透明日記「ちゃんと食べようと思った」　2024/07/03

ひとつの蕾から複数の蓮の花が生まれる。これを妙蓮と言う。

下苅り半次郎。御陰核が二つあるように見える妙蓮のような子宮を探す漫画。生まれ変わっても将軍になりたいと言う徳川家綱の命により、忍者が女の陰毛を剃って回る下苅り屋に身をやつし、旅に出る。

朝、アホな設定の渋い漫画を読んでいると、ゴミ屋の時間が来ていた。急いでゴミを集める。

大きなゴミ箱を開けると、生ゴミの腐臭がもわっと湧き立つ。腐臭はとくとく流れて、消え入ることなく辺りに広がり、家の空気を腐らせる。くわーっと鼻を殺しながら、ゴミを集めた。

ベランダ。家に来る雀があまり逃げなくなった。よく目が合う。雀に認められて、少しうれしい。

手すりの上で日を受けて、口を開いて暑そうに、エサを待つ。口を開けたまま、小声でヒーと鳴く。足で頭を掻いたり、くちばしで羽をつついたりして、じっと見ていているとあらぬ方を向いて、待っている。エサをやると、カツカツと音を立てて食う。

今日は暑い。暑い日は暑い。でも、寒いよりかはいい。暑い方が、ちゃんとしてなくてもいいような気がするから楽だ。

夕方に散歩すると、知らない鳥がいた。知らない飛び方で、知らない声を出す。知ってるような色をしているが、知らない鳥だ。飛ぶのが下手くそだった。ボールがバウンドするように、こんもりした弧を描いて飛んでいた。

今週は散漫に過ごしていたけど、今日は頭の調子がまあまあいい。ちゃんと食べるようにしたからだ。

食べることは大事だ。忘れたくない。食べることは大事だ。みんなが忘れても、ぼくだけは忘れない。食べることは大事だ。この世に人類がいなくなっても、地球が粉々になっても、太陽が爆発しても、食べることは大事だ。

ここ数日あまり食べていなかった。食べ忘れていた。なんか疲れていたのかもしれない。食べ忘れると、ますます疲れる。それで、思い出した。

先日、友達に食べることを勧められた。あまり食べないからか、頭が回らない日があるのだという話をしていた。食べなよと言われた。そういう方法があるのかと思った。ただ、頭では分かっていても、今週は食べることを忘れていた。

昨日から、友達の言葉を思い出し、食べることを意識して過ごした。食べたら、頭が元気になっている。いいことを教えてくれて、友達には感謝しかない。

また明日も、食べてみようと思う。