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#45 社外取締役、プロ顧問という生き方


社外取締役、プロ顧問は、誰にでもなれる訳ではない。
しかし、それほど難しい訳でもない。
もっとも長い時間やってきたことや、
もっともお金をつぎ込んだことには、価値がある。

「誰の経験でも、必ずどこかに必要としている人がいる。」
これも真理だ。

社外取締役、プロ顧問のご利益は、
「必要とされる喜び」「短時間労働高収入」と「継続報酬」だ。

wifiがあれば、世界中どこにいてもできる仕事だ。
いわゆる「時間と場所にとらわれないワークスタイル」だ。

私は、57歳で早期退職以降
社外取締役とプロ顧問を合計で「30社」経験した。
8年目に入った顧問契約企業も4社ある。
大した数字だと思う。
成功の秘訣は、
今までの社外取締役とプロ顧問の「当たり前を疑ってみる」ことだ。

お陰で、1年のうち2ヶ月は海外で過ごし、
アメリカ大陸、ヨーロッパ大陸、アジア大陸と30か所ほどに旅して
世界中に友人ができた。
私は、社外取締役、プロ顧問という働き方を知ったから
60代になって
「今が一番幸せだ」と感じられる毎日を、実現できたと感謝している。

さて、
ではどうしたらそんなワークスタイル、ライフスタイルが実現するのか?
牧さんは、経歴が凄いからできた特別の人だからとか、再現性がないですよねと短絡的に感じている人もいるかもしれません。
安心してください。私もこんな生活は無理だと思ってました。

私が6年間、私自身が人体実験をして、プロ顧問、社外取締役になって分かった事実、切り口を、
私の元部下(課長クラス)がやったらどうなるのか検証してみたので、
信ぴょう性のある内容です。
本来、取締役経験者が主だった社外取締役やプロ顧問という働き方が、きっちり実現できたので、その切り口を公開したいのです。
後半で実際のケースをご紹介します。

《私の経歴》
私は、35年間のサラリーマン経験のうち、8年間(2000年〜2008年Adecco社(世界最大の人材サービス企業)Japanの取締役を務めた。
43歳、大手では最年少の40人抜きの抜擢取締役として話題になった。
日本では、人材サービス企業といえばリクルートが有名だが、グローバルでは、Adeccoは圧倒的な強さを見せていた。M&Aで大きくなったスイス本社(ユダヤ系)の会社だ。
参考まで当時の事業規模は、グローバルで 3兆円、Japanで2000億円、利益110億円。(ドラッカーの著書「ネクストソサエイティー」の中でも世界最大の雇用主と紹介されていた)
この外資系企業で揉まれたからこそ、57歳早期退職後も社外取締役、プロ顧問として楽しく生きることができている。
*ポイント
みなさん誰でもそれぞれの価値観で多くの体験をしている。
その体験には市場価値があると信じること。
ここで大切なことは、自分の人生の棚卸しをして、自分の強みを徹底的に洗い出してみることだ。

まず、
《社外取締役とプロ顧問の全体像》
を捉えておこう。
辞書によれば、
社外取締役とは、社内からではなく、会社とは利害関係のない、外部から選任された取締役。会社の事業活動には関与せず客観的な立場で経営を監視・監督し、専門的見地から助言を行う。
多くの場合、親会社、銀行、株主、学識者などから派遣されたり、あるいは企業が自分で招いたりする。
これが一般的な「THE社外取締役」「THE顧問」だ。

《具体的なイメージをするために》
2014年アデコ社を57歳で早期退職以降の私の体験をご紹介しよう。
社外取締役とプロ顧問を合計で「29社」経験した。
退職以来、今もなお7年目に入った顧問契約企業も4社ある。
これは、いわゆる前述した「THE社外取締役」や「THE顧問」より
「ややカジュアルな世界」だ。
このカジュアルな世界が一般的にはあまり知られていない。

一言で言えばこの3つの種類がある。
①「大企業での経験を中小企業に分かりやすく伝えるプロ顧問」
②「中小企業での経験を中小企業にわかりやすく伝える俯瞰型プロ顧問」
③「個人事業主での経験を専門特化型にしたプロ顧問」がある。

《社外取締役、プロ顧問の中には、3つのタイプがある》
役割として
①コンサル型
②ティーチャー型
③メンター型
とそれらの複合型だ。
成果をGOALとするプロジェクトコンサル型と
総合的に支援するティーチャー、メンター型と分けても良い。
退職以来メンター型顧問企業では、契約更新7年目に入った企業がある一方、GOALの決まったプロジェクト型では、6ヶ月で完結する企業もある。こういうケースは、若干寂しい心情にもなるが、目的を達成した結果終了の場合もあれば、お役に立てなかった結果終了と評価がはっきり分かれる。
プロの世界だ。

《ご縁のルート》
①「業界人脈ルート」
②「元部下ルート」
③「エージェントルート」がある。

更に
《契約企業にも3つのタイプがある》
大手子会社の雇われ社長とオーナー社長とは求められるものが異なる。
又、同族企業には同族企業の注意点も当然ある。
大手子会社の雇われ社長は、基本的に親会社を見ている。
親会社が評価者だから仕方ない。我慢8割で頑張ってきた功労者だからそこを理解することも重要なポイントだ。言うに言えない苦しみをしっかり受け止めてメンター役に徹する。時には父のように、時には母のように、時には友人のように。社長が最も良い精神状態で自己効力感を高めていられるようにサポートすることが重要だ。

オーナー会社は、独りよがりになりがちだからこそ、厳しいことを言って欲しいというウォンツは強いが、言えば気分を害することも時としてある。
そこが難しくもあり面白くもある。できるだけ同業他社の状況を伝えたり
異業種の成功事例・失敗事例をお伝えすることが大事だ。

同族会社は、後継者の覚悟を確認することが大事だ。どうしても親族を見ているために従業員には理解できない言動も散見される。
そこはコントロールできない。
コントロールできないものは、コントロールしないのが原則だ。
良いとか悪いとかではなく、それぞれの風土、体質を理解した上で最良のアイデアを出して行くのが、社外取締役やプロ顧問の役割だ。

《ポイント3つある》
ベタだが、
鳥の目・虫の目・魚の目だ。
起きている現象に対して
高所から俯瞰してみる力(鳥の目)
目の前のことを細かくみる力(虫の目)
世の中の潮流を察知する力(魚の目)

《解決策も3つある》
課題に対しての解決策を松竹梅と提示する
病気に例えるなら
松は、外科手術(副作用を伴うアグレッシブにチェンジ)
竹は、内科の西洋医学(薬でコンサバティブにチェンジ)
梅は、漢方の東洋医学(自然体で長期間でシフト)
選択するのは社長だ。

《社外取締役・プロ顧問のなり方》
さて、
ではどうしたらそんなライフスタイルが実現するのか?
全ての人に当てはまる訳ではないが、参考例をご紹介しよう。
これは、私の元部下Aさんの例だ。

Aさん(30代後半)は、アデコ(人材派遣会社)時代に私の部下でスタッフ募集採用登録担当だった。いわば採用現場のプロだ。退職後も大手メーカーの人事課長として頑張っていたが、複合的な事情で退職しようか悩んでおり相談を受けていた。
一方、当時の私は8社を掛け持つプロ顧問として忙しくしていた。
私は、毎週いただける顧問紹介エージェントからのオファーの中で、
採用案件には自信がなくお断りする状況だった。
顧問紹介エージェントは基本的に取締役経験者か大手企業の部長職以上の経験者となっている場合が多い。
しかし、採用に関しては、今の採用現場の状況を分かっている人材を一番必要としていることは容易に分かっていた。
そこで、エージェントにまだ若いけども採用のプロがいるので、私に来ている採用案件をこの娘に回してもらえないかと相談してみた。
成果を出せるならとOKが出た。
結果、今では、私の2倍の年収を稼げるまでになった。もちろん本人の努力が、なみなみならぬものだったことは強調しておく。

このケースからバリエーションを考えると、プロ顧問業のハードルは下がるし、あらゆる可能性があるように感じる。
例えば、Webマーケティングの専門家などは、引く手数多だと思う。
人格的に其れなりであれば、社外取締役も視野に入ってくる。
女子で専門性があれば、さらに確率は上がる。

<ポイント>

①「小さく」絞る

②「右肩下がり」の賞味期限

③「複数」掛け持ち
=持続可能


読者の皆さんで、社外取締役・プロ顧問に興味を持たれた方がいらしゃれば、このnote記事にすきボタンを押してもらえると嬉しい。

今後、続編も書きたいと思う。
<テーマ>
サラリーマンのプロからプロ顧問へ
確率が上がる3の法則

<なぜ私が書かなくてはいけないのか?>

我慢8割で
35年のサラリーマン生活を
退職勧奨で強制終了させられた
二流の私が、
なぜ「6年間」で「29社」と「顧問契約」できたから。

<考え方>
終身雇用の新卒くんと
月二回のアドバイスするあなたと
どっちが企業に利益をもたらしますか?
自分だと感じた方は、プロ顧問の可能性があります。

企業の現状とGoalを明確にし、経営者の実行力感をいかに高めるか? 
それが最大にポイント。

<ご利益>

①時間と場所にとらわれない働き方

②複数の収入源を持つ働き方
③報酬を上げ過ぎないゆとり
=持続可能

(①お金<②時間<③面白い
=持続可能

<使える法則>

①ランチェスター理論が使える
②パレートの法則が使える
③ドラッカー経営学が使える


<3つの顧客>

①エージェントの営業を喜ばす
②エージェントの営業を育てる
③エージェントの営業に感謝する

①クライアントの社長を喜ばす
②クライアント社長を育てる
③クライアント社長に感謝する

①クライアントの幹部を喜ばす
②クライアントの幹部を育てる
③クライアントの幹部に感謝する


<契約のルート>

①退職した後輩や友人からの紹介(人間的つながり)
②外郭団体の仲間からの紹介(業界つながり)
③顧問エージェントからの紹介(営業代行)

<契約の姿勢>

①プレゼンの姿勢(踏ん反り返る人は100%ダメ)
②コミュニケーション能力
③利他の心

<年代別アプローチ>

①40代:知見棚卸し✖️マーケティング
②50代:専門知識✖️メンターコーチング
③60代:俯瞰力

<日本三大エージェント>

①サーキュレーション(独立系)
②顧問名鑑(レイスグループ)
③i-common(パーソルグループ)

ある程度の経験と専門性、コミュニケーション能力があるなら
プロ顧問は今後まだまだ需要はあると思う。

一昨年、米国では、企業団体に所属している人の数よりフリーランスが上回った。日本では、厚労省が正規社員と非正規社員と区別している。
時代は、ある立ち位置から見れば、正規奴隷と非正規奴隷だ。

社員とフリーランスの間にプロ顧問という働き方がある。
私は、経験者として、未来の選択肢に入れて損はないとお勧めしたい。




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