きぼうまる

1ヶ月ほど前から家にサボテンが居る。
生き物を育てるというのは、あまりしたことがない。
植物は生きてる実感を得にくいと思う。
特に、サボテンのように変化のないものは尚更。

最近、存在意義を失っている。
自分が生きていないと、死んでしまう生命体
の横で生きられれば、存在意義を失うこともないのだろうなと痛感する。
自分など、別にいなくても地球は回るし周りに明日は来る。そしてなんやかんやそれを乗り越えてみんな生きる。
自分が死んだら死んでしまう生命体が無いと思うと
それはなんだか、今すぐ死んでしまっても別にいいか。と思ってしまう。

じゃあペットでも飼えば良いのか。
自分が餌をあげないと死ぬ生き物を飼うのはどうか。
できれば、犬や猫などわかりやすい動物がいいなとも思う。
でもそんな理由で飼われたペットに、どんな顔で接したらいいかわからないな。自分の存在意義の確立のために飼われた動物はどんな気持ちなんだろう。

そうしてふとサボテンを見る。
この子の名前はきぼうまる。
頭の中で、きぼうまる　と音を追う。
それだけでなんだか、涙が出てくる。
希望丸、きぼうまる、、、

涙が出そうになるのはなんでだろうな。
でもきぼうまるっていう言葉に
なんだか救われた。

価値を見出せない自分に希望を与えてくれる子
きぼうまる

少しだけ心が緩んだ。