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南インド~Tamil・自然・土埃~

南インドはMaduraiに3日間、滞在する機会を得ました。
山・牛・そして北よりさらに肌の黒い人。ビルと車、そして人に溢れるMumbaiとはまた異なる趣で、、といった感じですかね。
路上にはお牛様が優雅に寝そべり、遠くを見渡せば山・山・山。
前回の拙著で「深夜特急のKolkataのイメージと違った」といったことを書きましたが、Maduraiはむしろ深夜特急のイメージそのままでした。

普段いる北とは、文字も違えば話す言葉も違うという、なんとも不思議な空間です。
一緒に行ったインド人スタッフ(北出身・マラーティ語)と、客先のインド人(南出身・タミル語)が英語という
第3の言語を介してコミュニケーションをする、という感覚は見ていて非常に、、面白い。
仙台と広島で言語系統も全く異なる別言語を話していて、岐阜あたりで会って英語で話す、みたいなものですもんね。
どうもこの感覚は日本人的には、想像がつきにくい気がします。実感が湧かない。

韓国と北朝鮮は普通に会話はできるし、ラオスとタイもある程度の意思疎通は可能。
といったことを考えれば、同じ国の中に言語系統の異なるforeign languageが多数共存している
このインドという国は、非常に稀有な存在かも知れません。
ただの方言レベルではなく、例えばHindiはヨーロッパ・インド語族、Tamilはドラヴィダ語族ですので、系譜から違うのです。
言うなれば日本の中で中国語と韓国語とモンゴル語と日本語が話されているようなもん。カオス。

対比として、中国では、普通話と広東語と上海語が通じあわなくても
最大言語である普通話を皆が話すことによって、相互にコミュニケーションができています。漢字もある。
ただ、それは逆に言えば広東語とか上海語の話者が普通話の習得を「強いられる」訳ですし、
それが少数言語の消滅、という話にもつながっていくのではと思います。
アイルランドのゲール語然り、台湾の少数民族の言語然り。
国を統べる者の立場からすれば、多数派の言語に合わせていくのが楽な訳ですから、
インドのように、それぞれを残した状態で、統一国家としての状態を維持し続けるのは中々に大変な作業だと思います。

それも、英語がなければ同じインド人どうしでもコミュニケーションが出来ないわけですから、
ある意味、イギリスによる統治が残していった功績?なのかもしれません
もし、第二次世界大戦で日本が勝っていれば、今頃インドとかインドネシアあたりは日本語を共通言語として話していたのかも知れないですよね。
歴史はわからんもんです。これは余談ですが。

ということで「何が、インドを統一国家たらしめているのか?」という事を、この記事を書きながら強く感じました。
多民族の集合体国家というのは、往々にして国体の維持に苦慮するものであります。
上記の中国であれば、共産党による指導を中心に、どちらかと言えば「漢民族・普通話=中国」という、全体主義的な政策。
アメリカであれば「星条旗」「America as no.1のプライド」といった所。言語は英語でお願いします。
お隣カナダは「アメリカとは違うんだ、という結束感」「アメリカに飲み込まれるという危機感」が国の連帯を高めている、といった話を聞いたことがあります。カナダはアメリカと違い、英語+自国のルーツの言葉を話してもいいですよ。
シンガポールも、マレーシアから半ば強制的に切り離されたことから、そういう「対マレーシア」という結束感を聞いたことがあります。

翻って、インドは?という所ですね。
これだけ人種も、言語も数多とあり、しかも領土も東に西に散らばっているこの国は、
何を錦の御旗にして「インド人」というアイデンティティを確立しているんでしょうか、と。
北のカシミールなんて、アフガン・パキ・タジキスタンに囲まれてるし、
東に行けば、マニプールはモンゴル系で人種が違う。ほぼ中国。

それが何かは、これから私自身が東西南北飛び回るなかで見つけていきたい、なんて思います。
割と冗談ぬきで、カレーかもしれませんね。或いは「俺たちが世界の中心なんだぞ」的なプライド(ナルシズム?)か。

話はかなり脱線しましたが、南インドは北と違ってすごく心洗われる?場所でした。
帰りの飛行機がちゃんと遅延するあたりも、やはりインドです。
また長くなりそうなんで割愛しますが、人の感じもまた違う。服装も違う
旅行が解禁されてきた今、どこに行こうかと考える一方、この国の中を周遊するだけでも
2年という歳月では物足りないかも知れないなあ、という気がしています。
非常に、奥深い国です。

こういう事を考えて書くのが楽しいんであって、
僕はやっぱり商売人より物書きの方が向いているのではないかと時々感じます。。
ものを売るのが仕事なんですけどね。がんばって稼がねば、、



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