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DAY15 「商品サイクル」と「人生サイクル」

 私が仕事人として最も影響をうけた人物の一人が、故山田道朗氏である。
大学卒業後、入社したアパレル会社(SPA)の新入社員研修で、彼から教わったことを、今でも鮮明に覚えている。

それは、
(1)常に「人と違うこと」をやれ。人が右と言ったら左へ行け 
(2)金融投資もよいが、最もローリスク・ハイリターンな投資は   「自己投資」である
(3)商品に「商品サイクル」があるように、人生にも「人生サイクル」があることを心得よ
(4)「仕事から学ぶ」が、最も効率的かつ効果的だ。なぜなら1日のうち起きている時間はほとんど仕事をしているからだ。これらは私にとっての金科玉条となっている。

「サラリーマンの解放」を考えた時、年齢には関係なく、人生は自分がどのポジションで何をするのか?
「利益から共感へ」「所有から経験へ」「成長から持続へ」の

こんなビックトレンドをどう捉えるか?が大事だ。

 さて今回は、山田氏の言葉の中にも出てきた「投資」について。
私が紹介するのはローリスク・ハイリターン、元手要らずで、誰でも簡単に始められる、しかもいぶかしくない夢のような投資、「信頼投資」である。

言葉どおり、投資するのは金銭ではなく「信頼」。
その方法は、
(1)人生の価値基盤をお金→信頼にシフトする
(2)相手を思いやり、誠心誠意接する
(3)損得勘定をしない。見返りを求めず、与える
(4)喜びを分かち合う。
以上である。
これらを日々心がけ、行動(=投資)していると、人間関係のみならずビジネスにもとても良い循環が生まれてくる。

 例えば、一昨年、中部経済新聞に書いたこのコラムも信頼投資の賜物だと思っている。
私が日本人材派遣協会中部協議会会長をしていたある日、ひとりの新聞記者が派遣業界について勉強したいと申し出てきた。育児休暇明け、業界初の時短勤務女性記者である。
今から10年前、折しもリーマンショック直後で「派遣切り」が問題となり、派遣業界はひどいバッシングの渦中にいた。
私は彼女に守秘義務ギリギリの情報を惜しみなく提供した。なぜなら彼女に、業界一派遣に精通した記者になってもらおう、そう考えたからだ。その後、彼女は見事に成長を遂げた。そして久しぶりに経済4団体の賀詞交換会で再会した。その会場で、その記者からのオファーが今回のコラムなのである。

 その他、寿退社・出産・育児を経て再就職を考えた際に、私を思い出してて、15年ぶりに連絡をくれた元部下。覚えていてくれただけでも感激だ。社会復帰の真剣な転職の相談、彼女の幸せを思い細かなアドバイス。

あたふたとした日々を過ごしたその部下が、数年後、私に会いたくて、それは立派に経営者となった姿を見せに来てくれた時など、涙ものである。信頼は循環するのである。

このコラムは、私の価値観からの読者の方々への「投げ込み」にすぎない。
一つでも共感いただけることや気づきがあり、皆さんの第二の人生がより素晴らしいものになったら幸いである。

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