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1日3分で会計が少しわかるまとめ 5

こんにちは。

今回は複式簿記の基礎を簡単にみていく。

前回までで学んだ財務諸表は伝統的な会計慣行に従って記録された取引及び出来事の集積を反映したものである。取引及び出来事は、まず「仕訳帳」又は「T勘定」に記録され、勘定の残高は会計期間の終期に財務諸表のしかるべき個所に転記される(これが「決算」である)。例えば、企業がある備品を購入し又は製品を売却したときにはこれを一つの取引ととらえてT勘定へ記録し、その結果は最終的にその企業の財務諸表に反映される。

一方で、消費者のし好の変化や原材料の価格の上昇にような事象は、たとえそれが企業の財務状態に対して重要な影響を与えるものであっても、T勘定に記録されるべき「取引」や「出来事」とはなり得ない。この点は財務諸表が企業の財務状態を完全には示しえない理由の一つになっている。第2回のまとめにおいて、資産とは、過去の「取引」又は「出来事」の結果としてある企業が所有又は支配している経営資源であって、将来の経済的便益をもたらす可能性が高いものをいうと定義した。「取引」又は「出来事」という文言を定義に取り込んだのはまさしく、T勘定等の記録を財務諸表に反映する、という会計の流れを反映したものだったためである。

少々話がそれた。定義の整合性の問題なので厳密に理解していただかなくても全く問題ない。

複式簿記は、企業の財務状態に影響を与える取引及び出来事を記録するために通常用いる技法であり、T字の図形が良く用いられる。例えば以下の図のようなものである。


各種の資産又は負債には、その種類の資産又は負債の貨幣価値の増減を記録するための固有のT勘定がある。すなわち、上図は資産T勘定のうちの現金の増減を記録するためのT勘定、ということである。

なお、資産T勘定の場合には左側への記入は価値の増加を意味し、右側への記入は減少を意味する。


今日はここまで。次回はT勘定の具体的な記入方法をみていく。


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