見出し画像

2021シーズン J.LEAGUE 主な大会方式/競技規則

はじめに

 Jリーグの開幕を告げるゼロックススーパーカップが終わり、いよいよ来週はリーグ戦が開幕します…!2/26(金)〜2/27(土)にかけ、Jリーグ公式Youtubeチャンネルでオンラインフェスを開催するようなので、盛り上げていきましょう!

 さて今季のJリーグですが、ゼロックスで早速「脳震盪による交代」があったように、若干の規則変更があります。開幕に向けてそわそわしているサポーターも多いでしょうが、試合中に混乱しないためにも、2021シーズンの大会方式/競技規則を押さえておきましょう。

新型コロナ関連規則

 2021シーズンの変更点を「新型コロナ関連」「大会方式」「競技規則」の3つの観点で計10ポイントにまとめました。では順に見ていきましょう。

スライド1

①新型コロナに関するエントリー条件
 まずは新型コロナ感染防止のために設けられたエントリー条件。試合に出場できるのは事前に陰性判定を得た、かつ試合当日37.5℃未満である選手に限られます。
 また濃厚接触者認定や来日直後などによって自宅待機が命じられている選手は出場できません。そのため今季も各クラブは、濃厚接触が生じないような練習体制が求められます。

②エントリーの下限人数
 
公式戦を開催するための最低エントリー人数は13人です。スタメン11人とベンチ2人ということですね。なお13人未満の場合は当該試合を延期とし、代替日での開催を検討することになります。

③みなし開催
 エントリー人数不足や荒天などにより公式戦が延期となった場合、代替日での開催を検討することになります。ただし、今季は公式戦が多い&五輪開催期間中は中断という理由から、代替日での開催が不可となる可能性があります。そのような状況になった時に備えて、「みなし開催」の制度を準備しています。
 ポイントは「一方のチームに責任がある場合、そのチームは0-3の敗戦扱い」となる点です。つまり、たとえば新型コロナの影響でエントリー人数を揃えられずに中止となり、かつ代替日での開催も不可だった場合には、揃えられなかったチームは0-3の敗戦ということになります。
 また、もし双方のチームでエントリー人数を揃えられず、代替日開催もできなかった場合は、双方のチームが0-3の敗戦扱いになります。そのため、全チームの勝敗数が揃わない可能性があることに注意です。

主な大会方式

スライド2

④試合数
 
J1リーグは20クラブが参加するため、全38節、全380試合が行われます。また例年通りカップ戦も並行して開催されるため、川崎FなどのACL参加クラブは年間試合数が60試合を超えます*。途中に五輪中断期間も挟むため、過密日程であることが予想されます。
(*下記画像は川崎Fのシーズンスケジュール)

スライド5

⑤昇格/降格
 
昨季は新型コロナ対策として「リーグ戦をやり切る」方針だったため、降格クラブ無しとしました。その代わりに今季は例年の倍の4クラブがJ2に降格することになります。
 昨シーズンは降格が無いため全試合が開催されずとも問題ありませんでしたが、今季はクラブごとの試合数の差が許容されません。そのため試合開催が不可になった場合に備えて「③みなし開催」制度が設けられており、形式上は全試合が開催されることとなります。

⑥VAR対象試合
 今季のレフェリングにはVARが導入されます。対象はJ1リーグ、ゼロックス、ルヴァンカップのプライムステージです。天皇杯では導入されないので注意しましょう。
 VARは特に観戦者が困惑するポイントだと思います。中継でも説明はありますが、まれに説明が怪しい時もあるので、事前に各自理解しておきましょう。攻劇さんのVAR解説動画は具体的でイメージを持ちやすいので、入り口として見てもらえれば。

⑦選手登録期間
 
選手登録期間ですが、昨年は新型コロナにより各国リーグ戦の終了時期がバラバラだったこともあり、年間で3期間ありました。しかし今季は例年通りの2期間に戻りました。
 気になったのは、東京オリンピック出場選手の移籍に影響がありそうなのことです。男子サッカー決勝が8/8開催で、第2登録期間の終了日が8/13なので、決勝まで残った場合にはオファーから決断までの期間が短く、移籍が難しいように思います。

主な競技規則

スライド3

⑧交代人数
 
交代人数は昨季同様、1試合につき5人以内となりました。今季も5人の交代枠を最大限に活用することが、各クラブに求められそうです。
 また、交代回数についても同様に3回までとなっており、3枚替えのような大胆な交代策は今年も見られそうです。

⑨脳震盪による交代
 
ゼロックススーパーカップで早速適用されたのが「脳震盪による交代」です。かねてより危惧されていた脳震盪への対応が規則化されたもので、チームドクターが脳震盪と判断した場合*には、残りの交代枠にかかわらず交代することができるという規則です。
*リーグが設けたチェック項目あり
 たとえばゼロックススーパーカップでは、既に5人の交代枠を使い切っていた川崎でしたが、脳震盪と判断された塚川に代えて車屋を投入しました。ちなみに、この場面では未出場だった車屋でしたが、既に退いていたシミッチが再出場することも規則上は可能です。おそらくは代えが効かないGK向けに準備された規則だとは思いますが、交代した選手も再出場の可能性があるため、完全に身体を休めることが難しくなるかもしれません。

⑩飲水タイム
 
最後が飲水タイム。今季も感染症対策でボトルが各選手に割り当てられており、試合中の給水が難しいことから、前後半1回ずつの飲水タイムが設けられます。
 ただし現時点では、この対応は7月までとなっており、8月以降については再競技が予定されています。飲水タイムに作戦会議ができ、サッカーが4Q制に近くなっています。このようにサッカーの競技性が変わってしまうことを危惧する立場から、恒常的な規則にはまだなっていないのだと思います。

おわりに

 大会方式や競技規則の変更には何らかの理由があります。ただ変更したのだと思わず、背景も含めて理解しておくと、納得度も高く、より深く楽しめるのではないでしょうか。
 今季も新型コロナに振り回されることがあると思いますが、その時に各クラブ/リーグがどのような対応をするのかをあらかじめ把握し、びっくりしすぎないように準備しておきましょう。

いつもありがとうございます。サポート頂いた資金は書籍代に充て、購入した書籍は書評で紹介させていただきます。