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20年分の想いと恋愛観 その⑦

結局数ヶ月待っても彼女から連絡は無かった。
毎月一日に体調は大丈夫?連絡待ってるよ。とだけメールをして…。

処置をして7ヶ月経つ頃に

僕の心の糸が切れた…。
彼女の親から処置に掛かった領収書だけが送られてきて


半年経っても連絡がないことを含め
もう連絡は来ないんだね…と。最後のメールをした。


それからさらに時間が経ち


気付けば19歳になっていた。

もうこれは「余生」なのかと思うほど
周りに対して壁を作り続けた。


無気力の中にずっと漂っていたような気がする。
過食嘔吐を繰り返し体重も
52〜65キロまで行ったり来たりを繰り返していた。


そんな折
自分の20歳の誕生日が近づいていることに気付く。

行かなきゃ。


そう思った。
行っても来るはずない。そう思いながらも
駅のベンチで約束の時間に。


約束の時間を過ぎ
3時間程待ち続けたところで



諦めた。


あんな想いをさせて来るはずないと分かってはいたが
それでも心の何処かで
彼女なら来てくれるのではないかと。


さらに半年程が経ち
成人式。


成人式にも彼女は現れ無かった。
きっともう一生会うことは無いと思うしかなかった。



会えたとしても
何を話すかなんて全く想像もつかなかったけど。


それからは適当な毎日の中で
生きる意味や術を考え始め

美容学校に行こうと思い始めた矢先に


以前とはまた別の彼女と共通の友達に
街ですれ違い呼び止められた。


その友達には僕からは何も伝えては居なかったが
彼女から大まかな話は聞いていたみたいで
僕との関係を知っていた。


そこで初めてその後の彼女の近況を聞く。

新しい彼氏ができ、妊娠して結婚まで決まった。



はずだったと…


しかし、新しい彼氏に結婚直前で逃げられ
2度目の子供を諦めたと。



とてつもない衝撃だった。

その友達がさらに続けた言葉に
僕はさらに動揺する。


「あんたに会いたい」って
だから私、(俺)君のこと探しててん。

と…。


きっとすぐに飛んで会いに行けば良かったんだと思う。
ただ、ただ、
すぐに連絡しなきゃと思い



あのメール以来初めて電話をかけた。
出るはずもないと思っていた…


すぐさま彼女が出た。


〇〇ちゃんと会って話した。と
会いたいと言ってくれたと聞いて
今電話をかけてる


そう伝える僕に、「うん」とだけ返す彼女。


今思うと、同じ傷みを理解し合えるのは
彼女にとって僕しか居なかったんだと思う。

それなのに僕は
過去の事をまず謝らなきゃと思い


謝ることから始めてしまった。


きっとそんな言葉が欲しかった訳では無かったはず。


結局彼女は何も僕に伝える事はなかった。


あなたが困ったら何をおいても助けに行くから。これから先電話番号も変えません。
と伝えると電話が終ってしまった。


やはりここでも僕は選択を間違えたんだ。


どうしようもない程追い詰められて
最後にすがろうと僕に届けたかったはず。

電話ではなく直接会いに行かなきゃいけなかった。
会ってずっと側にいるよと
大丈夫だよと言ってあげなきゃいけなかった。


少なくとも
あの花火の日、彼女は会いに来てくれたのに。



それから彼女からは今に至るまで
一度も電話がなることはありませんでした。







なぜこのような思い出を整理するかのごとく文字にしようと思ったかと言うと

彼女と疎遠になり
大人になって何人かと付き合って

別れを迎えるたびに
いつも彼女の事を思い出してきました。


今回の一番最初のnoteに書いた通り

昨年末、直近の彼女と
お別れを向かえました。


そんな折に
今回のnoteの彼女とほんとに数日前に
会って話しをする機会があり
3時間程の再会だったんですけど


沢山、話すことができました。


僕との出会い、再会から妊娠や結婚までのこと、
20歳の約束のこと。
ホントはあの場所に彼女が来てくれていたと。
僕の姿を見て、声をかけずに帰ったと知りました。


そして今は娘がいて、娘と二人で楽しく暮らしていること。

あなたとは沢山、本当に沢山のことがあったけど
何よりも大切な人だったと。

最後に
「また、いつかね」と
彼女が笑って僕に伝えたときに


きっとその「いつか」はもう来ることは無くて
これが今生の別れになるんだと悟りました。


それは僕に沢山の事を教えてくれた彼女が

僕の中で

「大好きなひと」から「特別に大切な人」


に変わりきったからだと思います。

それを忘れないために
会って文字にまとめることで
自分の中でやっと消化できたのかなと思います。


ほら、過去って変えることが出来ないじゃないですか?
でも乗り越えたり、消化したり、納得することって出来ると思うんですよね。

これまで僕に関わってくれた全ての人が
良い思いも嫌な思いも沢山、沢山させてしまったと思います。
それでも何か一つ。キレイ事だとしても
残せたら良いかなと思って書き留めました。


彼女から沢山の優しさと寂しさももらって
20年以上色々な想いを抱いて来たけど
やっと少しだけ
ちっぽけな自分と、自分の中での彼女への想いに折り合いを付けられたのかなと思います。


それでも結局今も間違った選択をしてしまって
1人悶々とするんですけどね。笑


ではまた。
長々とありがとうございました。

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