見出し画像

1日3分で会計が少しわかるまとめ 14

今日は前回の答えからみていく。前回最後に投げた問は、楽天の流動比率はなぜ1.07と低いのかについてであった。

それは、子会社が営んでいる業務の特殊性にある。楽天には楽天銀行や楽天証券など金融業を営む子会社があり、楽天の連結財務諸表にはこれらの会社の業務も全て反映されている。銀行業は顧客から大量の預金を受け入れることによって成立する業務であるから銀行業を営む企業の流動比率は通常の企業に比べて著しく低い数値を示す。楽天の貸借対照表から銀行業に関するものと明示されているものを除くと、流動比率は1.35に上昇し、証券業に関するものと明示されているものも除くと、1.49に上昇する。


ここまでで流動性については終えて、次に、支払能力についてみていく。支払能力とは、長期債務の元利金を支払い続ける能力のことである。

支払能力を調べるにあたっては二つの指標が参考になる。一つはレバレッジレシオと呼ばれるものであり、もう一つはインスタントカバレッジレシオと呼ばれるものである。前者は対象会社の負債額と貸借対照表上の他の数値の比率に注目するものであり、後者は年間の支払利息額とその支払いに用い得る収益額を比較するものである。

次回はこれらの比率分析についてみていく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?