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整骨院へ行く、飛べないペンギン

油断してると、まだ寒い日が襲ってきて、からだが縮こまる。そんな3月半ば。
わたしは整骨院に通っている。猫背で運動不足な上に、どうしようもなく常にデスクワークなので、からだが硬くなってしまう。ちゃんとからだのケアをしないとなあ、と思って、こまめに行くのだけど。

どのお兄さんに当たるかで、天国と地獄くらい差がでる。

先に言っておくと、わたしの通っている整骨院はほんとうにいいところだ。夜遅くまで対応してくれるし、休日もやってる。ありがたい……。お兄さんたちの技術も確かだ。信頼できる。

だけど天国と地獄。
3人のお兄さん、誰に当たるか……いつもほんの少しだけ恐怖がある。

まず1人目、やさしいお兄さん。このひとが当たると安心する。「くりこさん、この肩は大変ですね」って責めずに言ってくれるし、痛そうなそぶりを見せると「大丈夫ですか?」って聞いてくれるし、土日には整骨院→ファミレス(書いたりしてる)、という流れができてるわたしに「ファミレスのごはんっておいしいですよね」って平和。平和……。

2人目はゲーマーのお兄さん。穏やかな口調ながら圧を感じる。「こんなにからだが硬くなるまでなにしたんですか?」って言いながらちょこちょこ痛くしてくる。ただいろいろ読んだり書いたりしてただけだよ!
「ちゃんとからだ動かしましょうね」って聞き分けのない生徒を静かに叱る先生のように接してくる。かと思ったらおちゃめなのか、「今日もファミレスですか?じゃあお昼休みにゲームやりがてら、くりこさんのこと見にいきますね」っていじってくるんだけど、必死の形相でPCに向かっているだけなのでやめてほしい。ゲームだけしててくれ。

そして3人目。鬼のお兄さん。ニコニコしながら発言が怖い。
「痛いですか?でもこれはくりこさんがちゃんと来ないからですよ」
「僕は全然力入れてないですから。くりこさんのからだが硬いのがいけないんですよ」
「終わったらからだは軽くなってるでしょう?ぼくはあなたの健康のためにやってるんですよ」
「まあ、からだをすぐ柔らかくしたい、健康になりたいんだったら、仕事をやめることですね。そうすると、だいたいうちに来るお客さんはみんな健康になれます」
「どうです?年下の僕に痛くされる気分は」
「あはは、くりこさん手の動きが飛べないペンギンみたい笑」

痛いから手が動くんだよ!
あと、ペンギンは飛べないからねええええええ?????

あまりにビビりすぎて、受付で会うときにも身構えてしまう。やさしくされてももはや怖い。
「あ、最近は僕担当してないですけど、ちゃんと来てますね。えらいじゃないですか」
そんなこと言われてもなんか怖い。

この間、いちばん驚いたのは、おばあちゃんを担当している鬼の声が聞こえて来たとき。
「はい、おばあちゃん大丈夫ですよ。今日でだいぶ良くなりましたね。ちゃんと治るように、僕たちも精一杯お手伝いしますからね。またお待ちしてます」
ふつうに、いいひとじゃないか……!どういうことだ!!

昨日は久しぶりに鬼にあたってしまった。痛かった。でもね。正直に言う。鬼がいちばん、たぶん技術が高い…!からだのほぐれかた、ちがう…!!
でももう素直にありがとうとは言えない。だって痛いし。感謝…しては…いる…。あとツイートするネタになる。ふつうじゃなさすぎて、つぶやかずにいられない。

整骨院、行ったことないひとには、行ってみてほしい。じぶんのからだと向き合うのって、じぶんひとりじゃ難しい。誰かが教えてくれて、ほぐしてくれるっていい。お金もそんなにかからないし。こんなこと言われたことある?

「くりこさんの背中…まるで…亀の甲羅みたいです…!!」

ね?じぶんじゃ、わからないでしょ?背中が亀の甲羅になってるかどうかなんて……。(切ない)(やさしいお兄さんに言われるとさらに切なさが増す)

整骨院、これからもちゃんと行こう。

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