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映画『少女は卒業しない』


 幼馴染の妹が今日、卒業する。
 そんな彼女と同じ歳のころに、私はこの本に出会った。

廃校が決まり、校舎の取り壊しを目前に控えたとある地方高校、
“最後の卒業式”までの2日間。
別れの匂いに満ちた校舎で、
世界のすべてだった“恋”に
さよならを告げようとする4人の少女たち。
抗うことのできない別れを受け入れ、
それぞれが秘めた想いを形にする。
ある少女は進路の違いで離れ離れになる彼氏に。
ある少女は中学から片思いの同級生に。
ある少女は密かに想いを寄せる先生に。
しかし、卒業生代表の答辞を担当するまなみは、
どうしても伝えられない彼への“想い”を抱えていたー。
https://shoujo-sotsugyo.com

 本を手に取った当時は高校生活への憧れを募らせたが、今回この歳で映画を観ると、受け取るものも、その角度も違ったように感じた。

レタスとキャベツ

後藤と寺田。名字(呼び捨て)で呼び合うのが、なんか学生っぽくてキラキラしてた。(僕等がいた然り)
原作とはまた違う雰囲気の二人。
当然、高校を卒業して自分のやりたいこと、なりたいものに近づくべく選択を彼女たちはするわけで。でもそれは同時に、大好きな人と別れることであったりする。
私は受験期に恋人がいなかった(し、いたら多分色々キャパオーバーだった)ので、(映画における)彼女たちが、空気は悪くなりながらも卒業の時まで別れる決断を延ばして、その状態で受験を乗り越えたと思うと、尊敬する。
そこに残ること、残して出ていくこと。
その決断の先で、彼女たちが再び巡り合うことをどうしたって願ってしまう。

国旗のピック

「1分じゃなくて30秒!」
蓋からどうしても溢れてきてしまうゼリー。
国連加盟国、196ヶ国。
こんなの一生忘れられないじゃないか。
でも、私は彼女に答辞を読ませた先生方にイラついている。(読みたいですって立候補したなら別だけど)
彼女に読ませることによって、御涙頂戴的な、大人の刺激欲しさ的な、そういう類の嫌な決定に感じた。(確実に私が拗らせてるだけ。。。)
私自身、学生時代に色々、本当に色々あったけど、ちょっと悔しいぐらいに先生方がみんなと同じように接してくれてたなと、今になって思う。(なんなら当たり強かった)
彼女はきっと、国旗を見るたびに彼を思い出すし、アスパラを弁当に入れていたいだろうし、レンジの音はちょっと嫌いになるかもしれない。
それでも、一緒に過ごした彼の面影を、抱き締めて、ゆっくり歩いていってほしい。
(この二人の話で、aikoのアスパラを思い起こしました)

Danny Boy

自分だけのものにしておきたいって、究極の愛なのではないか。
snsも流行してて、カップルチャンネルやら恋人の投稿やらが多い今の時代(妬み入ってるやん)、周りの誰もしらない、自分だけが知っている彼の素敵なところ。
私にはそれをみんなに教えてあげる心の広さが備わってるだろうか。例えそれが、彼のためであっても。
いや。きっと教えずに、二人だけのものにしちゃうだろうな。
それでも彼の、彼自身の解放のために、みんなに教えてあげたんだから、「私は知ってたけどね?」の顔ずっとしててほしいな。
そして森崎よ、歌、良すぎんだろ。

魔法の文庫本

私服で先生に会うのってちょっと緊張するよなぁって思いながら、本屋で会うシーンを観てた。ああ、そういえば私も、好きな先生いたな。その授業受けるためになんか、好きでもない液体窒素の実験やったな。何してんだろうな。
もっと図書室行けばよかったなあ。(なんせ司書の方が癖すごかった)
授業始まるチャイム、図書室で聞いて全力で走ったことあったな。もうできないんだな、ってちょっと懐かし悲しい気持ちになってみたりもした。
この映画の、先生の「作田さん」って呼ぶ声、トーンから発音まで何もかも完璧すぎて、本当に切なくなった。
個人的には、地獄のアディショナルタイムを今年の流行語に推薦したい、、!!!(このアディショナルタイムに、元恋人と別れるきっかけになった女から写真を撮ろ〜♪と言われて変な笑顔で自撮りさせられたことがあります。)


 もう戻れない。キラキラだけでは決してなかった、けれど振り返ると輝きすぎている学生時代。桜の時(aiko)は、今も繰り返してしまってるけど。あの時よりは、自分のことを大切にできてると信じたい。。。
 戻れなくても、あの日々が自分の中に生きてて、それが私の言葉だったり仕草だったりに、反映されてると信じて、今日も上とまでは言わないけど、前を向いていきたい。

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