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日本麻雀と中国麻将を比較してみた②

これは、1人の打ち手のデータを比較して中国麻将とは何ぞや?ということをお伝えしようとする一連の記事です。

前回の続きです。

どうしてこうなった?

まず、高い和了率・放銃率について。麻将世界という2020年末にサービスが終了したサイトでは和了率の平均値が24.4%、放銃率が18.19%(chunmaclub会長、izumickさんの資料より)だったそうです。

24%にしろ、18%にしろ日麻から見たらかなり高いです。これはほぼオリないことが影響します。何故、オリないか。オリる意味がほぼないから、これに尽きます。

では一例、見てみましょう。

横移動でも点数が引かれる

ある日のセッションです。全員日本人です。

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中国麻将は1点から88点の役の足し算で和了点数が決まるのでこんな点数になります。ここで注目したいのは4局目の93点と11局目の98点です。どちらも高い和了になります。

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説明の都合で11局目の和了から見ていきます。これが98点の和了です。見ての通り、日麻では役満の小四喜です。中国麻将では64点役になります。これは上家から出和了したもので、その人から小四喜(64)+混一色(6)+門風刻(2)+花牌(2)の74点に加えて、中国麻将のルールで底点の8点を足します。この底点は放銃者はもちろん、横移動だった人も払います。参加料みたいなもんです。対面と下家からも8点ずつをもらって総計98点の和了となるわけです。上の記録にも-8となっているところが無数にありますが、これです。

これがオリない理由の一つ、横移動でも必ず点が引かれるということです。

ツモ和了が強すぎる

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次に、これが93点の和了です。この牌姿で小四喜と5点しか違わないんですよ。何故そうなるかは点数計算していけば分かります。

計算すると清龍(16)+平和(2)+相喜逢(1)+缺一門(1)+カンチャン(1)+自摸(1)+花牌(1)で計23点。これがベースになりますが、中国麻将では日麻のように割り勘みたいなことはしません。ツモ和了が発生したときは、和了できなかったプレイヤー全員が放銃者扱いです。つまり、ここに底点8点を加えた31点を全員からもらえます。31×3で93点です。

これが何故オリない理由になるかといえば、「仮にこれが出和了だったらどうなるか」を考えると見えてきます。AとBをおいて、ツモ和了と出和了での点差を考えてみます。

Aの23+8点のツモ和了が発生した場合、AはBを含む全員から31点をもらい、+93になります。対してBは-31で、124点差が付きます。

B→Aで22+8点の出和了が発生した場合、Aは他2人からも8点をもらい+46になります。対してBは-30で、76点差がつきます。

日麻では直撃のほうが大きく点差をつけられますが、中国麻将ではツモの方が点差が付きます。

つまり、放銃した方が点差が開かず、得になることすらあるということです。オリない理由の2つ目です。

そしてこの手が出和了の小四喜と大差ないように、ツモでいつでも役満クラスの打点が作れて(特に七対や清一色)、放銃の点なんていつでも回復できてしまうんです。これがオリない理由3つ目です。

フリテンがない

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今度は別の対局から持ってきました。中国人と中国旗(中身イタリア人)とフランス人との対戦です。

これはそこそこテクニカルな和了ですが、注目すべきはそこではなく、私の和了牌4pです。

河を見れば分かるように、私4p切ってます。現物です。しかも、この4pは下家が4pを捨てた直後、すなわち同順に切られた4pで和了しています。同順内フリテンです。

それでもチョンボにならないのはフリテンがないからです。むしろ、フリテンは日麻独特で、普通じゃないルールなので、なぜフリテンを採用したのかは考えてみてください。

ただ、日麻に慣れ親しんだ人からするとこんな和了をされてはたまったものではないでしょう。これも、日麻から入った人からすれば、オリない理由にはなります。現物が通用しませんからね。

じゃあ全ツッパ?

ということになりそうですが、そういうわけでもないです。ちなみに最初に挙げた対局では15局目にトップ目が3着の清龍に放銃し、その所為で私がトップになっています。というところからも攻撃一辺倒ではダメとわかるかもしれません。

気が向いたら次回、流局のことと共に解説します。

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