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1日3分で会計が少しわかるまとめ 15

前回の続きとして今回は、支払能力の指標についてみていく。

(1)レバレッジレシオ

負債額を分子とし、純資産又は総資産を分母とする。すなわち、負債を多くしすぎると企業の支払能力は低下する、ということであり、素直に納得できるだろう。ただし、レバレッジレシオの評価基準は業種によって大きく異なる。金融業の場合はレバレッジレシオが90%以上であることが通常であるが、製造業のそれは通常これよりもかなり低い。

楽天をみてみよう。連結負債額は1845957(百万円)で、総資産額は2108409(百万円)である。すなわちレバレッジレシオは約88%であり、これは100円の資産について88円を負債で、12円を株主資本絵調達していることになる。

これも前回同様、子会社の銀行証券業の影響かと思われるだろう。もちろんこれらの子会社も影響しているが、試みに銀行証券業と明示されている資産および負債を差し引いて計算してもレバレッジレシオは70%程度である。

これは楽天の事業再編による拡大の歴史と関連するのと思われるのだが、詳しくは立ち入らない。このように、特定の財務比率が対象企業にとって相応しい値と考えられる範囲を外れたときに、対象企業の特質を考えるステップが重要なのである。

(2)インスタントカバレッジレシオ

支払利息額を分母、利息及び税金支払い前の利益を分子とする。数値が大きければ大きいほど会社の支払能力は高い。例えばインスタントカバレッジレシオが10倍の会社の場合、営業利益が90%減少したとしても、なお利息の支払いを継続できる、ということになる。

なお、楽天を見てみると、実に48倍である。


今回はここまで

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