
本物のクジラを見せてあげたかった。



髪の毛も、もっと染めて
もっともっと切ってあげれば良かったなと

そんなことばかり今更ながらに思う。



でも…
月並みだけど。


やっぱり
大好きだったよ。


愛してました。

世界中の他のどんな誰より。


こんなに落ち着いて
気の合う恋人なんて

もう二度と
一生、出会うことはないと思えたよ。


だから彼女のことは
心の奥底のもっともっと底に
そっと大切に仕舞っておこうと思う。

別々の道を歩くことになってしまったけど



今も誰より他のどんな人より大切な人。






内緒だけどね。

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