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1日3分で会計が少しわかるまとめ 18
本日は長く書いてきた会計が少しわかるまとめもついに最終回。収益性を示す財務諸表上の指標と日々変動する株式の市場価値の間の比率分析についてみていく。
既述のように、財務諸表に掲載された資産や負債の評価額とその市場価値が一致する保障はどこにもない。したがって、1株当たりの簿価もまた、その株式の真の価値を表しているとは限らない。
この問題は財務諸表の特質の由来するものであるから、評価手法を根本的に変えない限り完全には克服できない。しかし、財務諸表分析に若干の修正を加えるだけでも一株当たりの簿価より実用性の高い指標を作り出すことはできる。
例えば、損益計算書上の純利益を発行済株式数で割った「1株当たりの純利益」または「EPS」である。楽天の場合、EPSは15円となる。EPSは株式の市場価格の評価にも用いることができる。例えば、楽天の株式を取得するためにいくら払ってもよいかを考える際には、毎年15円の利益を受け取るためにはいくら支払う用意があるかを自身に問いただせばよい。
EPSと株式の市場価格を比較する財務比較も有用である。ただし、この比率を求めるためには市場価格を参照する必要があるので、対象となる株式は公開市場で取引されているか、あるいは、参照できる取引価格が容易に入手可能なものでなくてはならない。この比率は「株価収益倍率」と呼ばれ、その逆数は「PEレシオ」と呼ばれる。PEレシオは、期待成長率への依存度が大きい数字であり、一般にPEレシオが高い企業は期待成長率も高いと考えてよいであろう。
それでは、このまとめはここまで。
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