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20年分の想いと恋愛観 その③

2年分の溝を埋めるかのように
お互いに沢山、そして深く話すようになったと思う。

それこそが2年分の成長だと信じていた。

「たった」2年のような…
2年「も」だったような…

でも確実に大人に近づいた2年。

以前にも増して彼女への気持ちも
信じられないほど大きくなっていた。

20歳になったら…の約束の再確認もした。

何より一番の違いはお互いにバイトをして
少しお金の「自由」があったこと。


生まれて初めて、「彼女」と旅行に行った。

と言っても僕のおばあちゃんの家だったけど。
大阪から鳥取まで

自分たちでお金を貯めて高速バスに乗って。


どれを取っても初めての体験でドキドキしっぱなしの旅になった。

海に入り、温泉にも行って、砂浜で二人だけで花火もした。

きっとこの瞬間が幸せのピークだった。

ここから僕は
37年間で最も最低の選択をしてしまう。


旅から帰って以来、彼女の体調がおかしい。
いや、正確には旅前からおかしい。

お互い高校生だ。そんなハズはないと思いながらも
調べることになった。


夏休み最後の日。



妊娠検査薬、陽性反応。




どう表現するのが正解だったのだろうか…。
この問の答えだけは37歳になった今も分かっていない。

世間一般的にはまだまだ幼い

「18歳の高校生」二人 


喜ぶのが先か、悩むのが先だったのか…。


社会人になり順序を経ての妊娠なら
周りに祝福されただろう。


このときの僕たちの前にある現実は
高校生同士の妊娠。

ただ、彼女を不安にさせまいと
必死で冷静なフリをしながらすぐに
結婚しようと伝えた。

きっと彼女は僕の奥にある不安に気づいていたんだと思う。



2人で抱き合いながら途方に暮れた。

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