吹く風を楽しめるのは、初夏から。
風が吹く。新緑がそよぐ。木々の葉がゆれるところを見つめていると、風のかたちだけでなく時間までもがつかめるような気がしてくる。
こんにちは、こんばんは。栗田真希です。
もう、世界は初夏。窓の外には青やぐ木々。エネルギーにあふれたグリーンは、どこか光って見えるほど。休憩してぼんやり眺めていると、吹く風がとてもうれしいと感じている自分がいた。
風よ、このまま吹き続けてほしい。
そんなふうに思うのは、今年に入ってはじめてだということに気づく。
1月2月の冬の風は、冷たい。心の根っこまで凍えそうになる。マフラーに顔をうずめながら、風が来なければいいと、邪魔者扱いしていた。
3月から4月の中頃までは、数種類の桜なんかが咲くものだから、まだ風に散らされないでほしいと願う。すこしでも長く、咲き続けてもらいたいのだ。
そんな季節を越えて、いま。
やっと、風を待ちわびる自分がいる。風を受けて、きらきらと葉は角度を変えて輝く。こんなにも生命とはうつくしいのだと誇るような植物たちの姿を、さらに風がきらめかせる。
風が恋しい季節。これから暑さが増すごとに、もっと汗を乾かすほど吹いてほしいと願うようになるんだろう。秋までは、また今年も風を愛でさせてほしい。
30minutes note No.998
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