Buddy　ライナーノーツ

ご無沙汰です、かなりドタバタしていたので久々のエントリーです。

今回は新曲のライナーノーツ。

モチーフとしてはシングルナンバーというよりはアルバムの小品のような一曲を作ろうと思ったことと、ギターのカッティングから始まる落ち着いた曲にしたいというところからスタートしました。

楽曲制作自体は5月の初めから開始しました。確か、GW中に最初の一曲分のサイズまで作ったはずです。
そのときの展開はABC展開2回からのソロ回し、Dメロ、落ちサビ大サビという結構な大立ち回りでした。
くどいかな？　とは感じつつ、一旦制作の手を止めて、6月下旬に迫っていた引っ越しの準備に集中することにしました。

作業を再開したのは7月に入ってから。再び聴きましたがやはり展開が冗長だなと思ったので練り直すことに。中々この楽曲のかっこいい部分みたいなところが見えてこなくて、一回ボツにしかけました。

この曲のメロディはAメロから順々に作っていって、8分音符のシンプルなモチーフを展開させていく結構度胸のいる構築をしたので、それをアレンジでどう魅せるか？　が課題になっていました。

なので、アレンジメントを更地にして、メロディとコード進行の構築から見直す、ということを何回かやりました。制作を再開してから、一部のアレンジメントを差し替える（例えば前前作の『unstable world』ではリズムセクションの差し替えを行っています）ということはしましたが全消しはしてこなかった。かなり難航しました。

結果としては開き直ったというか、今回はバンドサウンドで統一しよう、ただし展開は圧縮して、楽器のパターンでドラマチックにしていこうと決めてからスムーズに進んだ気がしています。
きっかけとしては山下達郎の新譜『SOFTLY』を聴いたのが大きいかなと感じています。ジャンルとしては昔から変わらない、オールドスクールな雰囲気でありながらもちゃんと都市的な構成を聴いて、かなり学びを得ることができました。

他にはギターのカッティングの音作りがかなり苦戦しました。ミックスの直前までMIDIノートの調整やアンプシムの選択をしていましたね。特に打ち込みのギターだとそれなりの音源を使ってもやはり生っぽくない部分が悪目立ちしてしまうので、最終テイクでは歪み系のサウンドを採用しました。

歌詞について。相変わらず作詞はしっかりと思いつかない分野になっていますので、筆が乗るまで時間がかかりました。
書き始めてから一週間後にこれまた更地にしていますね。昔はリテイクすることはほとんどなくて、書き出してから大体30分ぐらいで書けていたんですが今はまずないです。

本格的に書き出したのは今月12日になってからです。前日にUNISON SQUARE GARDENのライブが地元であって、4年ぶりに観たそのライブがすごく良くて。独立した記事でも書こうかと思ったぐらいなんですが、歌詞を書くエネルギーに変換しました。

自分自身が創作をしていたり、バンドをやっていることもあり、どうしても技術面の部分が気になってしまったり、対バンのライブだと、イベントを盛り上げたいという気持ちが優先されるものなんですが、童心に帰ることができる時間というのをライブにおいて感じられたんですね。

もちろんUSGの三人もご存知の通りバカテク集団なんですが、それよりもエモーショナルな部分が演奏に現れているという感じがして、純粋に楽しむことができました。

帰宅に向かうバスの中、若々しいイメージの歌詞を書きたいと考えました。実はアレンジが出来上がったところではどちらかといえば暗い歌詞になりそうだ、と思っていて、それと同時に暗さを打開したいという思いがありました。

完全に霧が晴れたのは”明日のおはようを疑わないで”というフレーズが浮かんできたあたりからですね。一回サビまで書いたところで恋愛の匂いは今回は消したいなと思い、歌詞を手直ししています。

15日にリテイクしつつ、詞を書きながら調声に入りました。一番サビの”風をはらむシャツの裾に思わず両手を上げた”が浮かんだときにかなり手応えがあったのをよく覚えています。Buddyというタイトルもこのフレーズから取りました。

大サビ最後のフレーズで伏線を回収できているのも個人的に気に入っているところです。今までしてこなかったんじゃないでしょうか。とにかくそこにいたるまでの歌詞の流れが非常にいい。

そして今回はニコニコ動画にも投稿しております。気が向いたからです。Twitter投稿用に買った動画ソフトが遊んでいるのももったいないなと思いまして。まあ昔ながらの一枚絵に歌詞です、お手紙みたいなものなので奇をてらうつもりもありませんで。
久々に投稿しましたが、リアクションが昔より早い気がします。本当にありがとうございます。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm40932727

次の曲のアイデアは特に浮かんではおりませんが、ちょっとペースを落としつつ、制作は継続していきたいと思っています。もしかしたらギターサウンドを控えめにするかもしれません。

ということで、ざっくばらんではありましたが新曲Buddyのライナーノーツでございました。この記事を読み終わったら改めて聴いてもらえると嬉しいです。それでは。