退職2

息子の夏休みが終わる頃、夫婦で話し合い、私が仕事を辞めることにしました。

夫の両親には夫から、

私の両親には私から、「仕事を辞める」ことを伝えました。

義父や義母は、やっぱり、夏休みが大変だったらしく、「仕方ないね」と納得の反応でした。私の両親は、特に、母親は「辞めるなんて、もったいないよ~」とかなり、しぶっていました。私の働いていた医療機関は公立だったので、定年まで頑張って退職金をもらった方がいいと言う意見でした。

定年退職するとなると、後、ざっくり20年ぐらい…。


いやいや、無理!!!


今、今がしんどいんだよ~!

でも、心は決まっていたので、最後は納得してくれました。


で、辞めたいって。

いつ、言うんだろう?

息子の冬休みの年末でやめたかったので、まあ、11月に入ったくらいでいいかな…とぼんやり考えていました。夏休み後は、

「後、4ヶ月…後、4ヶ月…」

心で呟きながら、仕事をしつつ、部署の責任者にいつ、退職の意向を伝えようと様子を伺っていました。

そんな時、10月中旬、勤務移動の発表が急に出たのです。

11月から、2人減って、2人入ってくるんですが、やっぱり、新しい人が入って来ると、何だか部署内がバタつくんですよね。

慌てて責任者に退職の話をしました。

怖いと言われていた責任者に話をするのは、45歳ですが、とても緊張することでした。明日、言おうと決めた日は、緊張で上手く眠れなかった程です。夜、隣で寝る準備をしている当時、6歳の息子につい、聞いてしまいました。息子は、私が年末で仕事を辞めるつもりであることを知っていました。

「ママね、明日、仕事辞める話を責任者さんに言おうと思うんだ…大丈夫かな…」

私の問いかけに息子は言葉を選びつつ、

「…大丈夫だよ。きっと、頑張ったねって、言ってくれるよ…」

ちょっと、困ったような様子で返してくれました。私が暗い顔をしていたので、6歳ながらも言葉を選んで伝えようとする気持ちが嬉しかったです。

怒られるんじゃないかと不安でいっぱいだった私は、小さな息子に「大丈夫だよ」と言ってもらって勇気が出たと思います。

「ありがとう。ママ、頑張るから」

息子の頭を撫でてお礼を言いました。

何故か、息子に大丈夫と言われたから「私は、大丈夫」と思いました。


次の日、無事に責任者に退職の意向を伝えることができました。

結果的に、𠮟責されることもなく、子育て中の大変さを思い出した責任者も涙ぐみ話を聞いてくれました。なんだ、全然、怖い人じゃないじゃん。もっと、一緒に働きたかった人でした。

引き留めにもあいましたが、予定していた年末で退職することが出来ました。

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