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3年半の本気の恋と虚脱。Heartache...⑨ さよなら、大好きな人。

突然の彼女との別れ

最後のデート。
そしてこれが僕の見た最後の彼女の姿になった。

僕はこのデートが最後になるなんて
これっぽっちも思って居なかった。

いつもと違ったのは
朝、デートの前に少し電話でケンカをしてしまったこと。

この口喧嘩は、きっと別れへのきっかけにしか過ぎなかったんだろう。


彼女は「ごめん」と言っていたのに
僕は照れ隠しと素直になりきれないのを隠すため
「あっ、俺怒ってるんやった」と嘯いた。


この照れ隠しさえ、意図が伝わらないほど

彼女の心が弱ってたんだ…。
それを見抜けなかった。


この日

朝、起きがけにいつも通り「おはよう」と電話をした。
寝ぼけながらの電話だった。
ほんの少し会話をして、電話を切ってもう一度眠りについた。

このとき別に会う約束をしたわけでは無かった。


その少し後に甥っ子から電話がかかってきた。
ゲームをプレゼントする約束だったので

いつ持ってきてくれるのー?

と催促の電話だった。


ほんなら休みやから今から持って行くわー。と言って
お風呂に入って出かける用意をしようとおもい

シャワーを浴びた。この間に彼女から再び電話があった。


今日のメイクが上手く出来たから会いたいと。


普段ならカワイイこと言うやん。と喜んで会いに行くとなるんだけど


タッチの差で先約を入れてしまった。

ごめん!!と電話をかけたが再び
「せっかく可愛く用意出来たから会いたかったなぁ」
と言われ、

元々約束してなかったからと
軽く言い合いになってしまった。


僕もわざとイジワルして会わないんじゃなくて
小さな甥っ子の頼みやったから…と説明したし

彼女も絶対に会いに来てって言ってたわけではないだろうことは僕も分かっていた。


ただ、それでも会いたかったと言い続けられたこと
少しだけムッとしてしまった。

意地になって甥っ子との約束を取りやめ
彼女に会いに行った。


女の子がキレイに準備出来たから会いたいなんて
当然なのにね。


帰り際、少しだけ引っかかった部分を話した。
その時僕はどんな言い方したのか思い出せないけど

彼女が



「もう会えないみたいな言い方しないで」


と少し大きく呟いたのだけがどうしても忘れられない。
きっと最後のSOSだったんだ。


そして冒頭のやり取り。
彼女は今日一日ごめんねと言った。

僕はその気持ちの意味に最後まで気付けなかった。


いつもの軽い言い合い。くらいにしか捉えてなかった。


この頃少しずつ彼女との連絡が減っていたタイミングだった。


おはようとおやすみの連絡しかない日もあった時期。
いつものケンカや言い合いではなく


彼女の心が、心の傷みが溢れてしまったんだろう。


この数日後

彼女から別れて下さい。
とLINEがきた。


仕事中に来たLINEだったので
深い返事が出来なかった。


この一週間、同じ事をずっと考えていたと
告げ「別離」を受け入れた。

解放。してあげる事しか出来なかった。



彼女のキャパを散々オーバーさせてしまった僕に
これ以上待って欲しいとは言えなかった。

また、選択を間違えたのかな。


仕事中、必死で冷静になろうと思った。
無心で働いた。
他のスタッフに何一つ気付かれないように。


何度振り返って思い出しても

彼女の。大好きな彼女の笑顔しか
思い出せない。

沢山傷つけて、沢山泣かせてしまった。
沢山不安にさせた。



それでもやっぱり大好きだった。

他に何もいらないと思えるくらい。大好きだったよ。

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