20年分の想いと恋愛観 その⑥

倒れる数日前

彼女が出て来てくれることを信じて待っている間に
子供と彼女さえ居れば
何でも頑張れるんじゃないかと
思えるようになっていた。


彼女と約束したペリドットの指輪

当時の高校生の僕が買える物で
貯金と給料と合わせて10万円くらいの物だったけど

婚約指輪と結婚指輪の定義の違いさえ分からなかったけど
渡す為にすぐ買いに行った。


倒れてしまったので直接渡すことは出来なかった。
でも一つの決意表明として渡したかった。

僕が倒れているのを彼女のお母さんが
朝方に見つけ


僕が無理して倒れたら、彼女が産むと決めた時に誰が支えるのかと問われ何も言えなかった。
明日からはもう来なくていいから
今はそっと連絡を待ってやってと言われ

指輪を託して帰った。

数日後、一度だけ彼女から連絡がきた。


産まない
と。
全部が終わって元気になったらちゃんと連絡するからと。

何も言えなかった…。



喧嘩をした日、部屋を出た彼女を追いかけず。
支える事も出来なかった。


また選択を間違えた。



頭が真っ白のまま泣きながら
数枚の書類にサインをした。


その書類がどういう物か、どういう意味を成すか
その中で、少しだけ安堵した自分に



人生で一番嫌気がさした。

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