【小説】猫の私が過ごした、十四回の四季に(第4話)
男の家には、一人の女と、子供の小さな女がいた。
私は、大人の女が男の妻であり、小さな女が二人の子であると分かった。小さなその娘からは、二人と同じ匂いがしていてどこか似通った雰囲気を感じた。
同じ呼び方になるのも面倒なので、私は男に紹介された言葉のまま、小さな彼女を『娘』と呼ぶことにした。
どうやら先に話でもしていたようで、男が私を抱えて帰って来るのを待っていたらしい。長い髪を後ろでまとめた女が、タオルを手に駆け寄って来てタオル越しに私を抱え持った。
温めてく