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②ドミニカ共和国旅行記(コーヒー農園探索)

訪問したコーヒー農園は
FCHP(Federacion Campesinos Hacia el Progreso) BLANCO Bonao
という名前の農協組合が管理している農園です。

画像1向かって左から2番目が農園主の "エステバン ポランコ"さん


FCHPというのは会社名?組合名(スペイン語なのでいまいちよく分かりません)で、BLANCOは河川の名前で、Bonaoは地区の名前です。

FCHP地図①ドミニカ共和国がここ
FCHP地図②そして農園はここ。首都のサントドミンゴから車で2時間ほど

FCHPは、この Rio BLANCO(以下ブランコ川)という川を守る為に存在している組合だそうです。

ブランコ川は流水量だけ見るとドミニカ共和国で1番目に多く、人々の生活に欠かせない川となっています。

画像1山奥にある農協組合
画像1可愛いヤギもいた

ドミニカ共和国の13%もの水は全てこのブランコ川を利用されており、その他にもドミニカ共和国で有名なクジラの為にも必要な水(海に流れるので)です。

画像1コーヒー生豆から生える。これはまだ芽が出たばかり。

コーヒーを作るにも水は大量に必要とされます。果肉が付いたコーヒーチェリーを剥いてネバネバ層のミューシレージを洗い流す際に大量に必要になります。

FCHPの組合はブランコ川周辺を4つのエリアに分けられ、それぞれ15個のコミュニティの代表者が代表組合員として集まっています。

画像11ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月など生育順に並べられている
6ヶ月を超えると別の場所に植えられる
画像1ちゃんとした鑑賞ツアーだと馬に乗って案内されるそう...それも良いな

FCHPはコーヒー農園だけじゃなくカカオやバナナなどの農作物も生産しており、そういった森からの恵みだけで生活していることに誇りを持っています。


画像2収穫したコーヒーチェリーを脱殻し、洗い流す場所

画像1洗い流した後のコーヒー生豆はここで乾燥させる
40分に一度、均等に乾かすために攪拌する必要がある

そして、15個のコミュニティにおける①公共サービス(電気、水、教育など)、②経済安定、③健康の維持、④自然保護という4つの柱をもとに活動されています。

特に教育という面において、FCHPがある場所は首都から車で2時間かけて行く山奥にあるため、子どもたちの教育はFCHPが責任をもっています。

基礎的な教育だけじゃなく、椅子や机の作り方、農作物の作り方、道路の整備など、生活のために必要なことも教わります。

画像1この場所で教育を行うことが多いそう

経済安定の為にエコツーリズム(観光ツアー)も始めており、海外からの旅行客や自国の大学生の論文研究など、様々な人達がツアーに参加しています。NGOによるワークショップなども開催されていて、FCHPを中心に環境問題についても訴えをしています。

コーヒー農園はFCHPに所属している農園が何個かあり、それらをまとめて加工して販売しています。コーヒーノキが枯れる病気や気候変動の影響により一時期は収穫量が激変しましたが、品種改良等を重ねたことで現在は少しずつ収穫量も増えてきているとのこと。

画像1コーヒーノキのある場所は歩いてひたすら山奥を進む
年間60%は雨が降る為、ぬかるみを歩く
この降水量が美味しいコーヒー豆になる環境なんだと

現在はカナダに多く輸出しており、日本にはまだ一度も輸出した事がない貴重なコーヒー豆です。

画像1コーヒーチェリーが生っている
(鑑賞ツアー用の木なので収穫せずに残してあるとのこと)

FCHPのある場所では1996年まで電気すら満足になかった田舎の山奥で、活動の頑張りにより国が動いてくれて今は95%の場所で電気が使えます。

国を頼りすぎると自然破壊が進んでしまうということを危惧しており、国の援助は基本的に受けないポリシーがFCHPにはあります。

むしろ、国のためにもFCHPは必要な存在であること、世界的に見てもここまで管理できていてエコツーリズムもやっている場所は珍しいこと……そういった取り組みを通して、自然の大切さを世界中の人々に伝えたい。

画像1乾燥後の生豆は一粒ずつ欠点豆(虫食いや欠けた豆など)を取り除く
コーヒーチェリーの収穫も人の手で一粒一粒赤い実だけを収穫するので、
コーヒーが日本に来るまでにとても凄い労力がかかっている

「私達は私達の活動を誇りに思っている」

そう言って、組合主の話は終わりました。

正直に、圧倒されました。
いま日本にいる僕達は、考え無しに自然を壊す活動をしています。プラスチックも大量に使って、ゴミは燃やして、山は切り開き海にゴミが流れ…

でもそんなこと、前々から良くないと言われていました。でもそれを自分事として受け止めることが出来ていなかったんです。

FCHPで暮らす人々は最近まで電気すらなかった。でも自然のことを一番に考え、活動しています。自然を守ることが自分たちの人生の為だから…

考えさせられますね。

画像1

コーヒー生豆は1㎏600円で販売されます。
日本ではそれを焙煎して200g1200円程度で販売されます。
輸入関税や輸送費がかかっているとはいえ、、、
労働量と価格が本当に見合っているのでしょうか。

日本に来て、少量購入したコーヒー豆を焙煎しましたが本当に美味しいコーヒーで、一粒ずつ丁寧に育て、収穫され、美味しくなるように研究されたコーヒー豆は想いが詰まっています。


美味しいコーヒーを作る農園をちゃんと評価して見合った値段で売買すること。この当たり前が出来るように、what’s!? coffeeは今後FCHPと直接取引でコーヒー豆を卸していきます。

中間マージンをできる限り無くして、日本で一杯コーヒーを飲むだけでコーヒー農家が救われる。そんな道筋が出来るように。

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