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2.受診までの道のり

1)マルファン症候群を疑って

これまでのこと

ラグビースクールに入れようとしたタイミングで、湧いてきた、もしかして息子はマルファン症候群では…という疑念。実際に受診に至るまでも紆余曲折ありました。

小児科を突然訪れて、「この子はマルファン症候群ではないでしょうか?」と聞いたりしたら、ネットで調べすぎて不安になった神経質なお母さんと思われるんじゃないか…次から受診しづらくなっちゃうかも…、でも不安だし…と、悶々として、すぐには一歩を踏み出せませんでした。

疑いつつも、基本的には大丈夫であろうと楽観視もしており、「大げさで心配しすぎのお母さんというレッテルが貼られないようにする」には、どういう態度をしたらいいのか…などと的外れな心配をしていました。

でも勇気を出して、別件で近くのクリニックを受診した際に、相談してみました。そこでは、おそらく違うのではないか、これまでも数人見たことがあるが、もっと関節が緩かったり、皮膚が薄かったりするはずと言われました。

2)本格的な受診に至るまで

実は私は母親の一人として、「小児医療」を守るための活動をする社団法人の理事&事務局をしていました。(現在はミッションを為し終えて解散しています。)忙しすぎる医療現場で疲弊する医療従事者たち、日本の医療を守るためには、私達親がこどもの病気や医療について知ることで、不安が減り、病院のかかり方がよい方向に変わってくるという考えのもと、小児科の医師の先生らによる講座を各地で開催していました。

その団体の代表を務める友人に、思い切って相談してみました。すると「学会に行くと、患者会ブースがいくつかあり、その中にマルファン症候群の患者会があったはずなので、資料をもらってくるよ。」と言って、学会参加後に早速我が家に送ってくれました。

中を開けると、絵本やガイドブックなど、患者がまとめたとしては、立派すぎるほどの充実の資料がそろっていました。

恐る恐るながらも夢中で読み進めると、私が思っているより、はるかに大変な疾患であることがわかってきました。厳しい現実に途中ぱたりと本を閉じたくなる葛藤にかられながらも、なんとか最後まで読み終えました。

マルファン症候群は、外見上の特徴くらいしかないと思っていたのですが、血管壁が弱いことで起きる大動脈や脳動脈の解離、心臓の弁の逆流など命に関わるリスクがあることを、その時やっと理解しました。

これはやはり白黒はっきりさせた方が安心だと思い、もう一度だけ受診をしてみることにしました。

私が事務局を務める「小児医療」の団体を常々応援してくれる小児科の先生方は「お母さんの『いつもと違う』『何かが違う』は重要なサイン」と言ってくださっていました。

もう一度勇気を出して、そのお一人の先生にご相談してみることにしました。先生は「マルファン症候群はもちろん知っているが、実際に患者さんを治療した経験はない、自分の元上司の先生に紹介状を書くので行ってみてほしい」と大きな病院を紹介してくれました。

いろいろな手順を踏んで、実際に予約ができたのは夏のこと。あれ?と思ってから数ヶ月。なかなかもどかしい日々でした。


つづきます