【美術】ポップアートとアンディウォーホル
6日目はポップアートとアンディウォーホルについて。
アメリカは第二次大戦で国土が戦場とならなかったため、経済活動が戦後すぐに活性化され、1950年代後半には大衆的な消費社会が確立されました。その中で、大衆消費社会を象徴する、雑誌、広告、商品、テレビ、コミック、映画などをテーマや素材とした作品が作られたのです。
アンディウォーホルは、ポップアートを代表する言わずと知れた偉大なアーティストです。マリリンモンローなど当時のアメリカのスターの写真をシルクスクリーンで印刷した作品が有名です。ウォーホルは、作品を様々な色で刷り、大量生産しました。「シルクスクリーンで大量に刷られた作品が、果たして芸術と言えるのか」という批判も集まりました。
ウォーホルは戦後の大量生産・大量消費の社会を風刺した、という意義に限定して評価されがちです。しかし、この評価はウォーホルの成した事のごく一部に過ぎないと思います。
ルネサンス以降の近代美術は人・モノ・自然の美しさを描きました。シュルレアリスムによって、近代美術は内面・無意識を描くことまでたどり着き、西洋美術は遂に究極の芸術に達したとも思われました。
しかし、ウォーホルはその状態を打ち破るのです。彼は、スターやキャンベル缶を用いて、ポピュラリティーという社会現象を描いたのです。
このモチーフの転回にこそ、ウォーホルの真の業績があるのではないかと考えます。
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