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2022年(広義の)百合漫画5選

このnoteは日頃女の感情を食べて生きている私が、今年読んだ百合漫画5選というか、栄養価が高い女の感情を摂取出来たと思った漫画5選です。

(小説は数冊しか読めず……。積読が50を越えているので今年は漫画だけ………)

5選の内、百合漫画として刊行されているのは1作品だけですのであしからず。

大筋に関わりのない多少のネタバレありで、性癖を曝け出してギャーギャー叫びながら書いてます。

また、私は電子書籍愛用者で、KindleとDMMブックスを両用しています。

特に2022/12/27現在は、DMMブックスが高ポイント還元セールしているのと、LINEマンガで無料話多めに開放されているものもあるので、もし読んでみようかなという方がいらしたらURL貼っておくのでよろしければ〜〜!!!!

(LINEマンガは毎日コツコツ読めるタイプの方であれば、無料の範囲めちゃ多いのでこちらから試し読み感覚で覗いていただくのもおすすめです!!!!)

とはいえ、勧める気あるんだかないんだかな、いつもの脳直noteなのでふわっとお付き合いいただけると嬉しいです。

それでは早速行ってみよう🏊‍♀️

少女ファイト

あらすじ

かつて旭谷小学校を全国大会準優勝に導いた大石練。中学受験の時にチームメイトに裏切られたトラウマにより、白雲山学園中等部バレーボール部では実力を隠していた。怪我をさせてしまったチームメイトの代理で出場した練習試合で、本性を抑えきれずにスパイクを打ちに行った際に負傷、観戦に来ていた式島滋の診察を男子トイレで受けていたところ、不純異性交遊と勘違いされ退部処分となってしまう。

失意の日々を過ごすなか、黒曜谷高校バレーボール部監督陣内笛子との邂逅や、陣内笛子の高校時代、姉の事故死翌日の春高決勝の黒曜谷高校の試合映像を視聴したことをきっかけに黒曜谷高校に進学。黒曜谷高校バレーボール部の中でバレーボールへの情熱を取り戻していく。

出典:マンガぺディア 「少女ファイト」

感想

大学時代のバイト先でやたらおすすめされてたなあと思いつつ、全然読んでなかったのがDMMブックスで1〜3巻まで無料だったのを発見して読んでみたのが発端でした。

あまりの感情と感情のぶつかり合いで、ボールじゃなくて女の感情のぶつけ合いの応酬の漫画だった。感情のバレーだった(?)

作中で女女、男女、男男と激重感情を持ってる二人組がたくさんいるんですが、挙げ出したらキリがないので特に私の胸を熱くした2組の話をします。

まずは笛子と真理。
笛子はあらすじにもある通り主人公の練がバレーと再び向き合うきっかけとなった一人で、黒曜谷高校女子バレー部の監督です。

真理は練の姉で、バレーの天才でバレーに魅了された人々から慕われた天然モノの魔性の女ですが、既に亡くなっています。

そんな二人はかつて黒曜谷高校で共にバレーに心血を注ぎ合ったチームメイトでした。

構図としては

笛子→→→→→→→→←真理

といった感じです。

真理が亡くなったのは春高バレーの準決勝の試合後でした。
赤信号を渡ろうとしていた真理を笛子が制止しようとしましたが、間に合わずそのまま事故死してしまったのです。しかも笛子はその際に足の靱帯を損傷しています。

しかし翌日の決勝で医師の反対を押し切って出場し、真理の弔い合戦かのように完璧なプレーで黒曜谷を優勝へ導きました。
代わりに笛子の選手生命は絶たれ、現在も杖が必要なほど片足を不自由にしています。

おまけに作中では喪に服すように笛子はずっと黒服を身に纏っています。

これだけのエピソードでも充分に激重感情過ぎない?????????

ここまでの話、バレー漫画の序盤でサブエピソードとしてぶちかましてくるの最高が過ぎる………。

最新19巻までで、ちょくちょく真理がどういう人間だったのか、生者の視点で語られますが、見せてきた側面が全然違うのに、人を不思議と魅了する天然モノの魔性の女感が強まる一方です。

死者を美化することはよくありますが、最早これは宗教に近い気すらする。みんなが真理のことを慕っているのに、我が道を突き進んで地中海の日差しのようにカラッと笑っている姿に拍子抜けしつつも、また愛おしさが募る。
そういう人柄に登場人物も読者も魅了される。

笛子のエピソードが序盤で出た時に、出た重いやつ!最高!くらいに思ってたのが、そこまでさせても納得できてしまう真理の描写にひれ伏すしかない。これぞ(広義の)百合。
く〜〜〜〜〜最高だ〜〜新刊引き続き待ってます😭😭😭

そしてもう一つが摩耶と隆子(と練)。
摩耶は練と同じ旭谷小学校でバレーをしていたチームメイトです。練側からするとそこまでの思い入れは強くなかったものの、練への執着っぷりといったら………
心身ともに痛みを感じにくく、極端に共感能力が低い。彼女は端的にいえばサイコパスです。

練のひょんな望みを摩耶だけが覚えていて、小学校から高校にかけての時間を費やして練のために計画と実行に移そうと企み、猪突猛進するのがシリーズ後半で少しずつ描かれています。
(詳細は是非本編でよろしくお願いします!)

隆子は同じく旭谷小学校で練とバレーをしていました。とてもバレーが上手く、姉を亡くして狂犬のようにバレーに勤しむ練に唯一ついていけた友人です。
しかし旭谷小学校には転入して途中で入ってきており、その三ヶ月後には海外へ移住してしまいます。
在籍期間は一時期だけのため、練のトラウマとなる事件とは無縁で仲良しです。
彼女もスーパープレイヤーであり、未来の日本代表候補になります。

親に恵まれなかった隆子は練に家族のような親愛を抱いており、彼女もまた練への執着心が強めです。(摩耶よりは倫理観がある)
帰国子女なこともあり、他のキャラクターよりも比較的自由奔放で唯我独尊なところがあります。

彼女達のポイントは大石練が真理に準ずる魔性の女だということを浮き彫りにさせるということです。
二人とも練に対して強い執着心を持っていますが、その立場も感情も詳らかにしていけば全くの対極そのもの。一つの作品で同じ人物への違う種類の執着見せてくれるの素晴らし過ぎないか??????

個人的に練のことを序盤では好きになれなかったのですが、話数を重ねるごとに練に魅了される登場人物達が増え、その様子を見ていくうちに目が離せなくなりました。
練を見て、求心力のあるキャラクターは真理のように誰からも好かれるというだけではないと知りました。

まじで少女ファイト、いろんな女の感情が見れて最高過ぎる……。

そしてここまで書いてて思うのは、私ってやつは本当に魔性の女好きだな????????少女ファイト、最高です。
無料巻読んでるって言って真理好きそうってプッシュしてきた友人、大正解です。私のことよく分かってる〜〜〜〜。

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ガラスの仮面

あらすじ

一見平凡な少女・北島マヤ。そんな彼女の芝居における才能を見抜いた往年の大女優月影千草は、幻の名作「紅天女」の後継者として彼女を育てるべく指導を開始する。一方、若くして演技の天才と呼ばれる姫川亜弓も親の七光を超えるべく紅天女を目指し、2人は永遠のライバルとなる。そして、どんな手を使ってでも紅天女の上演権を手に入れたい大都芸能の速水真澄なども加わり、様々な人間模様が描かれていく。

出典:マンガぺディア 「ガラスの仮面」

感想

往年の名作、ガラスの仮面です。

昭和の少女漫画に興味はありつつもベルばらくらいしか読んだことがありませんでしたが、LINEマンガが大部分を無料公開してくれたお陰で手に取ることになったのでした。

結論から言ってめちゃくちゃ面白い………!!!!!

読み始めるまで「アタックNo.1」と「エースをねらえ」と「ガラスの仮面」の違いが分かってなくてごめんなさい🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️

ちなみにガラスの仮面を読み終えてから、昭和〜平成初期の少女漫画ブームが訪れて、上記の3作品の他に「ジョージィ!」「ぼくの地球を守って」「天は赤い河のほとり」「秘密 -トップ・シークレット-」を読みました(面白かった)

さてガラスの仮面の話に戻りますが、主人公マヤとライバルの亜弓の関係性が素晴らし過ぎます!!!!!

二人の間には無関心と性愛以外の全てあるんです!!!!!!!!!!!!

私ってばこんなに凝縮された関係性がないから、良過ぎて1週間おきくらいで呟いてる。

大抵何かの感情に特化してて、それ一本だと人間らしくないし相反しそうな別の感情が少し混じって複雑になっていくつくりのイメージですが、ガラスの仮面ではマヤと亜弓の関係性で1976〜2012まで描き続けてるの凄過ぎます。

マヤには途中試練のように邪魔するものが現れたりもするのですが、永遠のライバルが亜弓であることは序盤からズレないし、何よりまだ紅天女どっちがやるか決まってないので、今後が楽しみですね〜〜〜!!!!

なお最新巻は2012年発売、作者は御年71歳です(白目)

さて、勢いで関係性の大枠の話からしてしまいましたが、もう少し掘り下げていこうと思います。

マヤはお母さん一人と貧しい暮らしを送っており、ひょんなことから演劇に目覚めて、月影先生にその才を見出されます。
それまで取り柄もなく、勉強も運動も何にも打ち込めなかったのですが、驚異ののめり込み方で憑依型女優としての道を歩み始めます。

そんなマヤとは対極にいるのが亜弓です。
有名監督を父に、有名女優を母に持つ亜弓は、正に演技界のサラブレッドです。
自身もそれを自覚しており、驕ることなく幼少の頃から弛まぬ努力を続け、天才女優の道を進んでいます。

そんな同世代には劣らぬ自負のあった亜弓が、唯一恐れ敬い認めたのがマヤでした。

マヤには試練が多く世間がどんなに見放そうと、亜弓はライバルとしてマヤを信じ続けます。そうして二人は刺激し合って、ガラスの仮面の世界での女優としての栄誉「紅天女」役をどちらが勝ち取るか、鎬を削っています。

マヤはとにかく劣悪な環境や厳しい試練に耐え抜きながら、その才覚を発揮していく、平たくいえば根性のステータス高めの主人公パワー満載な少女です。

対する亜弓は一見なんでも持っている天才美人俳優ですが、実は自分の頭で考え、試行錯誤してその身で演じるタイプで、泥臭く努力を重ねて秀才故に実力を伸ばしています。

その点、実はマヤは天才肌で演技のために必要なものは先天的に持っているタイプで、亜弓はその事実を知った時に強い劣等感を覚えるシーンもあります。

尊敬とある種の信頼というお綺麗なライバル関係ではなく、嫉妬や嫌悪も入り混じる二人に目が離せない……お願いだから終わりまで書いてくれ………頼む……………。

そして全くここまで話題にしていませんが、マヤの恋の行方も目が離せない作品です(どちらかというとメインはそっちのはず)

名作は面白いから名作なのであって、時には振り返って読むのも大変良いですね……最高☺️

LINEマンガで前半は無料公開中なのでコツコツ読めるタイプであれば、是非年末年始休みのお供にでもよろしくお願いします!!!完結はしてませんが!!!!!!!!

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まんがグリム童話 金瓶梅

あらすじ

時代は16世紀後半から17世紀前半の中国(当時は明)。金持ちの妻になる夢を持つ美女・潘金蓮(はん・きんれん)は夫の武大(ぶだい)を殺して願いどおり金持ちの男・西門慶(せいもん・けい)の第五夫人におさまるが、嫉妬深い彼女はほかの夫人たちや妾を敵視するようになる。一方で武大の弟・武松(ぶしょう)は兄が殺された真相に気づき金蓮への復讐の時を待つ。

中国には四大奇書と呼ばれる長編小説があり、そのひとつが西門慶と潘金蓮が主人公の『金瓶梅』(きんぺいばい)だ。

 四大奇書のほかの三作『三国志演義』、『水滸伝』、『西遊記』が老若男女問わず読めるストーリーであるのに対し、『金瓶梅』は『水滸伝』のスピンオフ作品でありながら、時に殺人などの残虐行為を伴う女性たちのいさかいや過激な性描写が倫理に反するとされ、何度も禁書になった。四大奇書の中で異彩を放っている小説である。

出典:連載20年&既刊51巻! 『まんがグリム童話:金瓶梅』は原作小説との人物比較で読むとさらに面白い

感想

あらすじだけでも伝わる物騒さですね。バイオレンス&エロ満載。
男尊女卑(時代とお国柄)、美や金・権力への執着、異常性癖。
登場人物の殆どは基本的に自分のことしか考えない者ばかりで、欲に溺れて自滅したり、権力者の反感を買って死よりも恐ろしい目に遭ったり、はたまた何も悪いことはしていないのに濡れ衣を着せられたり……。
中国史上で何度も禁書になったのが分かるくらい過激な作品です。

(どのくらいドロドロの地獄の様相かと言えば、現時点の作中で一番幸せな登場人物が、イケメン権力者の旦那様に見初められることを夢見て西門家に下女として入ったら、奥方や召使から大変嫌がらせ(強姦未遂もあり)を受けて故郷に戻ることになり、自分を慕っていた幼馴染と結婚した女、というくらいです)

私は原作の『金瓶梅』は拝読しておらず、世界史の履修時に四大奇書の一つとして覚えていたくらいで、始めはLINEマンガで無料話数が多いからというだけで読み始めました。

確か昨年から今年にかけての年末年始で何となく読み始めたのですが、そこから毎日読める範囲を最大限に読み進め、夏頃にはその時点で出ていた単行本49巻を買い揃えるくらいののめり込み方をしました。

何故そんなにハマったかというと、前述の通りとにかく過激な作品なのですが、人間の醜く愚かな部分をさらけ出されている代わりに、人間の持つ温かさや情の部分も描かれており、ストーリーとして大変面白いんです。

背景が中国、明の時代なので、とにかく権力主義の男尊女卑。
そんな制約の中で生きる女達は、時には旦那様を立て、旦那様の上司にセクハラされ、強姦されそうになりながらも、知恵を絞って自分の欲望を達成させようとします。

平たく言えば、賢い女が機転を利かせて、権力者(男性)を操り、出し抜いて、自分のやりたいようにする話が大半です。
(権力のない下女や召使たちが、主の我儘に振り回されて、無茶ぶりに応えたりするシーンも多数)

私は制約の中で女が勝ち逃げする話が大好きで、それが現在52巻ずっと続くので最高にクリーンヒットでした。
(峰不二子が好きなのもこの辺が関係してると思う)

それと主人公の一人、金蓮がまた最高なんです。

あらすじの通り、金蓮は大変美人でカンが強く、倫理観がぶっ飛んだ性格なのですが、自身の境遇が大変恵まれていないことから、似たような可哀想な女の子に甘かったり、気に入った召使には大変目をかけて小姑ムーヴをしたり、自分の母を騙る女性を邪険にできずその女の本当の目的を叶えてあげたりと、人情味のあるキャラクターです。

とにかく我儘で自分を曲げたくないため、召使や他の奥方を巻き込んで様々な事件を起こすこともあるのですが、前夫を殺してまで結ばれた大好きな今の旦那様が傷つかないためなら、自分の欲を我慢し賢く振る舞うことも出来ます。

善と悪なら悪の方が好きな方には大変おすすめな作品です。純粋に20年連載が続いているくらい面白い。
(虐待、強姦、殺人、性的シーンなどこれでもかと出てくるので、抵抗のある方には全くおすすめできないです。ご注意を)

さて、百合(広義)的にこの作品の素晴らしいところですが、金蓮と、もう一人の主人公、春梅との絆です。

春梅は金蓮のお付きの召使で、賢く可愛く、金蓮に似て意志が強くてハッキリした物言いの女性です。
恐らく性格の良さで言えば作中で群を抜いているかと。春梅が嫌いな人なんてこの世にいないんじゃないかと思います(個人の感想です)

我儘の多い金蓮の命令をきちんとこなし、時には諌めながら、旦那様と金蓮が上手く行くよう見守っています。

金蓮もそんな春梅への信頼は厚く、いつか春梅が輿入れする時には、事前に相手を自分に判断させるよう言うくらいです。
(女性の召使は金持ちの家に奉公に来て、良縁を結んで召使を辞めるのが通例)

実際、作中で春梅は未遂も含めて二度輿入れすることになります。
一度目は大変怪しい家で、最終的に命の危険に晒されることになるのですが、金蓮は春梅が自分の元を去ってしまう悲しさに暮れつつ、異変を察知して必死に春梅の様子を伺おうと腐心して、見事春梅を救い出したりもしています。

二度目の際には春梅の本当の想い人と結ばれ、第二夫人として輿入れすることになります。
しかしそこが大変特殊な家で、家同士の取り決めで結婚した第一夫人との諍いに疲弊する春梅に、金蓮は最高の贈り物と実家のような安心感を結婚祝いにプレゼントしたりしています。
(涙する春梅につられて泣いてしまうくらい素敵なシーン)

春梅もまた金蓮への忠誠心と愛が深いです。
西門家には奥方が六人いるのですが、最も旦那様の寵愛が深い金蓮へ、他の奥方から嫌がらせを申しつけられたそれぞれお付きの召使に、春梅が邪険にされたりするシーンもありますが、じゃあ寵愛を勝ち取れるようそれぞれの奥方のために尽力してみろと言い返したり、どこまでも金蓮の味方です。

他にも心中を考えざるを得ない百合があったり、他の女性同士の連帯もあったりと、女性が主人公な金瓶梅では栄養価の高いシーンが多数あります。
でもやっぱり話が面白いんで、百合に興味がなくても過激さに抵抗が無ければぜひ年末年始のお供に読んでみて欲しいです。

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イベリスの花嫁

あらすじ

ウェディングプランナーとして働く美月は、結婚を具体的に考え始めた彼氏と同棲して3ヶ月。順調な人生を送っていたところ、何でもないある日運命の女を見かけてしまう。
その女、七海は次の日に客として美月の前に現れるのであった。

感想

4作品目にして初の百合漫画です。

私は作者秋山はる先生の別の百合作品「オクターヴ」が大好きで、「オクターヴ」を勧めてくれた友人に知らされて急いで購入したところ、まだ一巻しか出てませんが、個人的に今年の百合漫画としては優勝だと思ってます。

赤裸々な欲や感情を何でもないことのように突きつけてくるような作風がたまらないのですが、それがまたイベリスの花嫁でも存分に発揮されています。

本作はタイトルに使われているイベリスの花言葉から分かるように、倫理とか常識ではなく衝動的に惹きつけられる女女の話です。

イベリスの花言葉は、「心をひきつける」「初恋の思い出」「甘い誘惑」。

七海には2人の男性の恋人がおり、それを3人共承知しています。
他人から見れば歪な関係ですが、その中心にいる七海は全て分かった上で楽しんでいるのです。

そんな七海に一目惚れする美月。それは七海もまた同じでした。

作中で七海が「愛は降りてくるものだ」と言います。

常識的な美月は「愛は育むものだ」と言います。

今までに一目惚れをしたことがあるか無いかで共感していただけるかが変わってしまうと思うのですが、私はどちらもこの世に存在するものだと思ってます。

ただ、降りてきた愛の方が引力が凄まじいと考えてます。
理由は理屈ではない感覚的なものなので、何故そんなにも惹かれたのかとにかく考えてしまうからではないかと。
そして最初からインパクトが強いので、恐らく麻痺してしまうんだと思います。理性を構成する常識やら社会性やらが。

二人の出会いは本当に何でもない、一瞬目が合っただけです。

お互い自分の生活に満足しており、何か変化が欲しかったわけでもない。しかも結婚前でタイミングが悪い。それなのに降りてきてしまう愛の理不尽さ。

そんな災害のような愛の話が、次の2巻で終わってしまうということでめちゃくちゃ残念………。
(2023/1/12発売です!!!!!!)

ここまで紹介した作品の中で一番巻数が少ないので、是非お手に取っていただきたい。そして今年の百合じゃないけどオクターヴ(全6巻)も是非………!!!!!!

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ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜

あらすじ

町山警察署町山交番に勤務する岡島県警の新人警察官・川合麻依は、違反者や一般市民から日々言われる文句、想像以上の激務という警察官の仕事に嫌気がさし、辞表を提出しようとしていた。そこへ新たな指導員として配属されてきたのは、元刑事課のエースで、後輩へのパワハラで左遷されてきたという藤聖子巡査部長。

初日にして連続窃盗犯を捕まえるなど、藤の鋭い観察眼や取り調べ能力を目の当たりにする川合。藤の優しく、時に厳しい指導の下、川合は警察官としての職務や心得を学び、少しずつ仕事に対する自信を持つようになる。

出典:Wikipedia「ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜」より

感想

ドラマが面白過ぎて漫画も全巻買いました。

そうしたらこの漫画凄いんです。最新巻に近づくにつれて尻上がりに面白くなっていく………!!!!!!

あらすじの通り交番勤務のコメディタッチなお仕事漫画です。でも警察官を取り扱ってる以上、事件はもちろんのこと、古い体質の組織内に蔓延る理不尽や、世間の当たりの強さなどダークなテーマもふんだんに取り扱ってます。

主人公もペアの藤も女性のため、フェミニズムもテーマの一つに据えているのか、女性は読んでいて特に刺さるシーンがあると思います。
(同時に性暴力や自死などの重い描写もあるので注意です)

でも基本はコメディなので手軽にサクッと次々読んでしまえるところがこの作品の魅力の一つです。

ドラマでは美人で仕事のできる藤を戸田恵梨香さんが演じられていて、アクションもあったりととにかく格好いい……!!!!マンガでもドラマでもお好きな方で是非見ていただきたいです。

さて肝心の女の感情の話ですが、敏腕刑事だった藤が交番勤務に半ば無理やりに戻ってくる動機が女、警察官を辞めたがっていた川合が思い止まって立派に勤めていく理由も女、と序盤から女女の間の感情がすごいんです………💕

警察学校で軍隊のように厳しい規律まみれの中で過ごし、卒業後は公務が何よりも優先でプライベートなんてほぼ無い環境で、見知った同僚や上官とばかり顔を合わせる日々。

二人一組が義務付けられている中で相手に特別な感情や思い入れを抱くのは当然のことなんですが、川合と藤の間には上官でも恋人でも家族でも友人でも無い、強い絆があるんです😭

ある時、公務でトラウマになる寸前の経験をした川合を、立ち直らせられるのが藤です。他の同僚も気にかけてさまざまな配慮をしてはいましたが、事件後に中々会えなかった藤の「私あんたに会いたくて限界なんだけど」に適うものなどありません。

そもそも川合がそんな公務をやり遂げたのは、藤がいるこの街を守りたいという気持ちがあったから。

そんな川合の気持ちを藤は知りませんが、公務で川合が無事に帰って来ないかもしれないと目の当たりにしたことで、旅先でペアリングオーダーするんです。

川合にとって自分が世界一大事な存在だと自負する藤は、そのリングが目に入ることで、川合が自分自身を大事にしてくれるはずだと、藤にしかできない方法で川合を守ろうとします。
(藤が川合に対して自尊心の化け物すぎて好き)
(そしてもちろんそれに喜ぶ川合も可愛い)

フェミニズムに精通した作家さんがこのドラマを絶賛してたから見始めたらとんでもない女の感情の洪水でした……。

刑事モノは捜査一課や公安が取り上げられることが多い印象で、交番勤務の人間関係に注力した話は個人的に新鮮でした。

女の感情以外にも、男男の感情や男女の感情描写も満載なので関係性厨には是非読んでいただきたいイチオシ作品です!!!!

しかもこの年末年始でドラマが無料公開してる!!TVerでサクッと見られるのでおねがいなので!是非!見て欲しいです!!!!!!!!!!リンク貼っておきました!!!!!!!!!!!!

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DMMブックス:

ドラマ(年末年始にかけてTVerで無料公開しているので是非)

ふーーーーーーー何とか年内に書き切れました!
女女の感情で生かされてるので、自分の欲望のままに感想を書いてみたいと思って幾星霜………。
百合にお熱になって何年経ったか分からないくらいですがようやく形にできて感無量です。
(その代わり勢いなので粗だらけ)

今年も最高の女の感情を摂取できて本当に良い年でした。
これで来年も頑張れます💪

ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました!皆様よいお年を〜〜〜🎍