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1ページマンガ#12「一問一答」

20210623_Comic#12_一問一答_s

マンガを描きました。テーマは「自分のことはわからない」です。
子供は大人を試すのです。僕は怖いです。

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以下、雑文。

 マンガの描き方についてちょっと書きます。これを続けたとして描き方に変化があれば面白いので、未来の自分がどう思うか楽しみです。

1、着想からラフ
 アイデアは思いつく瞬間があるので、思いついたら忘れないうちにさっとラフを書きます。最初に状況が浮かんで、1コマ目から順番に描いていきます。今回の場合は、「子供はよく質問する」という流れが何となく頭にあって、徐々に面白くなっていきそうな順番で家族に質問していくと面白くなるかな?とか考えながら書き進めていきます。今回は先に状況があって、後でオチを考えるという進め方になりました。オチまで思いつく場合もありますが、描いてみるとイマイチなことが多いので、だいたい変更となります。
 残り一コマとなって「実は女の子は家族を試してたのだな」と気づき、ラフの段階では「ユーモアのセンスを採点していた」というオチにしていました。横で見ているのもペットの犬になっています。

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 細かいところが結構違います。ラフのタイトル右の鳥がバカっぽくて気に入ってしまい、荒まま残してみたり。ここでセリフや構図なんかをよく考えておかないと後々大変なのですが、「大体こことここ直せばOKかな〜」くらいで下書きに進んでしまいました。

2、下書き

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 下書きです。ここで綺麗にして整頓します。吹き出しと人物の配置が難しい。今回は構図もいまいちだと思います。背景に物を描いていないのも良かったのかどうか。。。女の子のポーズも相手との距離感を考えながら描きました。オチが「裏のある女の子」なので、1コマ目はメルヘンに見えるように。読み返したときに表情が変わらないのがちょっと怖いと感じられるように。などなど考えながら形を決めていきます。ここでもまだオチはユーモア・テスト案です。

3、ペン入れ

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 緊張のペン入れ。製図ペンで描いているのですが、正直描きづらいです。でも色が濃く印刷向きで、フェルトペンみたいにペン先が描いててもつぶれないので均一な線が引けます。
 ここでもオチはユーモア・テスト案になっています。不精のせいでオチはスキャンしたあとにパソコン上で描きなおしました。「線はアナログにこだわっているくせに、結局パソコン使うんかい」と自分にツッコミを入れることになりました。ちゃんとラフの時点で考えとかないと後が大変です。
 最近セリフを手書きにしました。敬愛する「タンタンの冒険」で使われているフォントが味があって好きで、どうせなら描いたほうが面白いのではと思って変えたのですが、これも作業が増えてなかなか面倒。もうちょっと字形も読みやすいようにしたほうが良さそうです。

4、着色
 このあとスキャナで取り込んで、Photoshopで線の調整と着彩で完成です。オチは着彩しながら、何度か変えたりしながら決まりました。家族の評価を点数にすると、読む人の好みもあるので納得できない人が出てしまうなと、ずっとモヤモヤしていたのですが、代替案が出ず最後の最後で変更となりました。線だけの部分だったので修正しやすくてまだ良かったです。

作業中は
 ラフは音楽を聴きながら描きます。言葉を考えたりする時はインストの曲が良いです。着色はずっと作業なので、ラジオを聴いたりしています。主に「オードリーのオールナイトニッポン」か「山下達郎のサンデーソングブック」です。今みたいに文章を書くときは何も聴きません。やはり言葉は音なので他の音がうるさいと邪魔になるのだと思います。脳みそって面白いですね。

1ページマンガシリーズの設定
 タイトルでいつも主人公が「BAD CITY」と言ってるのですが、これは架空の街の名前です。「いい歳した大人が何がBAD CITYだ」と説明するのがなかなか恥ずかしいですが、「BAD CITYという街で起こった色々なこと」という設定でシリーズとして書いています。BAD CITYという割にはそこまで悲惨なことは起こらないのですが。日々を過ごしていると慣れてしまっているけど、よくよく考えたらおかしなことが起こってるなと思います。そこをちょっとつついてやろうとするのがBAD CITYの住民たちです。
 彼らは特に革命を起こすわけでも、愛を叫ぶわけでも、社会問題に斬りかかるわけでもないのですが、社会に生きる人の代弁者であったり、同じ理不尽に耐える共感者であったりするといいなと思って描いています。人間、「大義名分」より「小義名分」で動いてることほうが多いので、ハリウッド映画みたいな「地球を救う」とか「巨悪を倒す」とかより、「貧乏くじだぜ、とほほ」とかの方がテーマとして面白いことが多いのではと思います。落語とか好きなのでその影響もあると思います。イラストレーターの安西水丸先生の著書「普通の人」もただ人々の生活を描いているだけなのですが、切り取り方が絶妙ので、とても面白いです。そんなのが描けたらいいなと思っていますです。はい。

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