見出し画像

【書評】シュガーマンのマーケティング30の法則(ジョセフ・シュガーマン)

シュガーマンのマーケティング30の法則(ジョセフ・シュガーマン)

マーケティングとは、の根本が分かりやすく書かれている。

マーケティングをする側の仕事をしている場合はもちろん、
マーケティングされる側の視点で読んでも、非常に面白い一冊かと思った。

私自身はマーケティングど真ん中の仕事をしているわけではないので後者。
(ただ、世の中ほぼ全ての人が何かしら「モノを買う」という行為をしているだろうから、そういう意味では全員が後者にあてはまるのか。)


学び① 一貫性の法則

これを読んで、予算以上のジムの勧誘にサインをしてしまった自分の心理を客観的に分析して、「ああ、なるほど!」と。

その時の自分は、ジムには入りたい。
1番安いプランでいいや、と思っていた。

しかし熱心な勧誘を受け、そして興味が湧き、
追加オプションとして「パーソナルトレーニング10回」 もその場で申し込んだのだ。


冷静に考えると、検討していた予算以上の額をジムに払っている。

こういったそれなりに大きな買い物を、その日に決めるのは自分にとっては非常に珍しいことで。

この本によると、「一貫性の原理」というものらしい。

私の場合だと、「よし、毎月5000円ほど出してジムに行こう!」と決めている。
なので、「お金を払ってジム会員になるのが確定している顧客」である。

そして、「追加でこのオプションもあるよ」と魅力的な説明を受け
「5000円にちょっと追加したら、パーソナルトレーニングか。悪くないかも」
と、 アッサリ契約をしたのだ。

※「一貫性の原理」:心理的トリガー1 アイスクリームの注文手順 の章より


学び② 「理屈による正当化」

また、「感覚的に買ったものを論理的な理由で正当化する」 という説明も、読み応えがあった。
たとえば、会社の備品として高級な印刷機を「かっこいい!欲しい」と買った社長が、「 ちゃんとしたものであれば、長持ちもするし、償却や税金控除を考えるとこれは良い買い物云々」というものだ。

なので、売り手側は、この」「正当化」をお手伝いできるように、広告を打つ。
「省エネですよ」「旧来品と比べて◯◯」といったような形だ。

うん。
こういった買い物にも、身に覚えがある。

※「理屈による正当化」:心理的トリガー12 悪魔は理屈に棲んでいる の章より


学び③ 「感覚」

そして「感覚的に買う」のが人間の性。
フォーカステストや消費者パネルディスカッションを行なっても、
「論理的に受けている」状態のため、売れるかどうかについての具体的な反応が期待できないのがその理由だそう。

たしかに、こういったテストでは
「この商品を買いたいか?」という質問に、
商品サンプルや商品説明の資料をベースに「回答する」だけで、
実際に彼らが財布からお金を出しているわけではない。

なるほど、フォーカステストの結果と、セールス結果が合致しないわけだ。


※「感覚」:心理的トリガー11 「ゴリラ・サバイバル作戦」で幸せ結婚生活 の章より


定期的に読み返して、常に頭に入れておきたい一冊。
謎の買い物や、行かないジム会員になったりしないために。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?