0.はじめまして

1)自己紹介

我が家は、夫と私、小5の息子と中2の娘の4人家族です。夫と息子がマルファン症候群という疾患を持っています。

ここでは、マルファン症候群という疾患を持つ人の母であり、妻となった私の日々をつづりたいと思っています。

プライバシーの観点から、匿名にさせていただきますが、素晴らしいプリクラ技術によって最大級に盛られた6年前の写真+加齢+加重により、現在のリアルな私とは判別がつかないと思いますので、こちらで自己紹介に替えさせてください。

2)マルファン症候群とは

マルファン症候群というのは、指定難病の1つです。
遺伝子の塩基配列が1つ違っていて、結合組織が脆弱です。
その影響は多方面に出ます。
大動脈解離や、目のレンズのズレや網膜剥離、骨形成の歪みなどを起こしやすくなっています。
発現の仕方は個人差がありますが、すらりとした長い手足と高身長が特徴的です。
大動脈解離による突然死が多く、以前のマルファン症候群の方の平均寿命は20代と言われていましたが、今は心臓血管手術の進歩で50代まで延びたようです。

常染色体優性遺伝であり、要するに親がマルファン症候群であれば50%の確率で男女問わず子どもに遺伝します。我が家の場合は、娘には遺伝しませんでしたが、息子には遺伝しました。突然変異のケースも全体の25%にあると言われています。
(遺伝のことに関しては、またいずれ詳しく書きたいと思います。)

3)noteを始めた経緯

息子と夫がマルファン症候群だとわかったのは、ちょうど今から6年前のことでした。息子が4歳の頃です。

病気がわかり、夫は即手術が必要となり、息子の通院も始まり、不安と心細さの中、必死で駆け抜けてきました。

もちろん一番つらいのは当事者。
でも支える家族のつらさもあります。

私は幸いサポートに恵まれていた方だと思うのですが、それでもとてもしんどかった…。

自分の病気ではないからこそ、ヘビーな問題でもあり、差別や偏見も怖く、アウトプットはためらわれました。

Facebook で親しい友人限定で現状報告することはありましたが、夫や息子のプライバシーを思うと、徐々に書けなくなりました。

何より、めちゃくちゃかわいい息子が自分より先に死んでしまうリスクが大きいという事実を受け入れるのは、つらいものでした。

突然やってきた難病の人の妻であり、母であるというアイデンティティーに戸惑い続ける6年間。

やっとこの状況にも慣れてきて、次のステージに入れたかな…という段階にきました。

これまで、この体験をアウトプットした方がいいと何度か勧められましたが、まだ受容が進まない自分には無理だと思っていました。

でも、とあるラグビー選手の活動を見ていて、私も道半ばだからこそ発信することに意味があるかも…と背中を押されました。

唐突にラグビーのことを持ち出しましたが、実は私にとって、このマルファン症候群ヒストリーのターニングポイントには、いつもラグビーがあったのです。(そのことも今後、綴っていきたいと思います。)

私自身や家族を直接知る人とつながる実名アカウントのSNSでは憚られる内容も、ラグビーが好きすぎて作った匿名アカウントだったら、素直に書くことができるかもしれない…と、今回、マルファン症候群との日々について書いてみることにしました。

何かを届けたいとか、そんなたいそうなものではありません。

でも、医療関係者の方には、マルファン症候群の家族が何に困っているか、ぜひ知っていただけたらと思います。私自身も医療機関で働いていますが、患者家族になったことで、医療関係者としては、大きく成長したと感じています。

ですが、患者家族としては、ただただ日々、トホホと困っている人です。

何も克服していませんし、それでも元気に明るくポジティブに生きてます!というお話でもありません。かといって、愚痴や泣き言のはけ口にしたいわけでもありません。

多少の医療の知識はあり、加えてちょっと頭のねじが緩んでいるおめでたい性分に救われてきた私ではありますが、同じ疾患の方の状況を知ることは、励みになるどころか、怖い時期もありました。

私の書くもので、他の人のケースを知りたいと思っている方、家族の病気のサポートに苦慮している方に一例として何か参考になれば幸いですし、マルファン症候群というものを知っていただくきっかけとなり、もしかしたらうちも…と受診のきっかけとしてお役に立てることがあれば…ありがたいです。

(でも、わかりやすいルックスでもあるので、周囲の方にむやみに指摘されたり、偏見を持たれるのは望みません。それが怖くてアウトプットをためらってきました。)

まとまりのない文章ですが、かっこつけずにこの6年間の素直な気持ちと出来事をつづっていきたいと思います。

書き終えた暁には、私が困っていたことに対して、得意分野で同じ境遇の方のお役に立てるようになりたいとアイデアを温めています。

少しずつ更新していきますので、どうぞお付き合いいただけましたら、幸いです。よろしくお願いいたします。